司「そう京都だ!!どうだ!驚いたか?!」

 

司の満面の笑みとは反対につくしが青ざめた顔でへなへなと座り込んでしまった

 

つくし「ど、どうしよう」

 

類「牧野、どうしたの?」

 

つくしのただごとじゃない様子にすかさず類が駆け寄る

 

つくし「もう絶対バイト間に合わない…欲しいものがあったから無理してシフトいれてもらったのに…」

 

類「…」

 

つくしがぽろぽろと涙を流したため、類は優しくつくしの頭を撫でた

 

つくし「あ…ありがと…」

 

類の行動につくしは照れてしまい少しだけ逃げるように後ずさりをした

 

つくし「と、とりあえずバイト先に連絡しないと…」

 

美作「牧野のバイト先なら今日休みだよ」

 

西門「連絡来てなかったの?俺とあきらでもう完売したよ」

 

つくしがバイト先に連絡しようとすると、あきらと西門が笑ってそう話す

 

つくし「えええ?!!うそーー?!!」

 

つくしは携帯を取り出し、バイト先の着信が確かにきていたのですぐに確認し留守電を聞いた

 

つくし「女将さんの声がすごい嬉しそうだった…」

 

そう、留守電にはあきらたちのおかげで完売した事と、完売のおかげで海外旅行にいってしまったためにつくしへの連絡が遅れたことを謝る電話だった

 

つくし「……もしかしてみんなで年越しするためにこんなことしたの?」

 

つくしは状況を理解しはじめたので、おそるおそるみんなにそう聞いた

 

F4は四人とも満足そうな笑顔でうなづいている

 

つくし「……もーーーーわかった!!!年越し、みんなはなにするの?!そういえば…みんなも和服姿だ…」

 

そう、さっきまでは焦り過ぎていていまいちわかっていなかったつくしだが

 

なんとF4は4人とも着物姿だったのだ

 

つくし「さすが…」

 

改めて落ち着いてみてみると、背の高いイケメンの4人の着物姿はセクシーさがいつもより際立ち、ものすごいオーラだった

 

西門「お、見惚れてる見惚れてる」

 

司「まあ、牧野には到底拝むことのできない姿を拝めたんだ、こうなるのは当然だよな」

 

あきら「この4人に認められるってなかなかないぜ?」

 

にやにやとした笑みでぽかん顔のつくしをいじる3人

 

類「……高校に入ってから、俺たち年越しに京都で集まるようにしてるんだよね」

 

ぽかんとするつくしを見て優しく笑いながら、類がぼそっと年越しの説明をしはじめた

 

つくし「え?あ、そうなの?」

 

類「そう、俺たちは年越しはいつも自分の家のパーティーに出てたんだけど、そういった集まりを29日までに終わらせるようにして、毎年30と31は京都に集まってるんだ」

 

類の説明にあきらも加わった

 

あきら「せっかくだから、10代のうちにしか味わえない年越しをしておこうと思ってね」

 

西門「そうそう、俺たちは毎年、大晦日が楽しみなんだよ」

 

司「それを、庶民のお前にも味わわせてやろうと思ってな」

 

つくしは4人の説明に息をのむ

 

つくし「きっとものすごいお金をかけたとんでもないことなんだろうな…」

 

司「ん?何か言ったか?」

 

つくしの独り言は司達には聞こえないようだった

 

つくし「…それで一体何をするの?!」

 

つくしの問いに司がどや顔でこう答えた

 

司「ふっふっふ………なんと俺たちはこれからこの部屋でごろごろするんだ!!!!そして皆で昔からの伝統の年越しそばを食べる!!!すごい贅沢な大晦日だと思わないか?!」

 

司の言葉に心底驚くつくし

 

つくし「はあ?!!」

 

開いた口が塞がらないとはこの事だろう

 

なぜなら、司が言う贅沢な年越しは、庶民ならば当たり前の大晦日での過ごし方だったからだ

 

だが、どうやら上流階級の人間たちにはそうではないようで

 

