セイ「少しは落ち着いた?」

楓「・・・・・・」

セイの言葉に顔をあげる楓

セイ「それだけ泣ける元気があるなら君は大丈夫だよ」

セイはそう言うと、優しく楓の頭をぽんぽんと撫でる

楓「あの、ごめんなさい」

セイ「何に対して謝ってるのかわからないけど少なくとも君の謝る相手は待たせている太陽にじゃないかな?」

セイの言葉にハッと我に返る楓

楓「そうだ私!お手洗いに行くつもりで・・・」

セイ「お手洗いはここよりもう少し手前の茶色い扉だよ」

楓「え?でも緑の扉だって教えてもらって・・・」

セイ「あ~もしかしてそれ教えたの太陽?」

楓「・・・」

セイの問いに楓はこくりとうなづく

セイ「あいつ、物事を覚えているようで覚えていないところあるから、素で間違えたんだと思う。ごめんね」

楓「・・・・」

楓は首を横にふった

セイ「道明寺家の跡取りは、大変なことだと思うよ。でも俺はあの道明寺家当主が女を跡取りに選んだことのほうが驚きだよ。君はあの当主が選んだんだから、もっと自信をもつべきだ」

セイはそう言って立ち上がり、ドアノブへと手をかける

セイ「それじゃ、君も早く戻りなよ」

楓「・・・ありがとう!!」

楓の言葉にセイはまた振り向くことはせず手だけ振って部屋をあとにした

楓「・・・・ありがとう・・・・・」

楓はひとりそうつぶやいたあと、また涙をながす

楓「・・・・・・」

楓は自分のお腹あたりの服をめくった

楓「ひどい傷・・・」

楓の腹部には青あざができていた、腕や肩にも青あざや切り傷が見える

楓は、精神的ないじめだけじゃなく、暴力も受けていた

楓「ハナがこれをみたら卒倒するわね」

楓はそうつぶやくと、また服を元に戻す

楓「・・・私は道明寺家跡取り、道明寺楓よ。こんなことで負けるわけにはいかないのよ」

楓がそう自分に言い聞かせるようにつぶやいたあと、遠くから楓を呼ぶ声が聞こえる

太陽「楓ちゃ~~ん?大丈夫ーーー??」

楓「!!!そうだったわ!」

楓は慌てて扉をあける

太陽「楓ちゃん!なかなか戻ってこないから心配して・・・・ってあれ?ここ・・・」

楓は扉からでてきた楓とちょうどはちあわせ、扉の奥をのぞく

太陽「ごめん!楓ちゃん!!お手洗いの場所間違えてた!!あれ?どこだったかな・・・ここにくるのあまりないから忘れちゃったな」

楓「さっき太陽…さんと同じ年齢くらいの方に茶色いドアだと教えてもらいました」

太陽「あ!もしかしてセイかな!セイは俺の親友なんだ!セイの家と俺の家は昔から付き合いがあってセイとは幼馴染なんだよ」

太陽はそういって屈託のない笑顔で笑う

楓「お二人は兄弟だと思ってました」

太陽は楓の言葉に大げさに驚く

太陽「えええええ勘弁してよーー!セイはかっこいいじゃん!髪の毛さらっさらだし目なんてビー玉みたいに透き通ってるし!俺の頭をみてよ!天パだぜ!?」

楓「太陽…さんも良い人だと思いますよ」

楓のこたえに不服そうな太陽

太陽「そこでかっこいいですよ!とか言ってよ!それに太陽!って呼んでっていったよね。太陽さんは禁止な」

楓「!!わかったわ、太陽・・・・。太陽もかっこいいと思うわよ」

太陽「いやあ、それほどでも・・・あるかな!」

楓「・・・・・」

太陽の自信満々の笑顔に楓は少し呆れたような笑みをかえす

太陽「おい、今馬鹿にしただろ」

楓「いえ、そんなことないですよ」

太陽「もーーこんなちっちゃな女の子に馬鹿にされたよ~」

楓「!!!あの!!私小さくないですから!」

太陽「え~~~?小さいよ、君13歳くらいだろ?」

楓「!!もうすぐ17です!!」

太陽「うっそだ~~~!!」

楓のこたえに爆笑する太陽

楓「ひどいわ、本当に17になるのよ」

楓は太陽に怒った口調でかえした

太陽「え?!ほんとに?!てことは君そうとう童顔だね」

太陽はそういうと、身体を前かがみにしてまじまじと楓の顔をのぞきこむ

楓「・・・・っ」

楓は困ったように顔を背けようとした

太陽「あ!」

楓「え?」

太陽「ご飯冷めちゃったよ~も~早く食べよ!」

楓「え?ええ」

楓は太陽の腕につかまれそのまま先ほどの部屋へと向かう

楓「あの!!お手洗い!」

太陽「ああ!そうだった!早く来てね!!」

途中で別れ、楓はすぐにお手洗いを終えて部屋へと戻った

太陽「じゃ~~~ん!ちょっと冷めちゃったけど!!俺の料理を食べてくれ!」

楓「!!ありがとう!」

楓は用意された席へと座り、マナーよく食べ始める

楓「これは・・・!!!」

楓は一口食べた後、味が何もしないことに驚く

太陽「どう?どう?!!」

楓「・・・・おいしいわ」

楓はそう言い、魚料理をきれいに食べ終えた

太陽「俺の料理を残さず食べてくれたのは楓ちゃんがはじめてだよ!!」

楓「・・・・・・」

太陽「楓ちゃん?」

太陽の言葉に返事をかえせないでいる楓

楓「・・・」

太陽「楓ちゃん?どうしたの?」

楓は無言のまま、目を見開いている

セイ「君、早くお手洗いに行ったほうがいいよ」

どこからともなく、セイの声が聞こえ、楓はすぐにお手洗いへと走り出した

太陽「セイ?!いつからそこに?!」

セイ「いつからだろうね。というか太陽、これ味見した?」

太陽「してない」

セイ「お前な・・・・・」

太陽「でも今回は完璧だと思ったんだよ!!」

セイ「・・・・・」

☆☆☆☆

続く

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