類「司、まだ思い出さないみたいだね」

 

病院の屋上でふさぎ込むつくしに類は声をかける

 

つくし「ほんっと、やんなっちゃうよね」

 

類「…」

 

困ったようにそうつぶやくつくしの表情は、今にも泣き出しそうな表情だった

 

つくし「なんで、私だけ忘れちゃったんだろうね」

 

類「それはきっと…」

 

つくし「…?」

 

類「ううん、なんでもない」

 

つくし「もう、気になるじゃん!」

 

類「うん、ごめん」

 

類は、きっと司にとって牧野は一番大事すぎて毎日考えていた存在だから、記憶から消えたんじゃないかとつくしに言おうとしたが、あえて言うのをやめた

 

類「……」

 

司の記憶が戻ってほしい、つくしがこれ以上傷ついてほしくない、そんな感情もあったが

 

酷く醜い感情も、類の心の中に芽生えてしまう

 

類「…さすがにそれはずるいか」

 

つくし「ん?何が?」

 

類「なんでもない」

 

つくし「もーーーさっきから気になることばっかり!!」

 

類が考えたずるいことというのは

 

司がこのまま記憶が戻らず、つくしと類が付き合うことになったら、司とも親友のまま、うまく付き合っていけるんじゃないかという考えだった

 

だが、そんな風に思う自分の感情は醜いな、と類は思ってしまう

 

つくし「……花沢類はいっつも優しくてそばにいてくれるよね…ありがとう」

 

類「………」

 

いつもならここで、類は軽く笑って【そんなことないよ】とか言ってしまっていただろう

 

でも今の類はこの時を過ごすのは二度目だった

 

類「………過去に戻っているってのが、もしかしたら夢なのかもしれないよね」

 

類はふとそう思ってしまった

 

つくし「え?」

 

類「やけにリアル感ある夢だけど…夢でくらい、素直に動いてもいいと思うんだ」

 

つくし「ちょ、ちょっとどうしたの?花沢類」

 

類はそうつぶやきながら、つくしに顔を近づける

 

そんな類の様子につくしはタジタジとし逃げ腰だった

 

類「ねえ、牧野、俺じゃダメ?」

 

つくし「え…?」

 

まるで猫がじゃれるかのように、類はつくしへチュッと軽いキスをした

 

つくし「ちょっ…花沢類?」

 

つくしは慌てて顔を背けるが、類の中で理性は既にはじけ飛んでいた

 

類「病院でも、今も、逃げようと思えば逃げれるのに、キスを受け入れてくれるのは…少しは俺の事、好きだからだよね?」

 

首をかしげながら、類はつくしにずるい質問をする

 

つくし「いっ!今道明寺が大変な時に、そんな…」

 

類は今度はつくしの額にキスをした

 

類「大変な時だから、だよ。司には悪いけど、これ以上傷ついてる牧野をほっとけない」

 

つくし「………花沢類……………」

 

もしかしたらこの過去の世界は夢物語なのかもしれない

 

屋上から見えた沈む夕日の幻想的な景色に、類はそう思い込んでしまい

 

自分の心に素直でいようと、ストンと思うようになったのだった

 

 


 

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