つくしの存在を知った時の楓は、眉間に谷底ができたんじゃないかと思われるくらいの深い皺を作ったものだ

 

タマはその時の楓の皺を思い出し、微笑んだ

 

タマ「本当に、つくし、楓様はあんたのこと、最初は大嫌いだったんだよ」

 

 

ここは、少しだけ過去に戻った場所

 

西田が楓につくしの存在を報告した日だ

 

西田「会長、最近司ぼっちゃんに本気のお相手が現れたようです」

 

楓「冗談を言うんじゃありません」

 

このころには楓はもうすっかり優しい言葉遣いはなくなっていた

 

それもそのはず、楓の子供の司はもう高校三年生、楓も良い歳になっている

 

昔のような柔らかい口調や優しさは、このころの楓には一切なくなっていた

 

それもそのはず、毎日何を考えてるかわからない大人たちと話ているのだから当たり前だ

 

楓の言葉には棘があり、その棘は周りに深く突き刺さる

 

だがそれは道明寺家や楓を守るひとつの手段でもあったのだ

 

秘書の西田が教えてきた司の本命の相手と言われる牧野つくしの存在

 

この存在を楓が知らされたのは、赤札を貼られた牧野つくしと、道明寺司が、あるきっかけで一夜を共にしたときだった

 

もともと、道明寺司が赤札を貼る相手は、自動的に楓にも報告があがっていた

 

それでどうにかするわけでもなかったが、金銭的に絡む事件も多かったがため、司の行動はすべて監視されていたのだ

 

西田の報告で、楓は改めて牧野つくしの報告書を読む

 

楓「牧野つくし……」

 

その書類にはざっくりと説明するとこう書かれていた

 

牧野つくし

非常に貧乏な家庭で育っている。英徳学園に通いつつも、勉強にバイトと休む暇がない。気の強い性格だが、親には逆らわず親のために無理をすることもある。赤札を貼られて司のいじめの対象になるが、自身の心の強さからいじめに負けずに現在も英徳に通っている。アルバイトを掛け持ちしてるので実質牧野家の大黒柱

 

牧野春男(つくしの父親)

要領が悪く人が好過ぎる傾向が災いし、会社での立場がない、人に騙されやすく、お金をだまし取られた経験も持つ。また金銭的に困っている家庭事情なわりに、自身の見栄の為につくしを分不相応な英徳学園に通わせている

 

牧野千恵子(つくしの母親)

非常にケチな性格で、夫を尻に引いている。あまりパートも長続きしないが、英徳学園のつくしだけが誇れる存在のようで、家が金銭的に苦しくても学園を辞めさせない。

 

牧野進(つくしの弟)

お調子者で気が弱く、姉のつくしに守られている存在。姉が英徳学園ということを誇りに思い、その姉の為に自身は学費が低い高校を目指している

 

楓は牧野つくしの家族の項目に一番頭を抱えた

 

楓「これは…司に近づいた目的はお金ね」

 

西田「お察しの通りだと思います」

 

そう、書類を目に通せば、牧野家がお金に困っているのは一目瞭然だった

 

それをより確定する証拠として、つくしの親はつくしを玉の輿にするために英徳に入れたと近所に言っているといった報告もあがっていた

 

楓「…あの司が一晩共にしたという事はそういった事実があったという事?」

 

西田「はっ…おそらく…」

 

実際はエレベーターが壊れ一晩つくしと司が閉じ込められただけだったが、週刊誌はその閉じ込められた日の朝にホテル街でつくしにキスする司の写真を撮影し記事にしていた

 

だから西田も楓も閉じ込められていたことは知らないのだった

 

楓「……西田、お金の用意を。牧野家に向かいます」

 

西田「…会長自ら向かうのですか?!」

 

楓が自ら牧野家に向かうことに驚く西田

 

それもそうだ、自身の休憩すらあまりとれない会長が、牧野家に向かう時間を作るのだから

 

楓「子供がしたことに親が出るのは当然です。ましてやそういう事実があったのならば顔を見て話すのは当然でしょう」

 

西田「…すぐに車の手配をいたします」

 

そう、楓は大金を渡し、牧野家に手切れ金として渡そう、そう考えたのだった

 

これは実は楓なりの優しさでもあった

 

司はこれまで暴力事件はたくさんあったものの、女関係では問題は一切なかった

 

はじめての問題行動が牧野つくし

 

しかもその相手はお金に困っているが司の酷いいじめを受けていたのも事実

 

つくしへのそういった司の行動が、司の暴力だったのも否定できない

 

お金に困って近寄ってきたのなら、そういう暴力だった場合、お金で解決できるだろ

 

もし暴力じゃなく、好き同士でした行為だとしても、つくしはお金目的で司に近づいてきたのだろう

 

なぜなら、楓の周りに近づいてくる人たちはみんな、お金目当てが多かったからだ

 

だから楓は自身の経験からつくしもそうであろうと思い込んでしまうのだった

 

そして楓は牧野家へと向かう

 

三億円を用意し、牧野家の家族の目の前でそれを見せる

 

そして司と別れてくれと頼むのだった

 

楓「これで、つくしさんに司のことをあきらめていただきたいの」

 

西田「失礼ながら金銭的にだいぶお困りのようで」

 

楓「司は将来ある身です。今はちっちゃな石につまづくわけにはいきませんのよ」

 

司の暴力は否定できない、だが家族ぐるみで道明寺を騙しお金を狙っている可能性も否定できない

 

あらゆる事態を想定し、楓は非常に冷たく牧野家に接するのだった

 

だがその接し方に怒りを表したのは牧野つくしの母親だった

 

つくしの母親「お金もってとっととお帰り下さい、親が子供を侮辱されてどんな気持ちになるか、お金持ちにはわかりませんか」

 

牧野つくしの母親はそうやって怒鳴り、楓の頭から塩をぶっかけたのだった

 

これに周りは驚き、牧野つくしも驚くが、楓はそれでも冷静だった、自身の肩についた塩をひとなめし、こう返す

 

楓「しょっぱい…それで本当によろしいのね?」

 

楓のこの問いに、牧野つくしの母親は大きくうなづいた

 

楓と西田はお金を持ってすぐに牧野家を出た

 

西田「会長!大丈夫ですか?」

 

楓「問題ないわ」

 

楓はそう言って車へと乗り込む

 

楓は、太陽が死んだときの通夜で、太陽の母親に塩をかけられた日の事も思い出していた

 

楓は車の中でふふっと笑う

 

楓「どうやら、お金目当てではないようね…じゃあ、試してみようかしら」

 

西田「…?」

 

楓の不敵な笑みは、今後つくしにたくさんの不幸が訪れることを意味している

 

だが、その試しは、莫大な財産を抱えている道明寺家だからこそ、しなければいけないことでもあったのだった

 

楓は、お金目当てじゃないことを、少し喜んでいた

 

でもそれは、楓だけが知っている、今後誰かが知ることもない、つくしに対しての感情でもあった

 


 

 

今日も読んでくださってありがとうございました( *´艸`)

 

拍手やメッセージもありがとうございます(*’ω’*)

 

年末ですね、みなさんは休みに入りましたでしょうか?

 

ゆっくり羽をのばしましょう~休みじゃない方は、風邪に気を付けて頑張ってくださいね( ;∀;)

 

私はしっかり喉を治すの頑張ります(;´・ω・)このまま咳で腹筋われたらいいなとちょっと願ってます( ゚Д゚)w

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