未来の携帯画面の写真にキスをしたその瞬間、類の過去の方の携帯が鳴った
類「あれ?牧野だ」
類がつくしの着信に出る
類「もしもし、どうしたの?」
つくし「どうしたの?じゃないよ~具合は>頭どっか変になったりしてない?」
類はつくしの言葉でそういや俺は非常階段で頭をぶつけてたっぽいんだということを思い出す
類「ああ、全然大丈夫だったよ」
類はそう返し優しく笑う
つくし「良かったー…すごい気になってたんだ…あとごめん、今日急遽バイト入ってしまって…あの、帰りに寄れそうにないんだ」
類「うん、大丈夫だよ…でも牧野、確かこの曜日は団子屋さんお休みじゃなかった?」
類の言葉になぜか慌てるつくし
つくし「う、うん!実は違うバイトも始めたんだ!!」
類「少し…働きすぎじゃない?」
つくし「大丈夫!!なんたって私は雑草のつくしだから!!身体だけは丈夫なの!」
類「でも…あまり無理しないようにね」
つくし「わかった!!!それじゃあまた明日学校でね!」
類「うん、それじゃあ」
類は電話を切る、そしてもう一度日付を確認し、過去を思い出した
類「……そういえばこのあと、夜に病院から連絡が来て…牧野倒れるんだったよな…」
類はそのことを思い出し、すぐにつくしへと折り返し電話をかける
ぷっつーーつーーつーーー
類「話中か…」
類はつくしのバイト先に先に行ってようと外着を羽織って部屋から出るのだった
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類「そういえば過去の俺…牧野が道路工事のバイトで倒れたのは知ってたけど、どの場所で倒れたか聞いてなかった…」
類は過去の自分の行動を非常に後悔する
類「あの時は、牧野の意識が戻ったのが嬉しくて、無事でよかったって安心しちゃって…」
そして類はもうひとつの出来事も思い出す
類「…そしてあの日こらえきれずに牧野にキスしちゃうんだよな…その後には英徳学園で司をぶん殴ったんだった」
類は自分の手のひらを見て、また握りしめた
類「……司に婚約者ができて、牧野はその婚約者を応援するはめになって…牧野のとこの父さんが田舎町にひっこむことになって…牧野は弟と二人暮らしすることになって…なんだかんだあって、司が記憶喪失になって…ああ、でも司が野生の勘で牧野を思い出したときに、あの瞬間、俺は司に敵わないって思ったんだった…」
過去、どうして類がつくしを諦めて身を引いたのか、その時の感情も含め類は鮮明に思い出す
類「…もしかしたら今過去に戻っているのは夢なのかもしれない、それでももし未来を変えれるなら…」
類は携帯を取り出し司の名前を画面に映し出す
類「司、お前のこともすごい大事だよ…大事で大切で失くしたくない親友だよ…でも、ごめん…俺にとってもこんな感情、はじめてなんだ。静に対して感じてた感情とは全然違う。はっきり言ってすごいめんどくさいなって思うくらい一喜一憂してる…牧野が笑うと嬉しくて、牧野が泣くと胸が締め付けられる。俺は牧野をずっと幸せに笑わせていたいんだ」
類は未来の携帯の電源を切る、そして過去の携帯でまたつくしに電話をかけるが既に留守番電話だった
類は深いため息をつき、つくしが倒れるのは止められないと悟る
それならばと気を取り直し、類は病院へ向かおうと思い直した
類の足が病院へと向かう、その時類は
類「この観覧車前での写真が、願わくば恋人同士でうつる未来へ…変えてみたい」
再度強く心にそう決意したのだった
そしてそのまま牧野つくしがこれから運ばれてくるであろう病院へと急ぐのだった
今日も読んでくださってありがとうございます(*’ω’*)