タマはつい最近の出来事を、眼を細めながら思い出していく

 

タマ「司ぼっちゃんが英徳の幼稚舎に入るころに、私の母親が亡くなった。母は最期まで椿様と司ぼっちゃんのことを心配してたねえ…ねえ、今の司ぼっちゃんのこの姿…見せてあげたかったよ…」

 

タマは昇る夕日に自身の母の姿、ハナを思い出す

 

タマ「楓様は、椿様と同様に、司ぼっちゃんを英徳にいれて、やっぱり一年に1~2度ほどしか会えなくて…今思うと、楓様もさみしかったのかもしれないね」

 

そう、司や椿が幼いころ、やはり楓は道明寺家のTOPとして世界各国を行き来していた

 

幼児と関わることなどまったくない世界

 

楓が接しているのはいつも、敵か味方かわからない大人たちだけだった

 

だからこそ、楓は自然と言葉も冷たくなり、隙をみせることがない女へと変わっていった

 

だがその姿は、幼い椿や司からすると、母親とは到底思えない姿だった

 

たまに母と呼ばれる楓にあったとしても、かけてもらえる言葉は子供たちにとっては冷たい言葉ばかり

 

だが正直、楓が母親になるには、子供とたくさん関わらないとなれるものではない

 

世の中の親と呼ばれる人たちは、みんな子供や娘、息子時代を経て親へとなる

 

だがその基本的な事を、子供にはまだわからない

 

生まれた子供からすると、親はもう親だからだ

 

楓は普通の女性とは違う、子供とはまったく一緒に過ごせない、だからこそ子供との接し方も、親としての在り方も学ぶことも経験することもできなかった

 

楓は、経営者としては素晴らしいが、世間一般の母親像とはかけ離れている存在だ

 

でもそれを椿や司が理解するには、とても幼過ぎたのだった

 

それを理解できない司と椿は、母親との間に、無くすことができない壁を作っていくしかなかった

 

それでも、司を幼稚舎に入れ、幼馴染を作らせたのは楓だった

 

エスカレーター式で、友達と離れることがないように、そう考えたのか、英徳学園に多額の寄付もしている

 

椿にはたくさんの習い事をさせ、両親がそばにいない代わりに、司と椿にはお金を自由に使わせていた

 

そのお金は、自身が寝る間も惜しんでがむしゃらに働いてるお金だ

 

だが、道明寺財閥は、そのお金の入る額が違い過ぎる

 

子供たちは、子供には有り余るお金を手にしてしまった結果、家族がいない孤独さを埋めるかのように、誤った使い方ばかりしてしまう

 

そうして、司にいたっては、中学、高校にあがるころには、もうすっかり暴君としての名を世間へ轟かせるようになってしまっていた

 

だが、その暴君な司の存在を、咎めるわけでもなく、お金にものを言わせて暴力事件を解決してしまったのは、ある意味母親としての愛だった

 

だが、楓はここで間違えてしまったのだ

 

お金で解決されればされるほど、司の孤独感は増した。両親に放置されているいらない存在でただの道明寺家の人形だと、思い込むようになっていってしまう

 

タマ「…楓様はね、司ぼっちゃんを放置してたわけじゃあないんだよ……TOPのたった一言で、数百万の部下の人生に関わってしまう、暴力事件をおこしてる息子の存在が世間に知られたら、犠牲者は数百万人でおさまらなくなるだろう…だから事件をもみ消した、司ぼっちゃんはそう思ってるのかもしれないけど…」

 

タマは大きなため息をついた

 

タマ「司ぼっちゃん、楓様はね、道明寺家に害をなす人間だと気づいたら、一瞬で首をはねるぐらいの女性になったんだよ、この先何度も道明寺家を危険にさらすであろう暴力沙汰をおこす人間を、どうして跡取りとして破門しなかったか、家から追い出さなかったか、事件をもみ消すだけで、ぼっちゃんを処分しなかったのかわかるかい?」

 

タマは先ほど道明寺とつくしが歩いて行った場所の道の方を眺めてこうつぶやいた

 

タマ「……楓様はね、なんだかんだでちゃんと子供たちを愛していたからなんだよ、好き放題にさせていたのは、きっとどこかでほったらかしで育ててしまった罪悪感もあったんだろう……楓様は楓様のやりかたで、司ぼっちゃんの反抗を全力で受け止めていたと、私は思うんだよ…」

 

タマは目を細め、少し悲しそうな表情を浮かべていた

 

タマ「……私もね、つくしの存在に感謝してるんだ。ぼっちゃんの心のすき間をうめてくださったからね…でもね、つくしの存在を知った時の楓様は、本当に心ここにあらずの状態になっちまったんだよ、あの時のあの姿を見て、ああ、楓様もやっぱりちゃんと母親なんだなって思ったものさ」

 

タマはゆっくりと先ほど座っていた椅子へと腰掛けた

 

タマ「ああ、肌寒くなってきたね」

 

タマは赤くなってる空を眺める

 

類「……これ、良かったら使ってください」

 

なんと、類が戻ってきてタマにひざ掛けを渡した

 

タマ「これはこれは花沢のぼっちゃん、ありがたいねえ、ありがとうよ」

 

類「いえ」

 

類はにこっと優しく笑い、その場をあとにする

 

タマは類の後姿を見送りながら、また楓との過去の思い出を思い出すのだった

 

 


 

 

今日も読んでくださってありがとうございました( *´艸`)

 

メッセージもたくさんありがとうございます(*’ω’*)

 

喉風邪、流行ってるようで、長引く可能性があると私も医者から聞きました( ゚Д゚)

 

そうなったら大変なので今は喉を加湿してます(マスク完備

 

みなさまも、風邪に気を付けて過ごしてくださいね

 

今年も残りもう少しですが、良い年末をお過ごしください( *´艸`)

 

年内でもまだ更新予定ではありますが、喉の調子に合わせながらUPしていきますので

 

よろしくお願いいたします(*´ω`)

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