翼の部屋のデスクの引き出しには、すぐ手紙の束があった

 

司「よし、探すぞ」

 

つくし「……ここまできといてなんだけど、やっぱやめない?」

 

司「おいおい、今更何言ってるんだよ」

 

つくし「だってこれどう考えても犯罪…」

 

司「……う~んなさそうだなあ」

 

つくし「ねえ、人の話聞いてる?!」

 

子供「何探してるの?」

 

つくし「え?」

 

司「何探してるってそりゃあなずなってやつからの手紙だよ」

 

子供「ママの手紙はここじゃないよ?」

 

司「は?なんでお前知ってるんだ…ってえ?」

 

つくし「!!!」

 

司とつくしのそばに、ものすごくナチュラルに子供がいた

 

司「ちょ!」

 

つくし「…!」

 

見つかるとマズイこの状況、さすがの司も焦るが、子供は警戒することなどせず、つくしの膝の上にちょこんと座った

 

つくし「あ……」

 

子供「へへ…」

 

子供はつくしに甘えるように抱き着いている

 

司は、これは良いチャンスだとばかりに、子供に聞いてみた

 

司「お前、一応なずながママって知ってるんだな」

 

子供「うん、ひつじに聞いた」

 

つくし「羊?」

 

司「ああ、執事のことか」

 

子供「あとうまにもきいた」

 

つくし「馬?」

 

司「乳母か」

 

つくし「よくわかるね?」

 

司「俺も乳母っつーか家の使用人たちに育てられたようなものだからな、ベビーシッターだと思えばいいよ」

 

つくし「うんうん」

 

司「お前、名前なんていうんだ?」

 

子供「……」

 

司「おい、なんでいきなり黙るんだよ?」

 

つくし「お名前わかる?」

 

子供「るう…」

 

つくし「るう…ちゃん?」

 

子供「うん」

 

司「へえ、類みてえな名前だな」

 

るう「…」

 

司が頭を撫でたらそれを避けるようにつくしの胸元にぐりぐりと入り込んだ

 

つくし「どうしたの?」

 

るう「おとこのこ、嫌い」

 

つくし「なんで?」

 

るう「……」

 

つくしの問いに答えることなく、るうはパッと立ち上がった

 

るう「…それじゃあね、バイバイ」

 

司「おい、ちょっとまて」

 

つくし「あの!ねえるうちゃん、あたしたちがここにいること、誰にも言わないでくれるかな?」

 

るう「なんで?」

 

司「なんでって言われても、なあ?」

 

つくし「か、かくれんぼしてるの!!」

 

つくしの突然の言葉に司は小声でつくしに怒鳴る

 

司「おいお前なにいってんだよ」

 

つくし「仕方ないでしょ!説明しようがないんだから…」

 

るう「かくれんぼ?!!わたしもする!!おにさんはだれ?」

 

司「鬼っつーか…ああ、そうだ、なずなの手紙を見つけたら勝ちなかくれんぼだ」

 

るう「へんなおにごっこね?…わたしがいっちばんだ!」

 

子供だからか深くは考えずに、るうはキラキラした顔で走り出した

 

司とつくしは、周囲に気をつけつつ、るうの後を追う

 

今思うと、るうの周りに人がいないことをおかしいと思わなくてはいけないのに

 

この時、司もつくしも気づいてはいなかった

 

 

西門「いやあ、まだ痛いなあ…」

 

警備員「やはり病院に」

 

西門「いやいや、少し休ませてもらえたら…」

 

警備員「ですが…」

 

あきら「大丈夫だって、俺もついてるし…あ~でも暖かいものもらえたら嬉しいかも」

 

警備員「屋敷の者に毛布を持ってくるよう指示してきます」

 

西門「すまないね」

 

警備員「いえ、西門様に何かあったら大変ですので」

 

警備員を引き付ける役をしている西門とあきらは、今も頑張ってお腹の痛いふりをしていたが、だんだんとこの演技にも限界を感じはじめていた

 

西門の心の声(そろそろまずいよな)

 

あきらの心の声(あいつらまだ戻らねえのかよ)

 

本当は、あきらたちも司達の監視も含めてついていきたかった

 

だが、警備員もいる、翼にアポもとれない

 

それでも司達は手紙を見たいと言い駄々をこねたために、こんな演技をするはめになった

 

警備員「!!誰か来た、おいお前、見てこい」

 

警備員2「はい」

 

西門の心の声(もしかして類か?)

 

あきらの心の声(類だとしたら、この演技の話もまだしてないし、まずいな)

 

あきらと西門は思わず顔を見合わせた

 

だが、来た人物は、この家の主、翼だったのだ

 

警備員2「翼様のお帰りです、全員、定位置に!」

 

警備員「!!」

 

西門「うわ、まずい奴が来た」

 

あきら「‥‥…」

 

西門とあきらの顔は真っ青になっていく

 

警備員は、嬉々として西門達がいることを翼に教えて走っていってしまった

 

絶体絶命の状況に立たされたが、逃げることもできない二人

 

警備員室から見える翼の怪訝な顔を、お腹の痛いフリをして見ている事しかできなかった

 


 

今日も読んでくださってありがとうございます( *´艸`)

 

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