司の部屋の扉が西田によって開けられた

楓「・・・・」

西田「失礼いたします」

楓と西田が部屋へと入ってくる

美作と西門に緊張が走る、類だけは何も緊張はしていないように見えた

司「・・・なんの用だよ」

重苦しい空気の中、一番最初に口を開いたのはやはり司だった

楓が四人の前の椅子に座る、西田が楓の後方に立っていた

楓「・・・」

楓の視線が動く、誰かを探すかのような視線に司が気づく

司「あいつならあとで来るよ」

楓「・・・司、西田から報告を受けたのだけれど、妊娠は本当のことなの?」

楓がなんの感情もこもっていないような声で司にそう聞いた

司「ああ・・・」

司はぶっきらぼうにそう答えた

楓「西田」

西田「はい。西門総合病院に確認いたしました。妊娠は事実とのことです」

楓「そう・・・」

司「・・・・それで?それがどうしたんだよ」

楓「・・・・喜ばしいこと」

司「はあ?」

美作・西門「え・・・?」

類「・・・・」

楓からのお祝いの言葉に信じられないといった風な4人。

楓は笑みを浮かべながら言葉を続けた

楓「道明寺家跡取りの誕生となるわね。あの子はこれからニューヨークの家に連れて行きます。いいわね、司」

司「はあ???ちょっとまてよ、なんだよ急に!そんなとってつけたよーな祝いの言葉なんてぜんっぜん心がこもってねえんだよ!!」

司が怒りのあまりその場でいきおいよく立ち上がる

そんな司にはおかまいなしに、話は進む

楓「西田、準備を」

西田「はっ」

司「おい、西田。お前そんなことすんじゃねーぞ」

西田「ぼっちゃん…申し訳ありません。会長の命ですので・・・」

司は西田に詰め寄るが、西田は申し訳なさそうに顔を背けた

楓「司」

楓に呼ばれ、まるで獣のような表情で司が振り返る

司「なんだよ、ばばあ」

楓「・・・もうあなたは社長なのだからそんな言葉遣いはおよしなさい。それと、あなたとあのこの子供は、道明寺家の子供です。ただの子供とはわけが違うんです。当然でしょう」

