大河原滋にスポットライトが当たる

 

その様子をまるで映画のワンシーンかのように見つめるしかないつくし

 

その姿を隣で見守る類

 

司だけが壇上で何かを叫びだしそうな表情だった

 

そしてなぜか流れで滋がピアノを披露しはじめたのだ

 

その演奏がとても上手く、まるでピアニストのようだった

 

その姿に更に圧倒されるつくし

 

つくし「勝てるわけがない」

 

恋愛は勝ち負けではない。頭ではそうわかっているつくしだったが、滋の姿には勝てないという言葉が浮かぶぐらい、完璧なお嬢様だったのだ

 

そんなつくしに更に追い打ちがかかる

 

司会者「ここで婚約のお祝いとして牧野つくし様からも演奏を…」

 

つくし「へ?」

 

そしてつくしにスポットライトが当たる

 

あまりのことに、つくしの思考は停止した

 

周囲の雑踏はもう聞こえずに、目の前に見える司の母親と司の表情だけが視界に入る

 

司の母親がつくしに不敵な笑みを浮かべたように見えた

 

つくし「そういうこと…」

 

ぼそっと吐き捨てる様につくしがつぶやいた

 

類「牧野」

 

ポンっと優しく背中を押す類

 

類の手の熱を背中に感じながらつくしは壇上に用意されているピアノへと歩き出した

 

そして…はちゃめちゃな演奏とともに終了し、司の母親を睨みつけ、つくしは逃げるようにその会場を後にした

 

それを司は追いかけてきたが、結局、大喧嘩をしてしまう

 

それは司が大河原滋の方に話があると連れ去っていってしまったからだった

 

そんなことがあった一夜があけ

 

次の日、朝起きると一本の電話がつくしに入った

 

つくし「…もしもし」

 

類「おはよ」

 

髪の毛はぼさぼさ、泣きはらしたような目のつくしが類の声に飛び起きる

 

つくし「どどどどうしたの?」

 

類「……車で走ってたらさ、道に迷っちゃって、牧野、ここどこだかわかる?」

 

つくし「え?ええええ?!」

 

優しくて世話焼きでおせっかいなつくしは類のこの言葉に飛び起きた

 

心配して電話をすれば、つくしは強がってもっと頑張ってしまう

 

そんなことはお見通しな、類なりのつくしを外出に誘う言葉だった

 

でもそんなことにつくしは気づくわけがない

 

つくし「なにか目印のようなものある?えっと…あれ?うちから近い!そこ動かないで待ってて!!結構いりくんだ道だから…」

 

つくしはバッとコートを着て家から飛び出す

 

類はその様子を電話越しにききながら車にもたれかかってうんうんとうなづいていた

 

白いコートを着た背の高い類の口から白い吐息がみえる

 

そろそろ肌寒い秋になろうとしていた

 


 

もう読んでくださる方がいないかもしれませんが、更新です

 

胃腸炎で救急車に運ばれたりしてました…みなさま脱水症状に気を付けて下さいね…

 

まったく更新がない中、メッセージを下さってる方もいらっしゃいました

 

本当にありがとうございます

 

すごく嬉しかったです

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