カフェテリアスペースにセイと太陽と楓がやってきた

 

三人は椅子へと座る、他の生徒達もついてきてはいたが、チャイムがなり教室へ戻るものも多かった

 

三人が座っているカフェテリアスペースへは階段を登った先のため

 

なんとなく残った他の少数の生徒達は登れずに下のほうで三人を遠くから見ていた

 

なかなか戻ろうとしない物たちがいたため、太陽が声をかける

 

太陽「あのさ~ここ、三人だけにしてくれない?」

 

太陽は笑ってそういったが、生徒達は少しおびえた様な表情をしながら凄い速さでいなくなった

 

セイ「さすが」

 

セイが太陽を褒める

 

太陽「・・・・そんなに俺、怖いかな~」

 

太陽がさみしそうにそうつぶやいた

 

それに対し楓は先ほどから気になっていたことを聞いた

 

楓「ねえ、太陽。なんでそんなに雰囲気が違うの?いつもはもっと笑うし、私のことも楓!なんて呼んだことないのに」

 

セイ「・・・・・」

 

セイが楓と太陽のほうを黙って交互に見ている

 

太陽が頭をぽりぽりとかきながら、また椅子に座りなおして話し始めた

 

太陽「セイが話したって言ってたから聞いてたと思うんだけど、俺の家は一応裏の家業もあるからさ、周りに弱いと思われるな!!って小さな頃から言われてて、あんまり笑うんじゃないとか教えられてきたんだよね」

 

太陽がため息混じりにそう言った

 

セイ「まあ、その教育もむなしく、もともとこういう奴だから、明るく笑っちゃう時があって、それがかえってギャップになってクールで強くてかっこいいのに周りを明るく照らしてくれる笑顔をもってる気さくなところもある素敵な人!!とかって褒められて人気なわけ」

 

セイが太陽のかわりに説明口調で淡々と話す

 

そのセイの言葉に太陽が隣でものすごく照れていた

 

太陽「いやあ~そんなことは・・・」

 

謙遜しているが、みるからに嬉しそうな笑顔だった

 

楓「ふふっ」

 

そんな姿を見て、楓から自然と笑みがこぼれおちた

 

セイ「・・・・」

 

太陽「だからクールな俺!で頑張ってるんだけど、まあ、ぼろがでちゃうんだよなあ」

 

楓が笑ったことが嬉しいのか、太陽は嬉しそうに話を続けた、セイも楓の表情を見ているようだ

 

楓「最初会った時は、こんなに人気な二人だとは思わなかったわ」

 

楓が笑顔でそう言った途端

 

太陽「それを言うならこっちの台詞だよ!」

 

太陽がすごいいきおいで話はじめた

 

楓「え?」

 

楓が太陽の様子に驚きそう返すと、太陽は興奮したかのように話し始める

 

太陽「イタリアじゃ、髪の毛おろしてて童顔で、ドジッ子で面白かったのに、今日の楓ちゃん、ひっつめまとめ髪で、眼鏡までかけてて、制服なんてピシーーっパシーーーっとしてるし、全然雰囲気違うよ」

 

太陽の身振り手振りな話し方にセイが静かに笑ってしまった

 

太陽「あ、なんだよセイ。お前だってそう思うだろ?」

 

楓「そんなこと・・・・」

 

楓がそれを否定したが、セイが笑ってこういった

 

セイ「確かにね、同一人物には見えないな」

 

楓「セイまでそういうなんて・・・・」

 

楓は少ししょんぼりしたような表情になった

 

セイ「・・・・・」

 

太陽「ほらな、今のこの姿のほうが俺達が知ってる楓ちゃんだよ、なんで雰囲気変わっちゃうの?」

 

太陽がそう聞いたが、今度はセイがこう返した

 

セイ「それ、お前が言うか?お前もこんな感じだぞ」

 

太陽「・・・・それもそうか!!じゃあ普段の楓ちゃんと、みんなの前の楓ちゃんは違うんだな」

 

