綺麗な朝陽が窓から入り込む
先に目が覚めたのはつくしの方だった
つくし「…あっ……」
目が覚めたつくしは、自分がまだ何も着ていない事に気づき、慌てて布団で胸を隠す
つくし「っ………」
隠しながら、昨夜のことを思い出し、つくしは恥ずかしそうにきょろきょろとし、まだ隣で寝ている花沢類の顔を見つめた
つくし「………」
つくしは柔らかい類の髪の毛をふわっと撫でた
類「んん…」
つくし「!!!」
起きそうになる類に慌てて手をひっこめ、つくしはすぐに着替えようとベットから降りようとする
類「…どこいくの?」
つくし「あ……」
いなくなるつくしにすぐに気づいた類は、すぐにつくしの腕をひっぱり、まるで抱き枕のようにつくしを抱きしめ包み込んだ
類「まだ…こうしていようよ」
つくしの頭のうしろのほうから、類の吐息と眠そうな甘い声が響く
つくしは抱きしめられながらこくこくと早くうなづくしかできなかった
類「……」
つくし「…もう寝ちゃった…」
背中越しに感じる類の寝息
つくしは身体にまわされた類の腕を掴みながら、少しだけ、物憂げな表情をしたあとに目を閉じた
類「……」
だが、つくしが寝たと思っていた類は実は起きていた
背中越しでも、つくしが物憂げな顔をしたことに気づいているのか
類の瞳は、少しだけ、悲しそうな色を見せていた
類「………」
そして、この日二人は、夕方ぐらいまでのんびりと過ごし、夜はお互い家へと帰った
帰るはずだった
類「……」
類は思い出していた
卒業プロムの日、朝に司の車を見たことを
つくしは、すべてを類に差し出してくれた
でも、本当に【すべて】とはどうしても思えなかった
つくしを抱きながらも消えることがない、過去を変えたこと、そして司への罪悪感
類「……」
類は携帯を取り出した
そして、その日、類はまっすぐ家へと帰ることはせずに、司へと連絡を取るのだった
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