大晦日にのんびりごろごろとそばを食べるのは非常に贅沢な事らしい…

 

あきら「今年は総二郎の家の古くから付き合いがある蕎麦屋の手打ちそばが届くんだよな」

 

西門「おう、23時半にここに届けてくれるってよ」

 

類「なにもしないでのんびりみんなで過ごす…すごい幸せだよね」

 

あきら「我が家からは夜のディナーを準備してるからあとで持ってこさせるよ」

 

司「そういやあきらの家、つい最近店も持ち始めたんだよな」

 

あきら「ほんの数十店くらいだけどね」

 

類「ベットに使用してもらってるのオーダーメイドの布団運んでもらった」

 

司「ここのホテルは俺んちのホテルだし、今日は貸し切りにしといたわ」

 

次々と飛び出す、大晦日でのF4の過ごし方につくしはやはり開いた口が塞がらない

 

つくし「やっぱり…庶民と同じだと思っちゃダメだった…」

 

そう、F4のごろごろは、やはりスケールのでかさが違い過ぎたのだった

 

そうして、極上の布団に包まれ、大晦日の夜がはじまる

 

つくし「………逆に落ち着かないんだけど…」

 

まるで羽のように軽い布団に包まれ、つくしは終始緊張しっぱなしだ

 

つくし「汚したら終わりだ…」

 

まったくくつろぐことができないつくしとは違い

 

満足そうに4人はごろごろとしている

 

つくし「さすがというかなんというか…」

 

つくしの様子に司が笑う

 

司「お前!さっきからぴしーーっと座ってて、まるで借りてきた犬だな!」

 

つくしは司の言葉に呆れたように笑う

 

つくし「それ、借りてきた猫っていうんだよ」

 

あきらと西門もうんうんとうなづいているが司だけは不思議そうに首をかしげた

 

司「犬のほうがお手とかおすわりとかするだろ?」

 

つくし「だめだ、根本的なことを理解してない…」

 

司「あ?なんだよおまえは」

 

あきら「まあまあ、せっかくの年越しだし…それに司、まだあるんだろ?」

 

喧嘩になりそうな雰囲気をあきらは止め、話を変えた

 

つくし「まだなにかあるの?!」

 

既にあきらの家が手配した豪華料理も並んでいる

 

これ以上何かあるのかとつくしは驚くしかなかった

 

あきら「類!!いいぞー!」

 

つくし「あれ?そういえば花沢類、さっきからいなかった…?」

 

あきらに呼ばれ、類がケーキを持って入ってきた

 

つくし「え?!ええ?!!」

 

類「牧野のケーキだよ」

 

類はそう言ってつくしの目の前にケーキを置いた

 

あきら「おめでとーー!!!」

 

西門「またいい女に一歩近づいたな」

 

司「まっ俺様が用意してやったんだけどよ」

 

つくし「え?!嘘…?!えええ?!!」

 

そう、12月28日は牧野つくしの誕生日でもあったのだ

 

類「ちょっと遅れたけど、忙しくて当日に祝えなくてごめん。牧野、おめでとう」

 

つくし「え?え?!うそ…あ、ありがとう~~~」

 

つくしはかなり嬉しくて目がうるうるとしている

 

つくし「あ!やばい、泣いたら布団に涙が落ちちゃう!」

 

つくしはそう思い涙をグッと堪えた

 

類「別にいいのに…はい、俺からのプレゼント」

 

つくし「え?!!ってこれ…自転車のカギ?!?」

 

類「そう、牧野自転車壊れたって言ってたから、自転車家に届けてあるよ。電動にしようかと思ったけど牧野嫌がりそうだから普通のやつにした」

 

つくしはあまりの嬉しさに腰をぬかす

 

つくし「自転車壊れて…買いなおそうと思って年末もバイト入れてたの…こんな高いのもらっちゃだめだけど…嬉しいよ…」

 

類「ははは、なんでもらえないのさ、むしろ貰ってよ」

 

類が笑ってそう答える

 

