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楓は重い緑の扉を押し開く

楓「お手洗いにしてはしっかりした扉ね…」

重たい扉を開いて目に飛び込んできた光景は大きな椅子と小さな庭園だった

楓「こんなところに中庭があるの?!」

楓は館の造りとはちょっと違う中庭に不思議と安心感を覚える

楓「ここ、日本庭園みたいね、広くはないけれど・・・綺麗にしてある庭だわ」

楓はふらふらと庭のほうへと歩みを進めた

セイ「そこ、勝手に入らないんでほしいんだけど?」

楓「?!!」

部屋の奥のほうに本を読んでいたと思われるセイの姿が見える

楓が振り向くと、セイは読んでいた本をパタンと閉じて楓のほうへと向かってきた

楓「さっきの・・・あの、ごめんなさい」

セイ「まあ別にいいよ、ここの家は本当は君の家だしね」

楓「え?」

セイ「まっ太陽は気づいてないようだけどね、道明寺楓さん」

セイはそう呼んだあと、ふふっと小さく笑った

楓「!!!!」

楓の顔が一気に赤くなる

セイ「あれ?どうしたの?」

楓「!!知っていたのね、私が誰かって・・・」

楓の返事にセイはこらえきれないといった風に笑いだす

セイ「あはは!そりゃそうだよ、ここは道明寺家の敷地だよ、そんなところをこんな小さな女の子が歩いてなんているわけがないよ」

楓はセイの言葉に何も言い返せない

楓「あの、私がここにいること、誰かに聞かれたら黙っててもらえませんか?」

セイ「誰かって誰?」

楓「え?」

セイ「君何も知らないんだね、でもしょうがないか、見るからに何も知らない小さな女の子だしね」

セイはそう言うと、楓の頭をぽんぽんと撫で部屋を去ろうとドアノブに手をかける

セイ「そうそう。ここの庭園は君の父上に頼んでちょっと俺がいじらせてもらったんだ、結構大事にしてるから、庭園に入ろうなんて思わないでね」

楓「っ・・・・!!」

セイが楓の頭の上から手を離し扉から出ていこうとする

楓「みんなして、私を【小さな女の子】と【何も知らない】と馬鹿にする・・・私はそんなに小さな女のこじゃないわ!!もう、どうしていいのかわからないのよ・・・!!!」

楓はその場に座り込み、泣き始めてしまった

扉からでようとしたセイは突然泣き出した楓に歩みを止め、部屋からは出ていかずにそのまま扉を閉めた

セイ「……いきなり泣き出しても俺にはどうすることもできないけれど、泣いてる小さな女の子は一人にはできないな」

セイはそう言って楓の横へとしゃがみ込む

楓「!!小さな女の子と馬鹿にしないで!!私はこれでも道明寺家の跡取りよ!この先、道明寺家は私ひとりにかかってるんだから!!」

セイ「はいはい」

泣き叫ぶ楓をまるで赤子をあやすかのように抱きしめるセイ

楓「!何するの?!」

セイ「まっ、俺のことはハンカチだとでも思ってよ、涙をぬぐうことはできるからさ」

楓「!!!!ううっ・・・・くっ…」

セイ「君は声を殺して泣くんだね。結構すごいこと叫んでいるのに」

セイはそう言って笑いながら楓の背中をさする

楓「・・・道明寺家の跡取りがこんなのじゃダメなのよ…」

セイ「はいはい、いいから泣きなさい」

セイに優しく背中をさすられ、楓は数年ぶりに大泣きをした

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続く

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