太陽がその言葉にとても納得した

 

楓「やっぱりそこはそれなりにね・・・・」

 

太陽「じゃあ、俺達のときだけ、その楓ちゃんが見れるのか。それもいいかもな」

 

楓「・・・ありがとう」

 

太陽と楓とそういって楽しく笑いあった、優しい時間が流れる

 

その後、楓とセイと太陽は、イタリアの話で盛り上がっていた

 

だが楓はある事に気づいた

 

楓「あっ!!授業!!!」

 

楓がガタッと急いで立ち上がった

 

チャイムはとっくに鳴っていたが、それどころではなかったのだ、授業をすっかり忘れていたことに焦る楓

 

セイ「・・・・」

 

太陽「え~楓ちゃんは真面目なんだな~」

 

まだ話さないといけないことはあったが、楓はまたあとで!と二人に言ってすぐに教室へと向かっていった

 

楓の姿が見えなくなった後、セイが太陽に話しかける

 

セイ「なあ、太陽」

 

太陽「なんだ?」

 

セイに話しかけられ、太陽は満面の笑顔でセイのほうを振り向いた

 

セイ「あんまり、みんながいる場所で、道明寺楓と仲良くしないほうがいいんじゃない?」

 

太陽「なんで?」

 

太陽が満面の笑みからキョトンとした顔に変わる

 

そんな太陽にセイは困ったように眉間にしわをよせた

 

セイ「おい・・・わかってるだろ?」

 

太陽「・・・家のことがあるからなおさら、俺は楓ちゃんと仲良くしたいんだよ」

 

セイ「けどやっと状況も落ち着いてきたんだから・・・」

 

太陽「・・・・」

 

太陽が無言で笑った

 

セイは太陽のこの表情を見て、黙り込んだ

 

深いため息のあと、セイは太陽にはもう何も言わなくなった

 

太陽は小さな頃から、こうと決めたら譲らなかった

 

もう何を言われても気持ちは変わらないし行動も変えない、そういった時は必ずこうやって無言で微笑んでいた

 

セイ「じゃあ、俺もう行くわ。今日は疲れた」

 

太陽「おう、俺はもう少しここにいるわ。面白そうだし授業も出てみる」

 

セイ「お前が?」

 

太陽「悪いか?」

 

セイ「いや、いいんじゃない。それじゃ」

 

そうしてセイはその場をあとにした

 

一人カフェテリアスペースに残された太陽はひとり静かに伸びをする

 

太陽「ほんと・・・心配性だな、セイは」

 

そういって笑った後、太陽の表情が真顔になる

 

太陽「道明寺楓だぞ、使わない手はないじゃないか」

 

太陽の表情が一気に変わり、目には鋭さが見えた

 

周りには誰もいない、そう思って太陽はつぶやいたのかもしれない

 

だがそれを聞いていた者達がいた、それは太陽に「三人にして」と声をかけられた後、その場を離れずに隠れて残っていた物達だった

 

男子生徒1「道明寺楓を・・・使う?どういう意味だ・・・?」

 

男子生徒2「あれじゃね?道明寺財閥を独り占めにしたいとか」

 

男子生徒1「だが清宮も金は腐るほどあるだろ」

 

男子生徒2「経営がかたむいてるって噂だぞ」

 

男子生徒1「まじか・・・でもまてよ・・・・確かに道明寺楓を落とすことに成功したら・・・・道明寺財閥は道明寺楓の夫のものだよな?」

 

男子生徒2「・・・!!!」

 

太陽の見えていない場所で、太陽のつぶやきが勘違いを生んだ

 

このことは男子生徒の中だけで密かに広まり続けてしまう

 

太陽がこの時に早めに気づいていれば、楓はあんな目に合わなかったのかもしれない

 

そして太陽が言った、〔道明寺楓を使わない手はない〕とは、どういう事なのだろうか

 

楓の身には不穏な気配が近づいていた

 

☆☆☆☆

 

続く

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