恐怖の花嫁修業、地獄の日々はすぐにスタートした
つくし「きょ、今日は西門先生ですか…」
すでにマナーや礼儀作法の先生はいたが、総二郎は着物の着方、着物を着たうえでの所作などを教えてくれるようだった
西門「……前に司の母ちゃんが牧野をパーティーに読んだ時、突然ピアノ演奏を牧野にやらせただろ?おそらく今回のパーティーもそう言う事があると思うんだよ」
つくし「……目に見えるようです…」
西門「だろ?牧野に恥をかかせるためだけのパフォーマンス…でもそれを牧野がやってのけたら…どうなる?」
つくし「!!!」
西門「わかっただろ?でも、どんなことをやらされるかわからない…ということはありとあらゆることができるようになっていればいいっていうわけだ」
つくし「ちょっと…無謀すぎない?」
西門「何言ってんだよ、これから道明寺財閥に嫁ぐんだからいずれ覚えなきゃならない道だろ?」
西門のその言葉につくしは妙に納得した
つくし「うん…そうだよね……なんか、道明寺のお嫁さんになって…なんとなく思い描いてたのは…子供ができて、道明寺が父親で…あたしが母親で…小さな家で笑いあって…」
つくしの想像した未来に総二郎は盛大にずっこけた
西門「お前、天下の道明寺財閥の御曹司、司と付き合ってその想像はないだろ」
つくし「あはは…そうだよね…」
西門「まず、道明寺財閥の嫁になって専業主婦になれる未来はないからな」
つくし「おっしゃる通りです…」
西門「まっ、司の嫁になるからには、こんなことくらいちょちょいのチョイになってやれよ」
総二郎はそう言ってにかっと歯を見せて何かを企むような顔で笑った
つくし「が、がんばります!!」
西門「いい意気込みだ!」
こんな風にはじまった花嫁修業の初日
つくしは総二郎にコテンパンにやられてしまったのだった
つくし「に、西門さん…足がつった…」
西門「お前、その歩き方はないだろ、ほらもう一回」
つくし「少しだけ…足が治るまで休ませて…」
西門「なにいってんだ、足がつったからって翼がやめさせると思うのか?そのまま動け」
つくし「うう…」
総二郎によって着物を着せられたつくしは、舞やら生け花やらありとあらゆる事を詰め込まれている
その中で一番の難関は姿勢を正した歩き方だった
いつもいかに背中を丸めていたのかとつくしは自分の普段の生活を呪うほど、きつい修行だ
そして、次の日も筋肉痛になりながら修行をしなければならない
西門の次に教えてくれるのは類だった
つくし「花沢類は…何を教えてくれるの?」
類「ん~~楽器と…とりあえず英語…かな」
つくし「ピアノなら少し習ったから…」
類「…今から会話は全部英語ね、あ、それとピアノだけじゃなく、バイオリンにフルート…一応ギターと…あとピアノはバッハかモーツァルトは確実に弾けるようにしておこうか」
つくし「へ?」
類「OKay, here we go.」
つくし「!!!」
花沢類は笑顔でスパルタだった
日本語で話すと、花沢類の言葉が止まり、無言になられてしまう
その無言の圧力は絶大で、つくしは間違えないように必死になっていった
もちろん楽器の教え方すら英語で話されるために、なかなか楽器も思うように上達しない
でも、日本語で教えてくれることは絶対になかった
類先生の次の日はもちろん美作あきらだ
あきら「じゃあ俺はどうしよっかな…まあ、念のために護身術と…中国語、それと~」
つくし「……」
あきらがつくしのことを見ながら悩んでいる
つくしはもう何も言えずに黙ってあきらの言葉を待っていた
あきら「まず、お洒落っていうかセンスが全くと言っていいほどない、ブランドも知らないでしょ、そこらへんの知識もつけていこうか」
つくし「…はい」
あきら「お、素直だね」
つくし「もう、頑張るしかないって言うか…」
つくしは全身筋肉痛だし、頭を使い過ぎて疲労もしている
けれど、ここでやめずに逃げ出さないのがつくしだった
あきら「…うん、やっぱ牧野はいいね、俺も本気でいくね」
つくし「よろしくお願いします」
つくしはあきらに丁寧に頭を下げる
あきらからは、最近の流行についてやセンス磨き、他にも女性の話題についていけるようにと世界情勢についてや各国で人気のものなど、色んな話をつくしとしていった
もちろん、武術も教えながらだ
この3人の先生にみっちり1ヶ月教えてもらう事になったつくし
つくしの身体が日に日にぼろぼろになっていくが、美容をおろそかにしてはいけないという指示もあるために、気が抜けない日々を送っていくはめになった
つくし「……やるしか…ない」
正直つくしは絶望していた、たかだか1ヶ月で自分はどこまでいけるのか、想像すらできないでいた
でも、TOJのコンテストの時も、なんとかやりきった
今回も、なんとかやれるとこまで頑張りたい
つくしはそう思い、ボロボロの身体に鞭打って頑張っていくのだった
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