楓の傷を手早く消毒するセイ

楓「器用なのね・・ありがとう」

ここは学園の保健室、セイに連れてこられ、先生がたまたまいなかった為、保健室では二人きりだ

セイ「・・・太陽が小さな頃に怪我ばかりでさ、慣れちゃったんだよ」

そう言ってセイは優しく笑った

ただの小さな切り傷なのに、優しく壊れ物でも扱うかのように手を触られている楓は、なんだかくすぐったく、胸の高鳴りを感じていた

楓「・・・・ありがとう」

楓がもう一度お礼を伝えた、セイは傷の手当をし終わったあと、楓の目を見つめてきた

楓「な・・・・なに?」

顔が近い状態で、綺麗なビー玉のような瞳が楓を見つめてくる、楓は思わず顔を背けた

セイ「俺と太陽は・・・そろそろ日本に帰るんだ。学校もあるしね。今回は親の商談に付き合ってこっちに来てただけだったから。もし日本に帰りたいんであれば、君も日本の学校に通ったら?」

楓はセイの言葉に悲しそうな顔をした

楓「たぶん、お父様、いえ、道明寺家当主がお許しにならないわ」

セイ「言ってもいないのに、はじめから否定しちゃいけないよ」

楓「でも・・・私は道明寺当主とは仕事の話はするけれど、プライベートな話はしたことがないのよ・・・話すことを許してもらってないの」

楓は悲しそうにそう告げた

セイ「じゃあ、機会があったら俺から当主に言っといてあげるよ。それと、太陽のことなんだけど・・・」

楓は背けていた顔をセイのほうへと戻す、セイは眉間にしわがよっていて真剣な面持ちだった

セイ「君がちゃんとした道明寺家跡取りだと思うから伝えておく。太陽の兄と太陽は母親が違うんだ。清宮を継ぐのは誰かでかなり揉めた。その揉め事のせいで、清宮は一気に経営も傾いてしまった・・・」

セイの言葉に楓はうなづきを返す

楓「そう・・・だったの」

セイ「実際、清宮を継ぐのは太陽の兄のはずだった。けど現在生きてる太陽の母親が、それを許さなかった」

楓「・・・・・」

セイ「昔から清宮が良くしてやっていた道明寺家が、太陽の家と合併、要は君との結婚で、清宮を立て直す手助けをしてくれることになった」

楓「・・・最初の相手は太陽さんだったの?」

セイ「・・・」

セイはうなづく

セイ「清宮にとっても道明寺家に婿に出すのはとても都合が良かった、今後跡取りになる娘の婿、実質道明寺の実権を握れるんじゃないかと、まあ清宮と道明寺の結びつきを強くするための結婚だったんだけど・・・」

楓「・・・・・道明寺家をのっとろうと?」

セイは楓の言葉にまたうなづいた

楓「それは・・・私は婚約破棄しなきゃならないんじゃ・・・」

楓の言葉にセイは首を振った

セイ「・・・清宮が揉めている最中、道明寺当主が君の結婚相手は、太陽じゃなく兄の方に変更したいと申し出てきた」

楓「お父様・・・が?」

セイ「もともと太陽に後を継がせたがっていた太陽の母親の後押しによって、そのまま太陽じゃなく兄と君が婚約ということになった」

楓「・・・・」

セイは一回深いため息をついた、そしてまた言葉を続けた

セイ「・・・・太陽の兄はね、もともと心臓が悪いんだ」

楓「え」

セイの言葉に楓は驚き目を見開く

セイ「心臓が弱く、すぐに死ぬ相手なら、道明寺家乗っ取りもないだろう?きっと道明寺家当主はそう考えたんだ」

楓「・・・・」

セイの言葉に何も返すことができない楓

セイ「太陽の母親は、目障りな兄も処分できて、道明寺家と繋がれて太陽が代々続く清宮の後を継いで、メリットだらけなのさ。そのかわり、道明寺家をのっとるのは諦めたみたいだが」

楓「そう・・・だったの」

セイ「だが問題は太陽だ。太陽は兄が大好きなんだよ。だから兄が婿に言ったら清宮に戻ってこれない上に道明寺に婿という肩書きは味方もいないだろうと、身内にももう一生会えないまま一人死ぬんじゃないかって気にしてる」

楓「太陽さん・・・優しい人だものね」

楓の言葉に嬉しそうなセイ

セイ「そう、太陽は優しいんだよ。それと清宮の・・・本当の家業・・・知ってる?」

楓は首を横に振った

セイは小さな声で楓の耳の近くで話す

セイ「先祖代々、裏の全てを取り仕切ってきた家が清宮。表の事業の旅館やホテルを道明寺と結んで復活させ、より大きくしていくための婚約ではあるけど、その後清宮の方は裏の事業にだけ徹して、太陽が裏の家業を継いでいく。道明寺家も裏との結びつきをより強くさせたいんだ」

楓はそれを聞き、身体を硬直させた

セイ「・・・汚い大人たちの商談だよ、俺と太陽がこっちに呼ばれたのは、今太陽を一人にすると逃げちゃいそうだからさ」

楓「逃げる?」

セイ「そう、太陽は裏にも清宮にもまったく興味がない。ただ楽しく生きたいだけの奴だから・・・でも家を大事にしてるから、あいつも結局逃げれないんだよな」

セイはそう言った後、その場から立ち上がった

セイ「だから君と太陽が・・・・もとは婚約者候補だった太陽と仲良くなっていると、また後継者争いで揉め、太陽の兄の派閥についていた奴らが色々とうるさくいってくるわけ・・・だから太陽と仲良くしたいなら、慎重にね?周りにバレないように」

セイはそういった後、保健室から出て行こうとする

楓「あの!!色々とありがとう!!またあとで!!」

セイは笑って楓に手を振り保健室を出て行った

そして、その数日後、道明寺家当主に楓がセイと太陽と会ってるのがバレ、そのときのセイの言葉により、なんと楓は日本の英徳学園に転校することになる。

日本での英徳学園の日々が、はじまった。

☆☆☆☆

続く

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