旅先の類の部屋に入ったが、つくしはなかなか話を切り出せずにいた

 

そんなつくしの様子を見て、類は黙ってつくしの為に部屋に用意されている紅茶を入れている

 

つくし「あ、ありがとう」

 

つくしの目の前に温かい紅茶が運ばれてきた

 

類「どういたしまして」

 

類はそういうと、自分もソファに腰掛けて紅茶を飲みはじめる

 

つくし「…やっぱり花沢類って優しいよね」

 

類「ん?」

 

つくしが温かいティーカップを両手で包むように持ちながら飲む前にそうつぶやいた

 

類はつくしのその言葉に優しく微笑んで返す

 

つくし「…花沢類も紅茶とか淹れれるんだね」

 

つくしがそう笑って紅茶を一口飲んだ

 

類「そりゃあこれくらいはできるよ、紅茶好きだし、茶葉でも淹れることできるよ」

 

つくし「ん、美味しい。飲んでみたいな、花沢類の茶葉から淹れた紅茶」

 

類「今度淹れてあげるよ」

 

つくし「…やっぱり、優しなあ…」

 

つくしが類の言葉ひとつひとつに微笑んでそう答えるので、さすがの類も少し恥ずかしくなってきたようだった

 

類「どうしたの?牧野、変だよ?」

 

類が笑ってそう聞いたとき、つくしが紅茶をテーブルに置いてキッと姿勢を正した

 

類「どうしたの?」

 

類がつくしの姿に緊張を覚える

 

つくし「お話があります」

 

類「うん」

 

類も紅茶をテーブルに置き、ひじを自分の膝へ置き、手を組んで顎の下に置き、つくしの方へと身体を少し前へ倒し向き合った

 

つくし「あの…この前の温泉旅行、楽しかったです、ありがとうございます」

 

つくしの言葉に類はフッと笑う

 

類「なんだ、そんなこと」

 

類の言葉につくしは強めに否定した

 

つくし「そんなことじゃないよ!全部お金払ってもらったし、それにあの時の花沢類を知れて…私はいろいろ考えたんだ」

 

類は自分が酔いまくってた姿をつくしに晒したことを思い出す

 

類「ああ…ごめんね、酔っ払っちゃって、忘れてくれていいのに」

 

類がちょっと照れたようにはにかんだ笑いをしてそういったが、その類の表情を見てつくしの顔が真っ赤に染まった

 

つくし「そ、そんなことないよ」

 

類「……」

 

つくしの表情を見て、笑う類の表情が固まる

 

類は、未来で司に向けていたつくしの表情が、今自分に向けられていることに、気づいた

 

類「……」

 

自然と類の手が震える

 

悟られまいと、類は自身の手をもうひとつの手で握り隠した

 

つくし「あのね……あの時に花沢類が言ってたこと、私あれから何度も考えちゃって、それで私…気づいたの。道明寺より、花沢類にそばにいてもらわないと困るってことに…ううん、そばにいてほしい、私もそばにいたいって思ったの、自然にそう、想えたの。花沢類がもし記憶喪失なって私のこと忘れたら、きっと私は道明寺の時より、すごいショックを受けるなって…私……気づいちゃったの」

 

つくしからの愛の告白

 

ずっとずっと恋焦がれ、つくしの幸せを願い、身を削られる思いで諦めようとしてる恋

 

その恋の相手が、今自分に告白をしてくれている

 

欲しくて欲しくてたまらなかった真っ赤な表情を浮かべながら、こちらの方を見れなくて恥じらったような仕草で

 

だが、嬉しい幸せな感情とともに

 

類の手の震えはますます止まらなくなっていた

 

類「……牧野、ありがとう」

 

つくし「え?う、ううん…」

 

少しの間があり、類が言葉を続ける

 

類「…俺が牧野のそばにいてもいいってこと?」

 

いまだ震える手をつくしから隠しながら類がつくしにそう聞いた

 

つくしが真っ赤な顔でうなづいている

 

類「……牧野に触ってもいいってこと?」

 

つくし「ちょっ…」

 

類が馬鹿正直に真っすぐなビー玉の瞳でそう聞いてきた

 

さすがにつくしも照れて顔をあげるが、類の瞳にまた照れてしまい、下を向いてうなづいた

 

類「……ありがとう」

 

類はつくしのほうへと近寄り、そのまま優しく抱きしめた

 

つくし「…花沢類…」

 

優しい抱きしめに、つくしも類の背中に手をまわす

 

つくし「…?」

 

その時、つくしは類の震えに気づいた

 

つくし「もしかして、震えてる?」

 

つくし気づかれたが、今度は隠そうとはせずに類は震えたまま、つくしを強く抱きしめ返してこう答えた

 

類「そりゃあ、震えるよ。夢にまでみた、言葉をもらったんだから」

 

類の答えに、つくしの全身に鳥肌が立つような感情が襲う

 

つくし「……花沢類……今までたくさんたくさん傷つけてきて、ごめんなさい」

 

類はそれにこたえることはせずに、抱きしめる力を更に強くしたのだった

 

つくしから自然と涙が流れ落ちる

 

そのことに、類も気づき、手で包むようにつくしの頬に優しく触れながら、唇にも、類の唇が優しく触れるのだった

 

この日二人は、付き合う事になる

 

未来が変わった日、いや、過去を変えてしまった日だ

 

だが、この日の類の震えは、感動や幸せ、喜びだけでもなかった

 

旅行から帰宅した後に、類が思い出すのは

 

つくしとのキスと、幼馴染の道明寺司の姿だった

 

類「…司、お前も俺に、こういう感情だったんだな」

 

類は自分の部屋の窓から外を見ながらそうつぶやいた

 

類は未来の自分のスマホを取り出す

 

そこに写っているのは、観覧車前でのつくしと類の姿だ

 

その写真を見て、類は夢物語だったこの世界が現実で、本当に未来を変えてもいいのか、不安が襲ってきてしまった

 

類「………司………」

 

未来で類は、あの時こうしていれば、ああしていればよかった

 

そう後悔したことが何度もあった

 

何度も諦めようとしては無理だった

 

最終的につくしも司も大好きだから幸せならばそれでいいと思った

 

だがその心とは裏腹に、好きな人に触れたい、あの表情が欲しいとも思っていた

 

その思いや願いがきっかけで、夢物語のようなことが現実におこり、過去をかえることができたが

 

類の心は、未来での自身の心よりも、より複雑に、絡みつくような新しい感情でいっぱいになってしまう

 

類「…これで本当に良かったのか…?」

 

そうして類は、司へと電話をかけるのだった

 


 

 

今日も読んでくださってありがとうございます(*’ω’*)

 

お正月休みで更新が不規則になっていました

 

楽しみにしてくださっているかた申し訳ありません

 

もう仕事も始まった方もいらっしゃると思います

 

今年も、頑張っていきましょう( *´艸`)

 

風邪には注意して気を付けていきましょうね!!(*´ω`)

 

 

 

 

 

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