ホテルに入るとすぐに支配人らしき人が自ら案内をしてくれた

 

そしてある一室の部屋へと通され、そこには輝が一人で待っていた

 

5人は部屋に入り、輝に言われ席に座る

 

輝「わざわざごめんね」

 

司「いや」

 

西門「…」

 

総二郎達はいまだに何か裏があるのではと探るような視線で輝の方を見たが、その視線に気づいた輝がふっと笑った

 

輝「もうそんな意地悪しないよ」

 

西門「なんで突然俺たちと話そうと思ったんだ?」

 

その言葉に返事はせず、輝はゆっくりと5人のいるソファへと腰掛けた

 

深いため息をついたあと、輝がつくしの方を見て話し始める

 

輝「…もう翼を止めなきゃいけないって思ったからだよ」

 

類「……」

 

西門「……」

 

そうは言われても輝は全面的に翼の味方で翼に何かしようものならF4やつくしに食って掛かってきてた輝の言葉はにわかに信じがたい

 

類や西門が顔を見合わせ不穏な表情を浮かべているが、何も気にせず輝はつづけた

 

輝「…司も、君も、あの子を見ただろ?もう隠しておけないって思った」

 

つくし「…」

 

西門「あの子って?」

 

司「……」

 

つくしと司は翼があの子に対して行った行動を思い出し、険しい表情になるが、他の三人はあの子が何かわからない

 

輝「…翼の子供の事だよ」

 

西門「…は?」

 

あきら「今何つった?」

 

類「……子供?」

 

輝の言葉に当然だが三人は絶句した

 

子供がいるなんて誰も知らなかったのだから当たり前だった

 

世間ですら騒がれていない、要するに、翼の”隠し子”だった

 

輝は、ある写真を持ってきていた

 

その写真を取り出し、5人の前に差し出す

 

その写真に写っている姿をみて、5人の表情は一気に青ざめた

 

つくし「嘘…」

 

あきら「おいおい、こんなことってあるのかよ」

 

司「……」

 

類「……牧野じゃん」

 

西門「なんでこんな写真が?」

 

輝「……話せば長くなるが、聞いてくれるか?」

 

つくし「うん、その為に来たんだもん、聞かせて下さい」

 

つくしの言葉に、輝はなぜか悲しそうに笑った

 

そして、輝は昔の話をはじめたのだった

 

 

あれは翼が海外にいるころだった

 

牧野つくしを茶髪にしただけのそっくりの女の事、翼は付き合っていた

 

その子の名前は【なずな】

 

つくしと同じように、春の七草で有名な薺を彷彿とさせるそんな名を持った女の子は

 

とても純粋で純朴で、笑うと可愛い女の子だった

 

西門と類も翼にそんな女性がいることを昔の記事を見て知っていた

 

そしてそのつくしそっくりの女性に騙されたからつくしのことを逆恨みしてるのではないか、そう思っていた

 

だが、輝からきくその子は、とても裏切るような子には思えなかった

 

輝「なずなと翼は、仲睦まじくいつも一緒にいた。そしてお前らが昔の記事を発見したその記事のとおり、婚約者にまでなったし、実際、日本で一緒に住んでいた、花嫁修業とかしはじめてたんだ」

 

西門「…今の牧野みてえだな」

 

輝「‥‥…でも、結婚式の前になずなは妊娠した」

 

西門「…」

 

あきら「まずい…よな」

 

輝「…西園寺財閥の会長は、それを許すわけはなかった。そして運悪く、その頃翼は出張が多かった」

 

つくし「それって…?」

 

輝「なずなは翼の子供だと訴えた、けどその言葉を、西園寺家は誰も信じなかったんだ」

 

司「……翼は?」

 

輝「…翼は信じてた。自分の子だって」

 

あきら「……翼の結婚は公になってないよな?結婚はしたのか?」

 

輝「…極秘で無理矢理籍だけは入れたんだよ。色々ひと悶着はあったが、翼が押し通したんだ」

 

つくし「……」

 

司「まあ、それでこそ男だよな」

 

あきら「でもよくそれで勘当されなかったよな」

 

輝「…DNA鑑定までされたからね、無事翼の子だと証明された」

 

つくし「…ほっ」

 

輝「……でも出産後、なずなに待ってたのはお母さんとしての生活じゃなく、西園寺家の妻としての役割だったんだ」

 

つくし「…どういうこと?」

 

西門「……」

 

輝「お前らは小さくて覚えてないかもしれないけど、こっちの写真も見てもらえるか」

 

輝は話を中断したかと思うと、また写真を取り出してつくし達の前に置いた

 

あきら「うわ~…」

 

類「……」

 

西門「ここまでくるともう…」

 

つくし「うそでしょ…」

 

輝「見てもらったのは、これは翼と翼の亡くなった母親の写真だ」

 

西門「翼の母ちゃんの記憶はなかったけど、こんなに牧野そっくりだとは…」

 

あきら「牧野が年取ったらこうだろうなっていう感じがひしひしと伝わってくる」

 

つくし「未来を見てるみたい…」

 

