類「牧野!」
つくし「!!!」
類はすぐにつくしに追いつくことができた
病院の玄関の前で、つくしがバスを待っていたからだ
類「送るよ」
つくし「い、いいよ」
類「俺、車で来てるし」
つくし「…………お願いします」
類「うん」
つくしが素直に頼ってきてくれて、満足そうに微笑む類
つくし「……ごめんね、ありがとう」
類「別にこれくらい。それに俺の助手席は、もう牧野しか乗せないって思ってるし」
つくし「え?」
つくしの問いに答えることはなく、類は牧野へ助手席のドアを開ける
つくし「あ、ありがとう」
そのあと、類は笑顔で運転席へと乗り込んだ
白くて大きな車が走り出す
つくし「で、でも花沢類が運転だなんてびっくりしちゃうよね」
二人きりの空間がまだ辛いのか、つくしは窓の外を見ながらいつも以上におしゃべりになった
類「そう?好きな時に一人でどこでも出かけたいからさ」
つくし「お、おうちの人、反対したんんじゃない??」
類「ううん、意外とすんなり免許とらせてもらえたよ」
つくし「へええ…おぼっちゃんなのにね」
類「運転できるのは、大事だしね」
つくし「そ、それもそっか」
そしてまた、無言の時間が流れる
・
・
・
つくし「ふう…」
つくしのため息が聞こえ、類は少し笑いながら声をかけた
類「もしかして、緊張してる?」
つくし「う、ううん」
類「そっか…緊張してたら、嬉しかったんだけどな」
つくし「え?!」
類の言葉に驚くつくし、だが笑いながら類は続けてこう言った
類「だって、俺に緊張してくれてるってことでしょ?意識してくれてるんでしょ?」
つくし「そっ!!!そんなこと…あるけど…」
つくしの語尾がだんだんと小さくなっていく
類「……少し寄り道していい?」
つくし「え、どこに?!」
類「時間あるなら、温泉でも行かない?」
つくし「おおおおお温泉?!!時間はあるけど…」
類「じゃあ、決まりね!」
つくし「ええええええちょっ…」
類「……司のことでいろいろあったんだし、たまにはゆっくりリフレッシュしてもいいと思うけど?」
つくし「でも…」
類「もしかして、さっきのこと気にしてるの?」
つくし「………」
類はつくしの少し赤い顔を見て、ものすごく嬉しそうに笑った
類「じゃあ、なおさら。一緒に行こうよ。牧野、司のことで傷ついて、やつれて、青白い顔してて、見てて心配だからさ」
つくし「……花沢類………」
類の優しい言葉に、つくしは絆されてしまう
類「大丈夫、もう牧野が怖がるようなことはしないよ」
つくし「………ありがとう、花沢類」
そうしてつくしの説得に成功した類は車を箱根に向かわせるのだった
今日も読んでくださってありがとうございます(*´ω`*)
拍手とメッセージもありがとうございます!( *´艸`)