つくし「うう…買い物とかもすごい大変だったの…ありがとう花沢類…一生大事にする」

 

類はそれに笑ってこう返す

 

類「いやいや、壊れたらさすがに捨ててね?」

 

つくし「直して乗る!」

 

つくしだったらやりそうだなと類は面白おかしく困ったように笑った

 

西門「じゃあ次は俺から。はいこれ」

 

つくし「素敵な箱…え?万年筆に…バックに財布に定期入れに…こんなにたくさん?!」

 

西門「英徳に通ってこれから大学にも通おうって人間が、今のバックや文房具じゃあまりに不憫だからね」

 

つくし「どれもすごい素敵…あ、ありがとう西門さん!」

 

あきら「次は俺かな、はいどうぞ」

 

つくし「???すごい大きな箱…ってこれ服?コートにマフラー…手袋まで!」

 

あきら「コートはうちの母親のデザインのやつ、手袋やマフラーはほら、俺たちの赤札のせいで凄い汚されちゃってたからさ。そのお詫び」

 

つくしは服やバックやカギを握りしめ、抱きしめるようにしてお礼を言った

 

つくし「こんなにたくさん……貰ってもいいのかな…どれもふわふわで凄い素敵…」

 

西門「牧野の為に選んだんだから貰ってよ」

 

類「そうそう」

 

あきら「さっきも言ったけど、赤札貼ったお詫びでもあるんだから」

 

つくし「ううう…みんな本当にありがとう」

 

そんな4人の姿をニヤニヤと見つめる司

 

西門「次は司だな」

 

つくし「え?あんたもあるの?」

 

つくしの問いに自慢げな顔の司がつかつかと近づいてきた

 

司「あるぞ?!だがそれは…0時になったらやる!!」

 

類「そうなの?」

 

美作「それなら俺たちもそうすりゃよかったな」

 

西門「じらすなよ、司」

 

4人はそう話しながらじゃれついている

 

一体何をもらえるのか気になるが

 

だがつくしはもう感無量でいっぱいいっぱいになっていた

 

そうして5人はなごやかにディナーを食べ

 

年越しそばを食べる時間になった

 

年越しそばもさすがに美味しいようで

 

つくしは4人より多めにおかわりをしてしまった

 

司「お前そんな食ったら豚になるぞ」

 

司が笑ってつくしをいじる

 

つくし「だって!!何このそばつゆ!それにおそばが今まで食べたことないくらい美味しい!!」

 

つくしの嬉しそうな顔に、4人は嬉しそうにするのだった

 

類「そろそろ0時だね」

 

司「お、牧野、こっちこいよ」

 

つくし「え?なに?」

 

司「いいから」

 

あきら「なんだ?」

 

司はつくしをベランダのほうへと連れていく

 

それにつられて3人もベランダへとついて行った

 

10

 

司「ハッピーニューイヤー」

 

司の言葉とともに、大きな花火が京都の空へとあがる

 

あきら「うわ!すげえ」

 

西門「さすが…派手~」

 

類「あ、花の形の花火だ」

 

つくし「……」

 

そう、司がつくしに用意していた誕生日プレゼントは花火だった

 

カウントダウンとともに、新しい年がきた

 

それとともに打ち上げられた花火は、言葉で表すことができない

 

とても綺麗で素敵な花火だったのだ

 

西門「京都の空に花火」

 

あきら「風情があるねえ」

 

類「司にしては、良い誕生日プレゼントなんじゃない?」

 

司「ふっふっふ。さすが俺様だろ?!」

 

終始自慢げでどや顔の司

 

そんな4人をよそに、空をみつめたまま、つくしが動かなくなっていた

 

そのつくしに気づいた司は嬉しそうにつくしへと声をかける

 

司「さすがの牧野も、嬉しすぎて、声がでなくなっちゃったか」

 

そう満足そうに喋るがつくしは空を見上げたまま反応がない

 

司「もしかしてお前、俺に惚れちゃった?」

 

ニヤニヤと意地悪そうに司が笑い、つくしの肩をぽんと叩く

 

