碧に腕をがっつりと掴まえられた太陽はなんとかこの場を逃れられないか考えていた

 

その時、玄関から一人の女性が入ってきた

 

太陽「あ!ハナさん!!」

 

太陽は碧の腕をすっと外し、楓の家の使用人頭のハナへと駆け寄った

 

碧「…どちら様?」

 

碧が怪訝な顔でハナを睨みつける、だがハナはそれに動じずに太陽より先に、碧の方へと深々と挨拶をした

 

ハナ「大瑞様、道明寺家の使いの者です。楓様がなかなか戻ってらっしゃらないのでお迎えにあがりました…あの、楓様はどちらに?」

 

太陽「は?おい、お前さっき楓は帰ったっていったよな?」

 

ハナの言葉に、太陽が碧へ鋭い目つきでこう問いただす

 

ハナ「…楓様はまだご帰宅されておりません」

 

ハナは再度強めの口調で碧にそう伝えた

 

碧「…………じゃ、じゃあもしかしたらまだこの会場にいらっしゃるのかしら」

 

その強めの口調と太陽の怖さにちょっと押され気味になってしまった碧は慌ててこう答えた

 

先ほどと言ってることが違うし、目を見て話すことができない碧を不審がる太陽

 

玄関に不穏な空気が流れる

 

するとその時、何かが壊れ割れるような音が玄関の方まで響いてきた

 

ガシャーーーン

 

太陽「なんだ?」

 

碧「あ、きっと片付けの最中でお皿でも壊れたんですわ…」

 

碧が慌ててそう言って、音の方へ向かおうとした太陽を引きとめた

 

ハナ「…………」

 

そんな碧の様子に、ハナは嫌な予感がした

 

ハナ「もしかしたら……大瑞様、失礼いたします」

 

碧「あっ!!ちょっと!何勝手に使用人ごときが入ってるのよ!!」

 

そのセリフを聞いた太陽が碧にこう叫んだ

 

太陽「ああ?使用人ごときとか言うんじゃねえ!ハナは俺の家、清宮家にとっても大事な人なんだ、失礼なこと言うんじゃねえぞ」

 

碧「…っ」

 

太陽のこの言葉に、身動きがとれなくなる碧

 

碧「…だめだわ、このままじゃ…」

 

碧は家の中に突き進むハナと太陽の背中をみつめながら、手につけていた手袋ごと、指を噛み険しい表情を浮かべた

 

碧「……太陽様、きっと音はあちらからしましたわ」

 

そして何かを思いついた碧は、すぐに笑顔で太陽にそう話しかけた

 

太陽「あ?どう考えても上からだろ」

 

碧が指を指したのは一階にある先ほどのパーティー会場のほう

 

でも太陽は音の場所が二階だったと言う

 

碧「上は…今回パーティーで誰も使用しておりませんし、ゲストは入れないようにしてましたから…」

 

その言葉を、太陽は疑心暗鬼にはなったが、一応信じることにした

 

太陽「じゃあ、一階から調べるか…でも一階が何もなかったら二階調べさせろよ?」

 

碧「それでしたら…私はこちらの使用人と二階を調べてまいりますわ!」

 

太陽はちらっとハナのほうを見る

 

太陽「ハナさんがいれば大丈夫か。楓も探しつつ、さっきの音がなんだったかわかったらすぐに教えて」

 

太陽はハナにそう言い残し一階のパーティー会場へと向かった

 

ハナ「…」

 

碧「どうぞ、こちらへ」

 

碧はハナと一緒に二階へ続く長い階段をのぼり始めた

 

碧「そもそもこんなに広い家なのに、どこから音が聞こえたかなんてわかるわけありませんよね?」

 

碧が意地悪な笑みでそうハナに話しかけてきた

 

ハナ「ですが、楓様も帰っておりませんし。少しでも怪しいことがあれば、それを調べるのが使用人の務めですから」

 

碧「……ずいぶん過保護なのね。音くらい、ただ食器でも割れただけでしょうに」

 

ハナ「…」

 

碧が言う通り、ただ食器が割れた音だったのかもしれない、だがハナの心臓と長年のカンがそうではないと告げていた

 

悪い予感がする、ハナはずっとそう考えていた

 

碧とハナが二階へとたどり着く

 

碧「ハナさんは、そちらを調べて?私はこちらのプライベートルームをみてくるわ」

 

