道明寺家当主が亡くなったことは、しばらくメディアでは報道もされなかった

 

その後、時期をみて、報道がされるようになる

 

だが準備をしていたため道明寺家の混乱も最小限におさえることができた

 

そして道明寺光陽ではなく、道明寺楓が、道明寺家グループの会長となる

 

光陽は社長となり、二人はよりいっそう忙しくなっていった

 

だが、二人はアメリカの本社で仕事の都合上しばらく滞在しなければならなくなる

 

だがその仕事も、光陽一人でこなせる程度のものであり、光陽と楓は後継ぎを作るのであれば今だと判断を下した

 

そして、二人はアメリカの家の楓の部屋で久々に顔を合わせたのだった

 

光陽「……本当に良いのかい?」

 

楓の部屋で、光陽が申し訳なさそうな顔をして楓にこう聞いていた

 

外はもう冬の空で、冷たい風が窓をびゅーびゅーと揺らしている

 

楓「ええ、これは契約ですから」

 

光陽「……そう」

 

楓の言葉に少しさみしそうな顔をした光陽だったが、楓はそれに気づかなかった

 

楓は、気丈にふるまってはいるが、やはり緊張はしていたのだった

 

光陽「じゃあ……辛かったらいつでも言って、すぐに止めるから」

 

楓「…わかったわ」

 

そうして光陽が優しく楓の髪や首へとキスをする

 

楓の表情はなにかを達観しているような、そんな表情だった

 

決して愛のある行為ではない、でも楓はもうそんな事もどうでもよくなっていたのだった

 

楓の心の声(これも仕事、願わくば…男児が授かりますように…)

 

そう楓が願いながら光陽に抱かれた日

 

楓の心に新たな傷が増えた日だった

 

 

まるで儀式のような時間が終わる

 

光陽「………身体辛くない?」

 

楓「ええ、大丈夫」

 

光陽が優しくそう尋ねる、楓は【いつもの表情】を崩すことはなかった

 

光陽が着替え始め、日が昇る前に自身の部屋へと戻ろうとする

 

楓「おやすみなさい」

 

光陽「おやすみ…」

 

このことに、光陽だけがさみしそうな顔をしていた

 

部屋をでよう、そう思った光陽だったが、何か言い忘れたのか

 

光陽は部屋を出る際に、楓の方を振り向きこう言った

 

光陽「私の名前は光陽だ」

 

楓「??え、ええ、知ってますが」

 

突拍子もない光陽の言葉に楓は目を丸くする

 

光陽「君の名前は楓だ。楓は紅葉(もみじ)とも呼ぶし、紅葉(こうよう)とも呼ぶ」

 

楓「え、ええ…そうね?」

 

そんなことを話し始める光陽の真意がわからずまだ不思議そうにしてる楓

 

光陽「だから、君と私は運命の人じゃなくても、同じ気持ち、同じ色を持って生きていけると思ってる…それじゃあ、身体、大事に」

 

楓「……ありがとう、おやすみなさい」

 

光陽はそう言って満足そうに帰っていった

 

光陽はどうにかして楓の心を自分に向けたかったのかもしれない

 

こじつけとも言える光陽の言葉だったが、楓はそれがなんとなく嬉しく感じたのだった

 

楓「……そういえば楓の木にも小さな花が咲くのよね…でも私の人生はまるで楓の葉そのものね、色鮮やかに見えるけれど、咲き誇る花のように決して誰かの目にとまるわけでもない、舞い散って終わる人生なのだわ」

 

楓はそういって笑い、ベットサイドに置いてあった水をコップに入れて飲み干した

 

楓「……できるなら子供は男で、私のような女の跡取りは、私だけで十分よ」

 

そう強く願う楓だった

 

そしてこの夜から数か月、数十回の行為を経て、楓が妊娠をする

 

妊娠中は【道明寺家TOPもやはりただの女か】【社員の幸せより女の幸せ】などと週刊誌が騒ぎ立てたが

 

光陽と、ある財閥の力により、その記事はストップされた

 

そしてその後に報道されたのは【魅力の女会長、女の幸せも両方ゲット】【できる女はすべてを手に入れる】など、少々お下品な表現を使用した褒めたたえる記事ばかりになっていった

 

やはりこれも、裏で手をまわした結果だ

 

そして割と酷いつわりの時期を乗り越え、楓は出産の日を迎える

 

楓「っ……!!!」

 

助産師「目を閉じないで、次のイキミで生まれるわよ!」

 

そう、痛く辛い陣痛の中、楓は叫ぶことなどせず、無言をつらぬいた

 

自然分娩で生まれた楓と光陽の赤ちゃんは、楓の願いとは逆で、女の子の赤ちゃんが誕生してしまうのだった

 

楓「女…の子…」

 

助産師「まあまあ、生まれたばかりなのに目鼻立ちがくっきりとした…美人になるわよ~」

 

楓「……」

 

無事生まれたことに、光陽も喜び、世間も喜んだ

 

だが、女の赤ちゃんだったことに、楓は一人、複雑な感情を抱えていたのだった

 

 


 

今日も読んでくださってありがとうございます( *´艸`)

 

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