つくしと類は一緒にご飯を食べる
みたこともないきらびやかな和食に終始つくしは感動していた
つくし「……帰る前にもう一度温泉入ってきてもいい?」
類「いいよ、気にすることないのに、いってきなよ」
つくし「ありがとう!!」
そんな会話の後、つくしは温泉へと向かう
実は大浴場の他にも貸し切り温泉や限られた人しか入れない個室温泉などがあるのだが、つくしはそれにまったく気づいていなかった
類「……俺も入ってこようかな」
そして類はある限られた人しか入れない個室温泉のほうへと向かった
さすが限られた人しか入れない個室温泉なだけあって
ヒノキの香りも素晴らしく、窓からの眺めも素晴らしい素敵な温泉だった
類「…牧野も入りたいかもな」
類は温泉に入りながらそう思い、部屋へと戻る
先に戻ってたつくしが類の浴衣姿に驚いたのか顔を真っ赤にしていた
類「…どうしたの?」
つくし「い、いや、なんでもない!っていうかなんか暑いね!この部屋」
つくしはそういうと手でうちわのようにパタパタと仰ぎだした
類「そう?そんなことないと思うけど」
そう言って部屋のソファに腰をおろした類の胸元が少しはだける
つくし「そっ!それにしてもここの温泉広いし綺麗だよね?!さすが立派なだけあるっていうか?!」
つくしはなるべく類の方をみないように早口でそう喋っていた、そのつくしの様子が面白く可愛く感じる類は笑いながら個室温泉のことをつくしに伝えてみる
類「ここ、個室温泉あるんだよね、そこに入ってきてた。牧野に先に教えておけばよかったよね」
類がそう言ったとたん、つくしの眼がこれでもかというくらい輝いた
つくし「個室温泉?!!!!!」
類「え、どうしたの?」
あまりにもキラキラと輝いたその表情に、類は少しタジタジとなる
つくし「入ってみたいです…」
実は温泉好きだったつくし、個室温泉に入りたくて仕方がないようだった
類「でも二回目入って具合悪くならない?夜遅くに帰ることになるけど、牧野は大丈夫?」
つくし「うっ……だ、大丈夫です!」
一瞬つくしも入るのをやめようかと思ったが、個室温泉の魅力には敵わないようだった
つくし「帰り大変になっちゃうけど、いいかな?」
類「全然いいよ、いっといで」
つくし「ありがとう!」
そうしてつくしは教えられた個室温泉へと向かう
個室温泉の扉をあけたとき、あまりにも素敵な景色につくしはため息ばかりついていた
つくし「ああああ素敵すぎるうううう」
そういって温泉へとつかるつくし
少し濁り湯で良い香りのするその温泉は、入っただけで肌がすべすべになった
つくし「はあ……ここから見える星空も綺麗…すっかり遅くなっちゃって花沢類に申し訳なかったな……」
つくしは独り言をつぶやきながら部屋に戻るため浴衣に急いで着替える
つくし「ふう…」
そしてつくしは持ってきた携帯の画面を開く、画面にうつっているのは道明寺司の携帯番号だった
つくし「忘れられてショックだったけど、花沢類のおかげで、少し冷静になれたみたい。思い出してもらえないのはショックだったけれど、だからって私が怒ったってどうしようもないことだったんだ、今はこいつも大変な時だし、こいつを変に混乱させないようにしないと」
そうつくしは思い直し、携帯を閉じる
つくし「うん、花沢類にもっとしっかり感謝しなきゃ!」
つくしはそう思い部屋へと向かった
つくし「ただいま戻りました~…あれ?花沢類?」
部屋に戻ると、類の姿が見えない
つくし「あれ?どこにいった……痛っ!!!!!」
部屋の中を探そうと歩き出したつくしは何かに足が引っ掛かり転んでしまった
つくし「いたたたたた……なに?……って花沢類?!!!」
つくしがぶつかったのは花沢類の足だった
そしてなんと花沢類が床に倒れていたのだった
慌てて類の名を呼び起こそうとするつくし
つくし「はっ花沢類?!花沢類どうしたの???」
涙目になりながら何度も類を呼ぶつくし
するとゆっくりと類が目をあけた
類「ん?ま…きの?おかえり~…」
類がやけににこやかにそう笑って話す
そしてつくしはあることに気づいた
つくし「お、お酒の匂いがする……」
類「…牧野凄い良い香りする…」
つくし「うわっ!!ちょっちょっと!!」
なんと類は甘えるようにつくしの胸元へと自分の頭をすりすりしはじめてしまうのだった
つくし「ど、どうしよう、力が強くて振りほどけない…」
つくしは類に押し倒されてしまう
類「牧野といると、落ち着くんだよね」
つくし「……もう…花沢類!しっかりしてよ~」
真っ赤な顔して情けない声を出すつくしだが
そんなつくしにおかまいなしの類は、このあとさらにつくしへと甘えるのだった
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