司をニューヨークに呼び寄せるのを決めた楓は心に余裕もできていた

 

なんだかんだでつくしの負けず嫌いな所を認めた楓は

 

牧野つくしが司の見送りに道明寺家のプライベート空港に入り込んで見送りに来た時

 

飛行機を止めて、司とつくしを会わせてあげたのだ

 

飛行機前での司とつくしのやり取りを窓から眺める楓

 

楓「……」

 

楓はその姿に、太陽やセイのことを思い出すのだった

 

そしてニューヨークへ

 

楓は、ここである事を司へと仕掛けた

 

それは以前、自分自身も受けてきた経験でもあること

 

たった一言である人間の人生が地獄に落ちるということを、司に身をもってわからせるため

 

司と仲の良い部下をつかい、演技をさせたのだ

 

ある時の司のメディアに向けての不用意な一言で、仲良しの部下が司の目の前で自殺をした

 

そう、それは楓に仕向けられた部下の演技だったが、司には効果が絶大だった

 

司は、楓の時と同じように、道明寺のTOPにたつ意味を考えはじめ

 

つくしへと距離をおきはじめた

 

楓はこれを仕向けたことを後悔はしなかった

 

楓「…あのままの司じゃ、本当に死人を出していたわ。先に身をもって経験させたほうがいいでしょう」

 

楓はそう思い、会長室で用意されたコーヒーを飲む

 

楓「……」

 

わざわざ自分で仕向けたことだったが、楓の胸の中のもやは晴れなかった

 

それは楓がもう忘れてしまっていた楓の中の良心がそうさせていた

 

だが、それに楓は気づくこともない

 

年を重ねるという事は、自身の気持ちに鈍感になってしまうことでもあるのかもしれない

 

楓「…次は婚約者ね」

 

楓は自分も通ってきた道だからと、なんの躊躇いもなく、司の婚約者を決める

 

その相手とは、石油王の大河原財閥の娘、大河原滋だった

 

楓「……これでいいのよ」

 

楓は大河原に連絡した後、そう一人つぶやいた

 

西田「会長、失礼します」

 

その時、秘書の西田が入ってくる

 

楓「どうしたのかしら?」

 

西田「大河原滋について調べたところ、やはり牧野つくしの性格に似ていらっしゃるようです」

 

楓「そう、ご苦労様」

 

西田「あの…」

 

楓「何か?」

 

西田の問いにするどい視線を向ける楓

 

西田「いえ、失礼いたしました」

 

楓「…」

 

西田は何も言わず出ていった

 

西田は扉の前で深いため息をつく

 

西田「せめてもの会長の情けなのか…わざわざ牧野つくしに似ている相手を婚約者に探すとは…でもおそらくぼっちゃんは…」

 

西田は楓の間違った優しさと気遣いに、頭を悩ませる

 

西田「会長は、いつしか色んな何かを見失ってしまったようだ」

 

昔からの楓の姿を知っている西田の感情は、とても複雑なものだった

 

大河原滋は、マナーや教養をしっかり叩き込まれてきたが

 

根は素直で純粋で負けず嫌い、嫌なものは嫌という白黒はっきりした性格

 

牧野つくしの性格ととてもよく似ていた

 

だからこそ、司もそちらと婚約すれば、そのまま滋の方を好きになるだろう

 

楓はそう考えたのだ

 

楓自身のように、司もつくしの存在を、恋が実ることがないが大事な相手だったと諦めることができる

 

楓は、そう考えてしまうのだ

 

そう考えてしまうのは

 

TOPという孤独な環境のせいでもあるが

 

昔から道明寺財閥のお嬢様としてちやほやされ

 

海外でいじめられたことはあるが

 

あまり人との交流をしてこれなかったせいでもあった

 

楓は、ほかの人の考えや環境を考えたり知ったりすることが、とても少なかった

 

なぜなら楓の周りにはイエスマンしかいなかったからだ

 

道明寺に逆らうものはいない

 

そのせいで、楓はほかの人の考えを思いやれることもなく過ごしてきた結果

 

自身の考えは全てという、少し曲がった考え方にもなってしまっていた

 

それは楓は悪かったのだろうか?

 

おそらくは、大きすぎる道明寺家のせいだろう

 

お金がありすぎることは、やはり何かを狂わせてしまうのかもしれない

 


 

 

今日も読んでくださってありがとうございます(*´ω`)

 

楓だけの登場ばかりでつまらないかと思いますが

 

もう少しだけお付き合いください

 

よろしくお願いいたします( ;∀;)

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