つくしはお風呂に入り用意されていた果物のジュースを飲んだあと、使用人が食器を下げると言っているのも聞かず食べたものは自分で…とテキパキと片付け使用人にありがとうと伝えてから横になった

 

そしてタマ先輩との約束の時間

 

部屋の扉を叩く音が聞こえてくる

 

待ち構えていたかのようにそのドアをつくしが開けた

 

タマ『おおっと』

 

扉がいきおいよく開けられ驚くタマ

 

つくし『あっごめんなさい、タマ先輩!お話を!』

 

タマ『やれやれ』

 

そんなつくしに困ったように笑うタマ

 

つくし『あれ?普段着に着替えたんですか?』

 

タマはさっきまで使用人の服を着ていたが今は私服だ

 

タマ『そうさ、今から話すことはね…つくし、あんたの友達だから話せるんだよ』

 

タマはそう言って笑う

 

つくしもそれを理解したのか笑顔をかえす

 

つくし『使用人なんて思ってないけどね』

 

そう、つくしはタマのことを使用人と思った事は一度もなく、タマもそれをわかっていた

 

これはある意味けじめのようなものだった

 

タマ『道明寺家使用人としては何も言わない聞かない見ないが鉄則だからね』

 

そう笑ってつくしの部屋にある椅子に腰掛けるタマ

 

つくし『知ってます、だから私もこれからあることは何も知りませんよ?』

 

そう言って意味深に笑うつくし

 

タマ『ほぉ、たいしたもんだ』

 

タマは嬉しそうに笑った

 

少しの間のあと、タマが切り出した

 

つくしもタマの目の前にある椅子に座っている

 

タマ『つくし、あんたはね、若い頃の奥様、道明寺楓様にそっくりなんだよ』

 

つくし『へ?』

 

思わず驚きの声があがるつくし

 

タマ『私はね、10代のころからこの屋敷にきていた、私の母親もね、道明寺家に仕えていたからその跡を継ぐように色んな事をその年から教えられていた』

 

つくし『タマ先輩のお母さんも?』

 

タマはそれに大きくうなずく

 

タマ『そうさ、母親はそりゃあ立派な使用人頭でね、見猿言わ猿聞か猿を体現して生きてるような人だった、まるでロボットだよ』

 

そう言ってタマは笑う

 

タマ『でもやはり人間だったんだね、母が亡くなる直前私に日記帳を差し出してきた、必ず中を見ないで燃やすこと…そう言われていたが…』

 

つくし『みちゃったんですね?』

 

つくしは優しく笑う

 

タマ『…母親が亡くなってあまにもさみしくてね、つい見てしまった、せっかく母が最期に頼んだことなのにね、でも母の字を見るだけで幸せになったもんさ、日記帳の中は道明寺家で聞いたこと見てきたこと、こんなのが出回れば道明寺は…っていうような日記帳さ』

 

その言葉につくしは驚く

 

つくし『道明寺家は…ってつぶされる?とか?』

 

タマ『ふふ』

 

タマは意味深に笑った

 

タマ『安心おし、そんな物騒なもんは何十年も前に母と約束したとおりちゃーんと燃やしたよ、名残惜しくはあったがね、私も使用人頭だからね』

 

タマはそう言うと少しさみしそうに笑った

 

つくしは遠慮がちに聞く

 

つくし『あの、私がお義母さんに似てるというのは?タマさんのお母さんじゃなくてえっと道明寺の…』

 

そう問いかけるつくしの言葉にタマは優しくかえす

 

タマ『あぁ、そっくりだよ、話それちゃったがね、私は小さな頃の奥様、楓様を見ているんだ、あの頃は幼稚舎とかいうものもなくてね、この道明寺家に楓様と同じ年頃の小さな子達が集められ楓様のお友達として遊ばせていたり、家庭教師がついていたり、そうそう、楓様にはお兄様がいてね…』

 

タマの話を思わず遮るつくし

 

つくし『え?お兄様??お義母さんに?えっ?じゃあなんで女社長に??お兄様は??』

 

