類「……いったい何が……」
倒れた類が目覚めた時、牧野つくしの顔が目の前にあった
つくし「大丈夫?!!花沢類!!」
類「うわっ…えっ…どうしたの?…ここは…?」
つくし「やっぱりどこか頭でも打った?!どうしよう保健室でも行く?」
類「え…保健室…?」
あたりをきょろきょろと見まわす類
類「ここ、非常階段…」
つくし「そうだよ!私が階段で転びそうになったのをかばってくれて…花沢類、息はしてたけど一瞬だけ意識失ってて…すごい…怖かった…」
つくしの手をみると、かすかに震えているようだった
類「…大丈夫だよ、心配かけてごめんね」
類はとりあえずつくしを落ち着かせようとそう声をかけた
類「……」
だが本当に混乱し取り乱しそうだったのは類の方だった
先ほどまで確かに観覧車の中にいたはず、それなのに目が覚めたら高校の制服をきた牧野つくしと英徳の非常階段にいるのだから
類「……ごめん、こんなこと聞いたらもっと心配するだろうけど…今日って何月何日…?」
つくし「ちょっと…本当に保健室行こう!!今日は〇月×日で〇▽◆×年だよ!」
つくしは慌てて横たわっていた類の腕をひっぱる
類はつくしに引っ張られ起き上がるがすぐにその場で立ち止まった
つくし「ちょっと、もしかして動けない?」
類「ううん、大丈夫。ちょっとからかっただけ」
つくし「え?!!もーーーーこんな時にそんな冗談やめてよ」
つくしは安心して長いため息をつき、類のお腹あたりをぽかぽかと軽く叩いた
類「あはは、ごめんね…でも念のため今から病院行っておくね」
つくし「うん!!あっ私もついてく!!」
類「いや、いいよいいよ」
つくし「えええええええ…じゃあせめて玄関まで見送る!学校終わったら花沢類の家にいってもいい?」
類「うん、おいで」
つくし「ありがとう!!」
そうしてつくしに見送られ、類は迎えに来た花沢家の車に乗り込んだ
そのまま家に帰った類は、ニュースや新聞、いろいろな場所で情報を集めた
類「………過去に戻ってる……夢でもないようだし……」
類は自分が過去に戻っていることを理解した
そしてこれが夢ではなく現実の出来事であることも…
類「……きっかけがあるとすれば、あの観覧車と謎の声…か…願いを叶えると言ってたけど…直前に俺が考えてたことと言えば…」
類はあの観覧車での出来事を思い出そうと眼を閉じ眉間にしわをよせた
類「……そうか、牧野のことだ…」
類はハッと思い出し、まぶたを開ける
類「……今日は〇月×日…牧野が司の母ちゃんに呼ばれてパーティー出席して…司の婚約者、大河原茂(おおかわはらしげる)を紹介されて…一週間くらいたってる時か…」
類はふと自分の服のポケットに違和感を感じそれを取り出した
類「未来で俺が持ってた携帯だ。持ったままなんだな…服装は変わってるのに、変なの」
類は携帯の電源をつける
類「…写真もそのままか…でも当然圏外か」
類の携帯には観覧車前で牧野つくしと写った写真が映し出されている
類「このあと、俺は司にメールして…ああ、メッセージもそのまま残ってる…」
類は未来の自分の行動ももう一度確認した
そして類はまたあの観覧車の写真へと画面を戻す
類「もしかしたら本当に、過去を変えて、未来で牧野と一緒にいれるのは、俺になるのかな」
類はそのまま部屋の真ん中に置いてある自身のベットへとぼすんと寝ころんだ
携帯を胸元に置き、類はゆっくり目を閉じる
類の脳裏には次々と牧野つくしとの思い出が流れた
司と乗った観覧車で真っ赤な顔してたつくし
司にプロポーズされてたつくし
記憶喪失になった司に傷ついてたつくし
婚約者の存在に泣かされていたつくし
類はいろいろ思い出しゆっくりとまたまぶたを開く
類「牧野は、笑ってるより…泣いてきてる方が多いんだよな…」
類はゆっくりと上半身だけ身体を起こし、また携帯にある観覧車の前の二人の写真をみた
類「もしも牧野が俺を好きになってくれたら…俺は泣かさない」
類はある決意をし、携帯に映し出されている観覧車前で笑顔でうつるつくしの顔あたりに、キスをするのだった
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