司へと連絡をとった類は司をある場所へと呼びだした
その場所はあの遊園地だ
司「どうしたんだよ類、こんな場所に呼びだしてよ」
司が黒い大きな車から降りて遊園地の前にいる類の方へと向かってきた
類「司」
類が少し悲しそうな笑顔を司へと向ける
司「………あれだろ?!遊びたかったんだろ?!じゃあ遊ぼうか!!」
類「え、司…話があるんだ」
司「行こうぜ!!!」
類の言葉をかき消すように、司は類の肩を片手で抱きよせたかと思うと、無理矢理遊園地の中へと入っていく
一通りのアトラクションを連れまわされ、やっと屋外喫茶店のテーブルへと座る二人
類「あのさ、実は俺…牧野と」
司「あーーー!!!っと、男二人だと観覧車はないよな?!じゃあどうする?!もっかい最初に乗った奴に戻るか?!」
まるで何を言われるのかわかっているような司は、類の話を聞こうとはしない
類「司…記憶はもう、全部戻った?」
類は少し話をかえることにした
司の表情が固まり、真面目な表情でまた椅子へと座りなおしこう答える
司「おう、おかげさまでな。さすが俺様」
司はそう言うと、先ほど頼んだコーラを飲みほした
類「もしかして何を言われるか気づいてる?」
類の問いに司の動きが止まる
類「司…?」
動きが止まった司が類の問いに答えようとしない
類「つ…」
類が司の身体に手を伸ばしたその時、司がいきおいよく立ち上がった
司「あのよ!!」
類「??う、うん」
司「…お前、牧野に本気なのか?」
司の真剣な眼差しが類へと刺さる
類はまっすぐ司の目をみてこう答えた
類「…本気だよ」
司「………そうか、静のことはどうしたんだよ?」
類「静のことはもう終わったよ、あれは恋じゃなかったって気づいた」
司「………まあ!俺様に遠慮しなくてもあんな女!!類の女になるなんてあの女にはもったいなさすぎて運を使い果たしたかもな!」
類「司…」
呆れたようなため息交じりの声で類が司をたしなめる
司「…牧野はいい奴だよ。俺は類の事親友だと思ってる。それだけだ、じゃあな!」
類「…司!!」
類の呼び止める声を無視して、司は足早にその場を去っていった
類は困ったようにその場にまた座りなおす
類「はあ……ちゃんと話すのは無理か…」
類の口から白い息が空へとのぼる
類「………本当に、これで良かったのかな…」
類は運命を変えるきっかけとなった観覧車の方を見て、そうつぶやいた
そして類は牧野と写真を撮った場所へと向かい、未来のスマホの画面を開く
類「……夢だと思ったけど一向に目覚める気配もない、運命を俺は変えたんだ。俺は司から……」
類はスマホをポケットへとしまい、観覧車のてっぺんを見上げた
類「……牧野と付き合えて凄い幸せだけど、同時に物凄い辛い、司もこんな気持ちだったんだろうな」
類は空を見上げたまま目を閉じた
類「……?冷たい」
鼻の先に冷たさを感じ類が目を開ける
類「…雪」
そう、この過去の世界に類は夏の季節に戻されて来ていた、だがもう季節はすっかり冬になっている
そして東京に雪が降るのは珍しいことだった
類「……未来の牧野の卒業式で司はプロポーズした、もうすぐ牧野の卒業式…今度は俺が…」
類は辛さと幸せ、司やつくしへの感情も含めたうえでのある決意をこの日決めるのだった
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のんびり更新にきりかわっていますが、優しい目で見守ってくださると嬉しいです( ;∀;)
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