つくしの矢継ぎ早な質問にタマはつくしを落ち着かせるように手のひらを揺らす

 

タマ『ほらほら落ち着いて、何から話そうかね、そう、道明寺家に産まれるということは、どれだけのことか、話していこうね』

 

つくしはごくりと生唾を飲み込む

 

~~時はさかのぼり道明寺楓、幼少期~~

 

楓『ねぇ、お父様は?』

 

小さな楓の問いにこたえたのはタマの顔にそっくりな顔の使用人頭、タマの母親であろう事がわかる

 

使用人頭『お父様はお仕事ですよ』

 

楓『お兄様は?』

 

使用人頭『…お父様についていらっしゃいます』

 

楓『ふーん、で、今日はなにするの?』

 

使用人頭『お父様のお友達のお子様を集めております、そちらで皆さんと遊びましょう』

 

使用人頭に手を持たれ連れて行かれた大広間で幾人かの楓と同じ年頃の子供達が待っていた

 

楓の姿をみるやいなや、駆け寄ってくるのはその子供達の親ばかり

 

子供親『あぁ、楓様、今日も可愛らしい、ささ、私の息子と…』

 

他の子供親がそこに割って入る

 

子供親2『いやいや、楓様はそんな外遊びばかり好きな男の子より物静かで本を読むのが好きな私の息子と』

 

またそこに割って入る他の親

 

子供親3『男の子よりも同じ気持ちがわかちあえる女の子ですよね、楓様』

 

そういって同じ年頃の娘の手を無理やり引っ張って楓の前にたたせる

 

子供親はみんな目がギラギラとしているが、その子供達はみんな死んだような目をしていた

 

楓『あの…』

 

楓は困ったように使用人頭みる

 

使用人頭『楓様がお困りです、子供達だけにしてください、皆様はお隣の部屋へどうぞ』

 

使用人頭にそういわれ、親達は慌てて走るようにみんな隣の部屋へと駆け込んだ

 

使用人頭は楓にぺこりと頭を下げ

 

使用人頭『楽しんでくださいね、何かありましたらすぐにお呼びください、すぐそばにおりますから』

 

そう言って使用人頭もその部屋から出る

 

途端に大広間に静けささが広がった

 

男の子『あーあ、ひまー』

 

男の子が大きくため息をつく

 

口に人差し指をあてて女の子が慌てる

 

女の子『こら!そんなこといっちゃだめなんだよ!ここでじょうずに遊ばないとお父様もお母様もどっかいっちゃうんだから!』

 

その言葉に他の男の子がこたえる

 

男の子『どっかってどこだよ、僕のおとうさんもそんなこといってたけど…』

 

女の子『わかんないけど、どっか遠くにいってもうあえないってことだって』

 

女の子がそれにこたえて少し勝ち気な見た目の男の子がそれに苛立ったようにこたえた

 

男の子『あーあ!ほんとなら今日馬に乗せてくれるっていってたのになー誰のせいかなー』

 

男の子はそういって楓のほうをみる

 

楓はそれにびくっと肩を揺らせた

 

女の子『だから、だめだって!!』

 

楓『うっ…』

 

楓が泣きそうになる

 

女の子はそれをみてとても慌てる

 

時すでに遅く、楓が大声で泣き始めてしまった

 

その声を聞きつけ使用人頭が走り寄り、隣の部屋から親達も走り寄り、親達全てが土下座をしはじめた

 

その光景は何もわからない子供心に酷く嫌な事として残るであろう光景だった

 

道明寺グループ、道明寺楓の父親はそれはものすごい権力を持っていた

 

今でさえ政治家が黙るほどの権力の持ち主

 

だがその頃、道明寺グループにはひとりの頭脳明晰な跡取り息子がいた

 

そのため、楓はスパルタ教育は受けてはいたものの、色んな事はほおっておかれていた

 

父親の注目は常に一人息子の兄へと向いていて

 

母親は楓を産んですぐに亡くなっていた

 

☆☆☆

続く

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