司「だから・・・なんなんだよ・・・」

司は苛立ちを隠せない

そんな一触即発な空気を破ったのは類だった

類「あの・・・」

楓に向かって花沢類は声をかける

楓「・・・何かしら?」

類「牧野つくし・・いや、道明寺つくしを隠すんですよね?ということは道明寺の家より、俺のニューヨークの別荘貸しますよ。そのほうが見つからないんじゃないですか?」

楓「・・・・」

類の申し出に少し考える素振りを見せる楓

楓「ありがたいことだわ。花沢会長には私から連絡いたします。司、あなたも少しはこれくらい頭が回るようになったらどうなの」

楓の冷たい言葉に司は殴りかかりそうになる

慌てて美作と西門が止めに入る

西門「おまえ・・・暴力はないだろうよ」

美作「どーどーどーちょっとは冷静になろうぜ、司」

二人のおかげか、司は振り上げた腕をおろす

司「つくしと離れ離れじゃね~かよ、ふざけんな。一緒に腹がでかくなるの見ていこうと思ったのに・・・」

司の言葉に楓は返事をすることもなく、西田と司の部屋をあとにした

落ち込む司に声をかける類

類「まぁまぁ、こればっかりは仕方ないよ司。でもうちの別荘使うみたいだから、司の家の別荘より行き来しやすいんじゃない?」

類の言葉に顔がパーーッと明るくなる司

司「類!!!!お前そう思ってあのばばあに言ってくれたのか?!やっぱり持つべきものは友達だよな!」

司は嬉しそうに類の髪の毛をくしゃくしゃと撫で回す、ちょっと困っている類に美作と西門も感心しなように話し始めた

美作「さすがだな、類」

西門「俺ら、司の母ちゃんにはまだなんも言えないからな」

美作と西門も素直に類を褒めた

類「そりゃ、つくしが心配だもん」

司「え?そりゃ・・・どういうことだよ、類」

類「え?だってそりゃそうでしょ」

司と類に微妙な空気が流れ始めた

美作「まっま~ま~ま~ここは類にありがとう!ってことで!!たぶん今から連れてかれちゃうだろうから、司、会いに行って来いよ。俺たちもすぐにニューヨークに向かうわ」

司「それもそうか!おいお前ら!サンキューな!!!あとでニューヨークで会おう!」

美作・西門「おう!」

類「・・・」

類だけは無言で笑って司を見送った

司「まだつくし、家にいてくれよ~」

司はつくしの部屋へと走る

一方つくしは、西田に詰め寄られているところだった

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

つくしの衣裳部屋

タマ「バカいうんじゃないよ!このこはさっき飛行機乗って帰ってきたばかりなんだ!妊婦がそうそう何度も飛行機に乗れるかってんだ!」

西田「ちゃんと主治医も乗せての出発になりますので・・・」

タマ「そ~~んな勝手なこと決めて・・・まあそりゃあここよりはニューヨークのほうが安全だろうけど、少しはこのこの体調を考えてやってほしいもんだわね~奥様も」

西田がつくしをニューヨークに連れて行くと聞いて、タマ先輩は非常に怒っていた

それはそうだ、つくしは先ほど、司とともに無人島から帰ってきたばかりなのだから

つくし「やばい!ここにある服、トランクに早くつめないと!!」

つくしだけは状況に慣れてきているようで、慌てて今まで自分が着てきた服をトランクへとつめこんでいた

つくし「もうこんなのには慣れっこなんだから!つくし様を甘くみるんじゃないわよ!なんたって雑草なんだから、こんなことくらいもう平気!」

つくしはそう言いながら、少しふくれっつらをして荷造りをはじめていた

つくし「絶対、この服もってきて~って向こうで頼んでも駄目とか言われそうだし、そう言われそうなの全部持ってかなきゃ!」

つくしはものすごいはやさで、昔の服や使ってた小物全てをトランクに押し込んだ

つくし「母親になるんだから、これくらいのこと、もう動じないわよ」

支度も終わり、つくしが西田の前へと出てきた

つくし「さあ!準備万端!ど~んとこいよ!」

つくしが得意げな顔で西田にそう告げた

西田「つくし様、ありがとうございます」

西田がそれに嬉しそうに答える

タマ「・・・私もついていくよ」

つくし「え?」

西田「それは・・・」

タマ「それはもくそもあったもんかい!若いもんにこのこの世話はさせないよ!」

つくし「タマせんぱい~~~」

タマの言葉にとても嬉しそうなつくし

西田「かしこまりました。それでは参りましょう」

西田がタマとつくしを連れて出発しようとした、その時

司「つくし!!!」

つくし「司!!!」

司が駆け寄ってくる

西田はすっと道をあけ、司をつくしの前へと通した

司「つくし、嫌だったらすぐに言えよ!飛んでいくからな!」

つくし「司、大丈夫だって、こんなのへっちゃらだよ」

つくしはそういってガッツポーズをしてみせる

司「・・・それでこそつくしって感じだな!」

そんな風に強いつくしに嬉しそうに笑う司

司「少し離れ離れになるけど、すぐに会いに行くからな」

司はつくしのお腹にも声をかける

つくしはそんな司の姿を愛おしそうに見つめていた

西田「・・・そろそろ時間ですので」

西田がつくしを連れて行こうとする

司「おい西田」

司の呼びかけに止まる西田

司「つくしのこと、よろしく頼むな。あとタマも・・・守ってやってくれ」

司の言葉に、西田は口の端があがる、タマも嬉しそうに目じりを下げた

タマ「あったりまえだよ、私を誰だと思ってるんだい」

西田「ぼっちゃん。ご安心ください。必ずつくし様を安全に連れて行きます」

司「おお、頼んだぞ」

司はそう言って三人を見送った後、携帯を取り出す

司「ああ、俺だ。これからこっちの仕事全部片付けて、すぐにニューヨークに飛ぶぞ」

司はすぐに仕事へと戻った。つくしに早く会いに行けるように。

道明寺、プライベート空港

飛行機の音が響く、ここは昔道明寺にクッキーを渡し、気持ちが通じ合った場所だ。

無人島に行くときも、この空港には来たが、司がいない時にここの空港に来るのはこれがはじめてだった。

つくし「いつもは司に引っ張られてゆっくり見る暇もなかったけれど・・・」

改めて広すぎる個人の空港に驚くつくし

西田「こちらです」

つくし「ありがとう」

タマとつくしが飛行機へと乗り込む

西田「こちらつくし様の主治医になります。あとこちら・・・おかけください」

西田がつくしに優しく膝掛けをかける

つくし「ありがとう、西田さん」

西田「いえ・・・」

西田がメガネをくいっとあげた

そして飛行機が離陸した、つくし達はニューヨークへと旅立った

つくし「ということは・・・・」

飛行機の中でつくしはタマのほうを見る

タマ「どうしたんだい?」

タマがつくしにそう尋ねた

つくし「お話の続き・・・してもらってもいいですか?」

にやにやとしたつくしの顔に、タマが呆れた笑いを返す

タマ「あんたは少し休みなさい」

つくし「気になってちゃ休むに休めない」

西田「・・・・」

西田も聞き耳をたてているようだった

タマ「でもここは少し人の耳の数が多いからね、ニューヨークまで我慢だよ」

つくし「ええ~~~そんな~~~~」

つくしがタマにすがるような声を出すが、タマは笑ってかわし、そこで話すようなことはなかった。

☆☆☆☆

続く

ランキング参加中です!応援お願いします!

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

道明寺 楓 ~ 鉄の女 一覧

シリーズ一覧

最新記事

シリーズ

ブログ村