道明寺「イタリアだよ、懐かしいな。そういやだいぶ前にイタリアで類と会って来たな」
つくし「花沢類と?!なんでイタリア?!ってかイタリアって全然田舎じゃないんだけど…」
道明寺「男同士の話っつーか、まあそんなとこ。そういや類はあそこの葡萄畑のワインがうまくいきすぎて今忙しいんだよな」
つくし「花沢類…」
つくしは花沢類を思い出しながらお腹を優しく撫でる
その姿が面白くない司はつくしの手を払いのけお腹を触る
つくし「ちょっと!いきなりびっくりするでしょ!」
司「なんだよお前、そんなにまだ花沢類がいいのか?!」
つくし「はあ???何言ってんの?もう…バカなパパでちゅね〜」
司「おっまえ!!父親の俺様をバカとはなんだバカとは!バカと子供に言い聞かすな!!」
つくし「あ…それもそうだよね、ごめん」
司「お、おう」
あまりにも素直に謝るつくしに司は少し動揺してしまう
そんな二人の様子を優しく微笑みながら見守るタマ
つくし「もー話中断しちゃったじゃない!で?お義母さんは?そのあと癒される場所はみつかったの?」
司「あのばばあはいつでもどこでも自分勝手で自由なんだから悩みなんてないだろーよ!」
つくし「もう!!だまってて!!」
司「あいてててて!!おいこらつくし!!何をするんだ!」
つくしは司の鼻をつまんでいる
司は顔を手でおさえながら抵抗していた
タマ「ふふ、そこのイタリアでね、楓様は酷いイジメをうけたんだよ」
つくし・司「え?!」
つくしと司は同時に声をあげた
タマ「そりゃそうさ、ただでさえ日本人は若くみられる。こんな子供が跡取りとして紹介され、仕事に関わっていくんだ。日本ではみな道明寺家への恐怖で楓様の跡取りを黙って受け入れていたが、外国では違った。楓様は身体に傷が残るようなイジメではなく、精神的に傷つくようなイジメばかりを受けて来たのさ」
司「・・・・・・・」
それを聞いて司は黙ってしまった
タマ「酷かった、酷いものだったそうだ。私の母の日記を読んだ時、こんな目にあわされていたのかと涙が流れた。いじめにあっていたことは、のちに母から私も聞かされたが、イジメの内容までは詳しく知らなかったのさ。そして母も全身全霊をかけて楓様を守っていたが、母が守れば守るほど、会社の人間は楓様を認めようとはしなかった」
司「・・・」
つくし「・・・・・・・それで、お義母さまは?」
タマ「涙も流さなかったようだ、いや、母の前で涙をみせなかっただけかもしれないが、日に日に楓様から表情や感情が消えていったと書かれている」
つくし「・・・」
司「でもそんなもんで怯むばばあじゃねえだろ」
タマ「・・・」
タマは司のその言葉に黙って首を横に振った
タマ「ある日、楓様は1日だけ好きにさせてくれと私の母に書き置きを残して消えた。そりゃもう母は血眼になって探した。旦那様との約束もあるからね。本当にその時の母の日記には書き込みがすごかった。すべて楓様に関すること、細かなことすべて記されていた。そしてこの楓様の家出の後、私は母にイタリアに呼ばれたのさ」
つくし「え、タマ先輩も?イタリアに?」
タマ「そうさ、すぐにイタリアへと向かった。別荘について驚いたよ。楓様がにこやかに料理をしていたのさ」
司「あのばばあが料理!?!!!」
司はそれを聞いて思わず椅子からいきおいよく立ち上がってしまった
つくし「ちょっと・・・」
つくしはそんな司を嗜めるがつくしも驚きを隠せない表情だった
タマ「そう、料理。楓様の隣には私の母がオロオロとしてまとわりついていた。私はあの光景だけは今でも鮮明に思い出せるほど、記憶に焼き付いているのさ」
タマはそういって笑顔をみせた
☆☆☆
続く