輝「……翼は、早くに母親を亡くしててマザコン気質ではある。だからなずなに初めてあった時、ああ、母親に似た人好きになったんだなって思った」

 

つくし「……」

 

輝「……そしてこれは誰も知らない話だ、誰にも言うんじゃねえぞ、もし誰かに言ったってわかったらお前らの命はないからな」

 

西門「わかってるよ、もったいぶらずに続き話せよ」

 

輝「…翼の母親は自殺だ」

 

つくし「え?」

 

西門「は?」

 

あきら「…まじかよ」

 

輝は三人の困惑した視線を受け止めうなづいた

 

輝「…西園寺家の妻としての役割につかれたんだよ」

 

つくし「それって…」

 

輝「今の君の状況だね。パーティー出たり、西園寺家の仕事をしなくちゃいけなくなったり、

西園寺としての”妻”になることが無理だったんだ」

 

司「……」

 

司は輝の話を聞きながら、まだ二枚の写真をずっと見ていた

 

輝「……そして、なずなもそうだった」

 

つくし「え?」

 

西門「まさか…」

 

輝「……いや、誤解させてすまないが、死んではいない、死んではいないが……ある日一枚の手紙と子供を残し、姿を消した」

 

つくし「…失踪?」

 

類「……家出したってこと?」

 

輝「…しかも生まれたばかりの子供を残してった。産後4ヶ月めの出来事だよ。結婚式も出産一年後に控えてたのにね」

 

つくし「なんで…」

 

輝「なんでじゃないよ。君も、道明寺家の修行、本当に大丈夫?やってけるの?道明寺として動き出したら、今までの非じゃないくらいの重圧がくるよ?」

 

つくし「……」

 

司「はあ~」

 

まるでつくしと輝の険悪なムードを遮るように、司が大きなため息をついた

 

西門「どうした?司」

 

司「どうしたもこうしたも、さっきから牧野に似てるっていうからずっと写真見てたけどよ、どこも似てねえじゃねえか」

 

輝「いや、似てるよ」

 

西門「そっくりだろ」

 

司「いや、ぜんぜん違うね、牧野はこんなに目が大きくねえし、鼻筋もとおってねえ。顔にほくろもねえし…体型も牧野は胸ねえけど、こいつらは胸あるじゃん」

 

つくし「……」

 

西門「お、おい司…」

 

輝「……」

 

司の言葉につくしの額にピキっと青筋が浮かぶが、それに司は気づかない

 

司「それにこんなお嬢様みてえな服もきねえよ、似てねえよ」

 

つくし「悪かったわね!!!」

 

司「いって!!!」

 

つくしは思わず司をはたいてしまった

 

輝「……まあ、確かになずなや翼の母親の方が上品で清楚ではあるな。そして繊細だった」

 

司「牧野は図太いから心配する必要ねえよ」

 

つくし「!!!」

 

司「いって!おいお前!俺はけが人だぞ!!」

 

つくし「うるさい!!!!」

 

輝「……ははっ…ほんと、君のように強かったらよかったんだけどね」

 

西門「でも、西園寺家の力があればすぐ見つかるだろ」

 

輝「…翼、探さなかったんだよ」

 

つくし「なんで?!!」

 

輝「……探して追い詰めたら母親と同じようになるからって…あと、子供を捨てて出てくような女はいらないって」

 

つくし「……」

 

輝「最初は、あいつも父親だった。よく子供にかまっていた。そして家もなずなが出ていったときのまんま、アイツらが住んでた…今日のパーティー会場だった別荘の家具も何一つ触らず買い替えずまるで帰ってくるのを待つようにそのまんまにしてた」

 

つくし「……」

 

輝はつくしの不穏な表情に気づいて悲しそうに笑った

 

輝「…ははっそんな顔にもなるよな、あいつ、いつからか子供に関わるのやめちゃって、邪険に扱うようになった、今日もきっとそうだったんだろ?」

 

つくし「うん、まるで子供を憎んでるような目つきだった」

 

輝「…うん、憎んでるんだよあいつ。いつのまにか、子供も、なずなのことも」

 

西門「…なずなって人に似てる牧野のことも…か?」

 

輝「おそらくな」

 

輝の言葉に司がガタっと立ち上がる

 

司「完っ全に牧野関係ねえのになんだアイツ!!やっぱぶん殴ってくればよかった」

 

西門「おい待て司!」

 

血の気が多い司が部屋を飛び出そうとするのを西門は慌てて止めに入る

 

輝「……正直、翼があの子に固執してるのは、なずなや母親が原因だと思ってた。でも最近の翼みてると…」

 

類「…何か気になることあるの?」

 

輝が小声でつぶやいた言葉は類にだけ聞こえ2人だけの会話がはじまる

 

西門やあきらやつくしは司を止めようと必死で輝の言葉が届いていなかった

 


 

読んでくださってありがとうございます!

 

拍手やメッセージもありがとうございます!

ランキング参加中です!応援お願いします!

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

花男ドラマ続編妄想 一覧

シリーズ一覧

最新記事

シリーズ

ブログ村