ついたホテルの外観を見て呆然と立ち尽くすつくし
つくし「・・・綺麗~・・・高そう・・・」
呆然と上を見上げたままのつくしを横目に、総二郎はコンシェルジュに何かを頼んでいた
総二郎「牧野、こっち」
つくし「う、うん」
長く広い廊下、高い天井にシャンデリア、シックな色合いの壁と色。素敵なホテルにつくしの口は開きっぱなしだった
つくし「まるで外国みたい・・・って行ったことないけど・・・」
つくしはきょろきょろとあたりを見回している
総二郎とエレベーターに乗り込んだ
つくし「あの・・・西門さん?」
総二郎「ん?」
つくし「ここまで来てなんだけど、やっぱり西門さんに悪いし。。。このくらいの風邪なんともないし・・・家に帰・・・」
つくしの言葉を遮る総二郎が
総二郎「ここ、最上階がSPAなんだよね。加えて備え付のお風呂からは東京の夜景を見ながら入れる。興味ない?」
つくし「・・・・お風呂・・・入ってみたいです」
総二郎「正直でよろしい」
総二郎はつくしのおでこをツンと指でつついた
つくし「西門さん、ありがとう」
総二郎「牧野は俺たちF4にとって、大事な仲間だからな」
総二郎はそうやって笑った
普段の総二郎なら、こんなことをしないだろう
やけにもやもやとした心臓と感情が無意識に、牧野つくしを帰したくないと願った結果、総二郎を意外な行動へと導いていた
総二郎の心の声(・・・・・いきおいで連れてきちゃったけど、司の大事な女だから、それだけだよな)
総二郎はまだ、自分の本当の感情に気づいていなかった
ポーンという音とともにエレベーターの扉が開く。つくしと総二郎は部屋へとついた。コンシェルジュにはついてこなくてもいいとあらかじめ、総二郎は伝えていたため、つくしと総二郎はずっと二人きりの状態だ
つくし「うっっわ~~!!!!すごい!!!!!綺麗!!!!!!!東京の夜景がまるでお祭りの時みたい!!」
総二郎がつくしの言葉に笑う
総二郎「そこは宝石みたい~とか言うところなんじゃない?」
つくし「あ、そっか・・・っと、あれ?」
総二郎「おい!牧野!」
つくし「あれれれ??」
総二郎「っと・・・危ないな、早くベットに横に・・・なれないか、じゃあ」
つくし「に!!にしかど!!さん!!!」
総二郎「何?」
つくし「歩ける!歩けるから!!」
総二郎「今牧野、めまいしてるんだから、だ~め」
つくし「うう・・・・」
総二郎は軽いめまいをおこしたつくしをお姫様抱っこでベットへと運んだ
つくし「西門さん・・・ありがとう」
総二郎「・・・気にすんな」
総二郎が優しく笑う、その時ドアベルが鳴った
総二郎が部屋の玄関へと向かう
つくし「??」
少したったあと、総二郎がつくしの服やら食べ物やらたくさん持ってきた
つくし「それ・・・」
総二郎「コンシェルジュに用意させた、お粥、食べれる?」
つくし「!!!!」
つくしがコクコクと激しくうなづく
つくし「うう・・・」
総二郎「そんなに頭動かすとめまいするだろ。ほら先に熱も測って」
総二郎はそう言うと体温計を渡した
つくし「・・・このくらい大したことないのに」
体温計が鳴る、つくしは37.8℃だった
総二郎「少し高いな。病院行った方が・・・」
つくしは全力で首を横に振った、お粥を口に運びながらつくしは強い口調でこう言った
つくし「37.8なんて熱のうちに入らないから!これ寝てれば治るし、バイト代入るのまだ先だし」
総二郎「・・・どうせ寝不足だったんだろ?少し寝ておけ、熱あがったら病院だからな。まあ今は様子みてみるか」
つくし「あ、私、市販薬持ってるから、それ飲みます」
総二郎「準備いいな」
つくし「そりゃあ、貧乏人はいつでも準備しておかないと・・・何があるかわからないから」
ちょっと得意気なつくしに総二郎は笑う
総二郎「いつも何があるかわからないってやばいだろ」
そう言って西門が笑う、つくしも笑い、二人はクスクスと笑いあった
つくし「でもありがとう、西門さん・・・私今日はちょっと一人でいたくなかったの・・・」
総二郎「・・・何かあったのか?」
つくし「う・・・ん・・・ちょっと・・・ね」
寝不足もあった状態で、お粥で身体があたたまったおかげで、つくしはそのまま一瞬で深い眠りに落ちていった
西門は寝落ちたつくしの寝顔をしばらく見つめていた
総二郎「・・・牧野、少し痩せたか?顔色も、悪いな。あ~あ~目の下にクマがこんなに・・・」
総二郎はつくしの頬を優しく撫でる
総二郎「・・・・俺はなんで触ってるんだ」
その事にハッと気づき、総二郎がつくしから手を離そうとした、その瞬間つくしが総二郎の手と腕に絡みつくようにしがみついてきた
総二郎「お、おい牧野」
つくし「・・・なんで、そんなこと言うの・・・どうみょう・・・じ・・」
つくしは寝ぼけているようだった、そしてそのままがっちりと総二郎の腕を離してくれない
総二郎「・・・・まいったな・・・」
身動きができなくなった総二郎、ふとつくしの寝顔をもう一度見ると
つくしの目からは涙がぽろぽろぽろぽろ流れ落ちていた
総二郎「・・・・夢の中ですら、司に傷つけられているのかよ・・・」
総二郎は無意識に衝動的に身体が動いてしまった
そのまま寝ているつくしのまぶたにキスをした
☆☆☆
続く