つくし「あのさ…」

 

司が期待してた反応とはちょっと違う

 

眉間にしわを寄せたつくしが司の方を向いた

 

司「…?」

 

つくし「さっきの花火、4つの花の形の花火のあと、すーーーっごい小さくつくしのような形の花火があがったんだけど…」

 

つくしの言葉に司の顔がぱーーーっと明るくなる

 

司「お!!!気づいたか?!!!そうあれ、つくしだよ!!!花もつくしも俺がデザインしたやつを作らせたんだぜ?!すげえだろ?!」

 

司の言葉に、西門の額に汗が流れる

 

西門「あれ…つくしだったのか…」

 

あきら「むしろよくつくしだって牧野わかったな…俺あれたんなる棒だと思ったよ…」

 

類「いや、結構特徴あったし、あれはつくしでしょう」

 

汗が流れ困ったようなあきらと西門とは違い類だけはおかしそうに笑っていた

 

つくし「いや、私もあのへんな棒の後に花火でつくしって文字が打ち上げられて気づいた…」

 

つくしの言葉に西門が納得したようにうなづく

 

西門「牧野の名前を打ち上げたのかと思ったけど、そういやその名前の隣にも変な棒があがってたもんな…」

 

あきら「大人しく職人にデザインさせとけばいいものを…」

 

類「まあ…司なりに心をこめたつもりなんじゃない?」

 

そう言いあわれているのが面白くない司

 

司「なんだよ!!!俺様がせっかく!!!デザインしたってのによ!!なんなんだよお前ら!!特に牧野!プレゼントだってのになんだよその態度?!」

 

つくしは呆れたような顔をしていたが、途中で思い直し、キッと顔を作り直した

 

つくし「素敵な花火のプレゼントありがとうございました!!!」

 

つくしの言葉に、満足げな司

 

司「わかればいいんだよ、わかれば」

 

西門「おい、花火最後の方みたいだぜ?」

 

そう、じゃれあっている間に、そろそろ花火が終わる頃だった

 

ドーーン…ドドーン…

 

大きな音が次々とあがる

 

つくし「ちょっとあれ?!」

 

そう、最後にあがった花火は

 

ハッピーニューイヤーの文字と

 

ハッピーバースデーまきのつくしの文字だった

 

つくし「フ…フルネーム……」

 

あまりに恥ずかしさにつくしは意識を失いそうになる

 

西門「京都の夜空にフルネーム…忘れられない伝説になるな…」

 

類「あっはっはっは」

 

あきら「…しかもまた変な棒が隣にあるよ…」

 

司「ふっふっふ…嬉しすぎて言葉もでないようだな」

 

つくしはくらくらした頭をおさえながら

 

京都の夜空にでっかな声で叫ぶのだった

 

つくし「もう!!!ありえないっつーーーの!!!!」

 

 

 

こうして、つくしとF4の新しい年が幕をあげたのだった

 

この先、この5人の運命は複雑に絡み合うことになる

 

そのことをいまだ知らない5人達は京都の夜空の下で、何も知らずに仲良く笑いあうのだった

 


 

 

 

大晦日読み切り、2回で終了にしました

 

本当は3日続けようかな?と思ったのですが、元日に大晦日の花火はどうだろ?と思いなおし

 

ちょっと長くなりましたが、書ききってみました

 

楽しんでもらえたなら嬉しいです

 

今年ももう残りわずかですね

 

みなさんも良いお年をお迎えください

 

そして、管理人の名前を聞かれるメッセージが多いのですが

 

管理人名は【だんご】です

 

花より男子なので、だんごでいいかという安直な考えでこのような名前になりました(*’▽’)

 

そして……

 

本日も、読んでくださってありがとうございました(*’ω’*)

 

来年も、読みに来ていただけたら嬉しいです(*´ω`)

 

改めて、よろしくお願いいたします( *´艸`)

 

 

ランキング参加中です!応援お願いします!

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

縁~enishi 一覧

シリーズ一覧