ハナ「え…わ、わかりました」

 

碧にそう促され、ハナは楓がいる奥の部屋のほうとは違う方へと向かってしまった

 

碧「…今のうちに、不知火様に知らせないと…」

 

碧はハナが違う方へと向かうのを確認したあと、すぐに不知火と楓がいる部屋へと向かった

 

ガシャーーン

 

碧「…やっぱり…これなんの音なのよ…」

 

扉の前から、部屋のなかの物音がはっきりと聞こえてくる、碧は扉を開け、部屋へと入っていった

 

碧「なっ…!」

 

その時碧がみた光景は、頬を殴られ壁にもたれかかれて倒れている不知火と

 

頭をおさえ謝罪の言葉を叫んでいる男二人と

 

楓を片手に抱きしめたまま、ベットの上で土足で立っているセイの姿だった

 

碧「…これは…」

 

セイ「あんたも共犯者か」

 

碧「ひっ…!」

 

セイのドスの聞いた低い声、刺さるような視線に碧の身体が一瞬で凍る

 

セイ「……何しようとしたか、わかってんのか?!」

 

楓「……」

 

セイの腕の中で、どうやら気を失っているような楓

 

碧「……不知火様、もしかして。。。失敗したんですの?」

 

震えながらも碧がそんなことを不知火に聞いてしまった

 

その言葉でセイは更に怒りがこみ上げたようだった

 

セイ「……お前ら…」

 

セイがぼそっとそうつぶやいたとき、ハナが部屋へと駆け込んできた

 

ハナ「き、如月様?!」

 

セイの大きな声が聞こえ、ハナはこちらの部屋へと走ってきたのだ

 

ハナはセイのほうを見たとき、楓の存在にすぐ気が付いた

 

ハナ「…!!楓様!!!!!」

 

悲鳴に近い涙声でハナが楓へと近寄った

 

セイはハナに楓をたくし、ゆっくりと不知火と碧のほうを睨んだ

 

不知火「うわっ…」

 

不知火はそのセイの視線に恐怖を感じ、後ずさりして逃げようとした

 

碧「ちょっと!私を守りなさいよ!!」

 

逃げようとする不知火を追いかける碧

 

だが、不知火を通せんぼしていたものがいた

 

太陽「…行かせるわけ、ないよねえ?」

 

不知火「ひいいいいい」

 

太陽が、逃げ出そうとする二人を待ち構えていた

 

碧「いやあぁぁぁ!!!だれかぁぁぁ!!」

 

碧の悲痛な叫び声に、大瑞家の使用人達がバタバタと向かってくる

 

セイ「…っマズイ」

 

太陽「お前うるせえなあ?」

 

太陽が、女である碧に躊躇せず、蹴りをいれた

 

セイ「…太陽!先にここから出るぞ」

 

太陽「。。。。」

 

セイ「聞こえてない…か」

 

先に冷静さを取り戻したのはセイだった、だがもう太陽はキレてしまっていた

 

セイ「もう誰にも手が付けられない…」

 

太陽が笑いながら不知火と碧に近づいている

 

碧「いや、いやぁぁぁ!!」

 

不知火「うわ!!やめろ!!やめてくれ!!!」

 

大瑞家使用人たち「碧様!!!」

 

碧は使用人の方に助けを求めるように手を伸ばした

 

だが太陽がそれを許さない

 

太陽は使用人の方を見てこう言った

 

太陽「…あんたら、状況みてみろよ。騒ぎがばれたらどっちが不利だ?犯罪行為したお前らの大切なお嬢様だろうが。黙ってみてろ」

 

使用人たち「…!!」

 

確かに、ドレスがボロボロの道明寺楓、裸同然の姿の不知火と男二人。誰に何を聞かなくても、何が行われていたか一目瞭然だった

 

ハナ「楓様…楓様…」

 

ハナが泣きながら楓の肌を自身の服を脱ぎ捨て隠そうとした

 

セイ「……」

 

セイがそれを見て着ていたタキシードのジャケットやYシャツを脱いでハナに渡した

 

ハナ「!!ありがとうございます!!」

 

確かにハナの服よりセイの服の方が大きくて楓の身体はより隠れる

 

ハナはそのことに感謝して、セイの服を楓に着せるのだった

 

☆☆☆☆

 

続く

 

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