太陽は仕方がないといった感じに説明をはじめる

太陽「俺たちはさ、俺たちの父親についてここにきたんだよ、というか連れてこられた」

楓「ここには初めて来たの?」

楓はセイが造ったと言っていた庭園を思い出し、不思議そうにそう聞く

太陽「いや、ここは幼少期から使わせてもらってたかな」

楓の心の声(そうだったの…私はこの人たちにはじめて会うけれど、この二人はずっと私の父親とも会ってたのかしら…)

楓は少し自分の胸が痛むのを感じた

太陽「といってもうちの親と楓ちゃんの親とで商談があるたびにここに連れてこられてたみたいだけどね」

楓はそれに納得したようにうなづく

楓「うちと昔からそういう関係があったのに、私わかってなくて…」

楓はちょっと悔しそうな表情を浮かべる

太陽「しょうがないんじゃない?楓ちゃんっていきなり跡取りだったよね?俺たちは先に楓ちゃんのお兄さんには会ったことがあったんだよ」

楓は太陽の言葉にすごいいきおいで顔をあげた

楓「兄に?!」

太陽「……セイとは違って本当に時々しか会ったことがないけど、その、お兄さんは残念だったね。突然病気で逝ってしまうなんて…」

楓「…ありがとう」

楓の兄が亡くなった理由は、世間では病気で亡くなったことになっていた

楓は兄のことを思い出し、拳を強く握りしめる

太陽「で、まあ商談関係だったんだけど、今度うちと道明寺が合併というか、なんか一緒になるみたい」

楓「うちと?!!」

そんな重要なこと、知らないはずがないのに何も聞いてなかったことに驚く楓

太陽「そう、でもそれはかなり重要な話になるから、全部秘密で事は進んでいるんだ」

楓「私にも、秘密に進んでいることよ、それ」

太陽「やっぱり?というか道明寺は老舗で天皇や政治家たちにも長年使われているホテルというのが欲しいんだよ。でもちょっと揉めてるようだけどね」

楓「え?」

太陽「老舗の名前を使い続けるんじゃなく、道明寺グループのホテルにしたいみたい。そして俺たちを道明寺一族にしたいみたいなんだ」

楓「え?それは…」

太陽の言葉に困惑する楓

太陽「俺の家さ、老舗で代々続く由緒あ~~る家柄だったんだけど、最近ちょっと経営が厳しくなってきてて、歴史もあるからってちょっと調子乗った結果なんだけどね」

太陽はそういって少し笑う

太陽「俺としてはあんなぼったくり旅館やホテルはつぶれても仕方ないって思うんだけど、どうやら親はそうじゃないらしい。道明寺って名前に代わってしまうけどそれでも続けたいみたい。でも名前になんとか老舗の名を残せないかって少し揉めてる」

楓「そうだったの…」

楓は小さくそう答えた

太陽「楓ちゃんもひとごとじゃないんじゃない?」

楓「そりゃ。そうよね」

太陽「違うよ。聞いてない?楓ちゃん、俺の兄が婚約者じゃないか」

楓「!!!!」

そういえば、楓は去年、10も年上の婚約者を作られたと聞いていた。でも正直興味もなく跡取りならば当たり前のことだと納得し、日々の勉強に追われていた。

楓「太陽…のお兄さんが私の婚約者なの?」

太陽「そうだよ、知らなかったんだね。俺の家はさ、確かにいろいろ厳しい状態だけど、歴史もあるし日本のあちこちにまだ手放していない土地もある。それに今までの人との繋がりもあるし…まあ今まで以上に道明寺がでかくなるし、道明寺にメリットになることが多いんだよね」

太陽はそういってまた笑う

太陽「俺は清宮の跡取りだけど、兄は道明寺に婿入りして事業の手助けというか…まあ、わかるよね?」

楓「でも…それなら普通は兄より次男が婿入りじゃない?」

楓はそう自分で言ってしまい太陽は嬉しそうにした

太陽「なになに?楓ちゃん俺のほうがいい?!」

楓「そ、そういうわけじゃ…」

楓は慌てて否定してしまう

太陽「否定されるのもさみしいな~~、隠してても仕方ないけど、兄と俺はね、母親が違うんだよ。俺は後妻さんで兄は亡くなった母の子供。跡取り関係は揉めたよ~~」

太陽はそれすら笑って話す

楓「それは、揉めるわよね」

楓は悲しそうに答える

太陽「そんな悲しそうにしないでよ。まあ、道明寺と合併したあと、こっちは何を後継ぐんだって話なんだけどね」

楓「…」

太陽「おそらく兄が俺にホテルのひとつでもくれるんじゃない?」

楓「でもそれって…」

そんな話をしていたところ、玄関のほうから騒がしい音が聞こえてきた

太陽「やば!親が帰ってきた!」

太陽はすばやく食器を片付け始める

楓「!!!」

楓はおろおろとしていたが太陽がそんな楓の腕を引っ張る

太陽「ここで見つかってもめんどくさいだけだから…裏口からでなよ!」

楓「!!ありがとう!!」

二人は裏口のほうへと走っていった

☆☆☆

続く

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