司「あのばばあが料理…」
司は信じられないといった風に椅子に座り直す
つくし「お義母さんの料理…」
つくしの脳内には厳格な顔つきの道明寺楓がエプロンをしている
つくし「ダメだ…どれだけ想像してもお義母さんの料理風景が定まらない!!」
つくしの脳内はエプロン姿やメイド服の道明寺楓でパンクしそうになっている
司「お前・・・ぜってぇ変な想像してるだろ」
つくしの表情をみて思わずつっこむ司
タマ「まあ、驚くだろうね。でもね料理をしてる楓様はこう言ったら怒られるかもしれないがとても可愛かったんだよ」
司「ばばあが?!」
つくし「もう!!司!!」
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当時のイタリア、道明寺別荘にて
ハナ「楓様、卵の殻が・・・」
楓「わ、わかってるわよ!黙って見てて」
ハナ「は、はい・・・あ、タマ!」
キッチンに入って来たタマに気づいた二人
タマ「お久しぶりです、楓様。今日からまたお世話係として・・・」
楓「タマまで呼んだんだ。呼んだのはハナ?」
タマの挨拶を遮るように楓が話し始めた
ハナ「はい」
ハナは楓にそう答えた
楓「私がこの前家出したから?」
ハナ「やはり私だけでは目の行き届かぬことがありましたので」
タマの心の声(他の使用人から聞いたところ半日もせず家の近くで楓様を発見したとのことだけど、何があったのだろうか)
楓「ふーん、あっねえタマ、何か日本の食材を持って来てない?」
楓はハナのこたえに特に追求もせず、タマにそう問いかけた
タマ「はい、野菜や果物などですが、少しばかりお持ちしました」
ハナ「他の日本食材はもう少しお待ちください。海外に運ぶとなると・・・」
ハナが楓に説明しようとしたが楓はもう聞いてもいなかった
楓「りんごだわ!これ、ちょうだい!」
楓はタマがもってきたりんごを持ってどこかへと走って行く
ハナ「楓様!!どちらへ?!」
ハナは楓のあとを追うよう視線でタマに命じた
タマは急いでハナのあとを追う
ハナは楓の料理が途中だったので、ほこりが入らないようにテキパキと片付けて始めた
ハナの心の声(おそらくあの方のところでしょう。旦那様に男性には近づけるなと言われたけど、でもやっぱり私は楓様に笑っていてほしい)
ハナは目を閉じ、あの日楓が家出をした日を思い出し始めた
☆☆☆☆
続く