道明寺司の結婚発表は大々的に行われた

 

一般庶民と道明寺財閥との結婚は世間へと心配や不安を与えるかと思われたが

 

牧野つくしと道明寺司の結婚は【現代のシンデレラ】と報道され

 

割と世間は受け入れたのだった

 

そうして、改めて牧野つくしと道明寺司の家同士の顔合わせがある老舗の和風造りのお店で行われた

 

この老舗の和風造りのお店は、元清宮家が所有していた店でもあった

 

つくしは綺麗な着物で着飾り、司も楓も正装でこの日を迎えた

 

だが実は、この顔合わせが行われる前に、道明寺楓のもとにある人物たちが訪問していた

 

その人物とは、牧野つくしの家族達だったのだ

 

 

遡る事一週間前

 

道明寺家会長室

 

扉のノック音

 

西田「会長、お客様がお見えです」

 

楓「この時間は誰も呼んでないはずよ?」

 

西田「いえ…それが…」

 

西田が歯切れの悪い返答をする

 

楓「…?」

 

楓の眉間にしわが寄る

 

そして意を決したように西田が言葉を続けた

 

西田「その…実は…牧野つくし以外の牧野家の人、牧野つくしの父親と母親と弟が会長にお会いしたいと…」

 

西田のこの言葉に楓はいろいろと察する

 

楓「そう…通しなさい」

 

楓は手に持っていた書類をしまい、西田にそう指示を出した

 

西田「わかりました」

 

西田が会長室を後にする

 

その後、楓は大きなため息をついた

 

楓「……尻尾でも掴める時がきたのかしら」

 

楓はそうため息交じりで少し笑う

 

そう、牧野つくしがお金の無心をしなくたって、その家族はわからない

 

婚約したとなったとたんに、親族なんだから!とお金の無心をしてくる可能性だってある

 

楓はそのことも懸念していたので、牧野つくし以外の家族が訪問したという言葉を聞いただけで

 

ああ、お金の無心か…と疑ってしまうのだった

 

しばらくして、西田が牧野家を会長室に連れてきた

 

みな、正装をしており、緊張した面持ちで楓の目の前に立っている

 

楓「それで?何か御用でしょうか?」

 

楓の笑みが余計に牧野家の緊張を誘う

 

誰も何もしゃべらず、困ったように牧野家の父親と母親はお互いに何度も目を合わせていた

 

やっぱりお金か…そう思い、西田に楓が牧野家の飲み物を運んでくるよう指示をしたあと、牧野家の父が意を決したように叫ぶように言葉を発した

 

つくしの父「あ、あの!!!!」

 

楓「……」

 

楓の視線がゆっくりとつくしの父の方を見る

 

つくしの父は額に汗をだらだらと流しながらこう続けた

 

つくしの父「…こ、この結婚はあまりにも身分が違い過ぎるため、我々はとても心配しており、今後の生活でつくし…いや、娘がやっていけるのか、泣いて泣いて不幸せになるのではないか、本当に二人は大丈夫なのだろうか…え~~~などと…家族で話し合い…いや、会議?しあい…」

 

つくしの父はとても緊張したどたどしく震えながら一生懸命話している

 

まとを得ないその話に楓の表情が固まったのを察知し、今度はつくしの母が意を決したように話し出した

 

つくしの母「あのですね…私たち家族はつくしの結婚が本当に嬉しいんです、でも嬉しいとともに、とても不安なんです。育った環境も生活スタイルも違い過ぎる二人です。今はお互いに好き同士だからいいのかもしれない、でも今後お金や生活で二人が衝突し、結婚生活がうまくいかなくなるかもしれない…」

 

つくしの母は緊張しながらなために、早口で一気にそう話す

 

つくしの母「そこでもしも離婚ってことになった時…「一般庶民」の私たちのような離婚なら、やり直せるとは思うんです。でもこの結婚は違う…道明寺家に離婚されたとなると、つくしの将来は…地獄です………二人は本当に大丈夫なのか、好きだけじゃ解決できない色んなことがあるのが結婚です…だから…二人の絆を確かめたくて……生活がガラッと変わっても、突然お金を持ったとしても、それか一気に貧困になったとしても、二人はやっていけるのか…別れるのではないか、お互いに助け合えるか…本当に本当に不安で心配でたまらないんです…」

 

つくしの母の表情は今にも泣きだしそうな青い顔になっている

 

つくしの母がそう話した後、父母の後ろに立っていたつくしの弟が言葉を発した

 

つくしの弟「…道明寺さんは離婚したとしても再婚できると思うんです…でも姉ちゃんは無理だから、再婚どころか人生終わっちゃうから…だから僕…僕たち家族は大丈夫だっていう保証がほしいんです!!!」

 

今にも泣きだしそうな顔で弟がそう叫んだ

 

家族三人は真剣な目で楓の方を見つめている

 

西田「…そのような確かめようがないことを会長におっしゃられても…」

 

西田が口を挟みかけたその時、楓が真面目な表情でこう話し出した

 

楓「わかりました、確信がもてるであろう考えがあるので、後ほどお知らせいたします」

 

楓がそう言うや否や、牧野家の表情は暗いものからパッと明るいものへと変わり

 

父も母も弟も「ありがとうございます!!ありがとうございます!!!!」と、何度も何度も頭を下げて会長室をあとにしたのだった

 

牧野家が去った後に、西田が会長へと困った表情で問いかけた

 

西田「会長…本当によろしいので?」

 

西田の問いに楓がふふっと笑ってこう答える

 

楓「お金の無心に来たかと思ったら……大丈夫よ西田、この人にアポをとってもらえる?」

 

楓が差し出した名刺を西田が受け取る

 

西田「……この御方は……」

 

西田の驚く表情をよそに、楓の表情は珍しく幸せそうな、優しい笑顔になっていたのだった

 


 

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