つくしの心臓がドクンドクンとやけにうるさい

 

つくしと同じく総二郎の心臓の音もいつもより早く鳴っていた

 

つくし「・・・話って?」

 

この空気に耐えれず、先につくしから切り出した

 

総二郎「・・・・司と何か・・・あったのか?」

 

もともと低い総二郎の声、だがそれよりもさらに低く甘い低音でそうつくしに聞いてきた

 

つくし「・・・・なんで?」

 

つくしが少し震えたような声でこたえた

 

総二郎「寝ながら、泣いてたから」

 

頭の後ろから、総二郎の甘い低音の声が響く

 

その艶のある声につくしの鼓動が否応なしに更に早くなっていた

 

少しの沈黙の後、つくしは、総二郎に話し始めた

 

つくし「・・・・・西門さんには、敵わないや」

 

つくしはそう諦めたようにつぶやきため息をついた

 

総二郎のつくしを抱きしめる腕に力が入る

 

つくしは総二郎から胸元の前にまわされた腕を手で掴み、ぽつりぽつりと話し始めた

 

つくし「昨日の夜さ、何度かけても繋がらない道明寺の携帯、やっと繋がったんだ」

 

総二郎「え」

 

総二郎はつくしの言葉に驚いた

 

それもそのはず、NYに旅立った司は、ある日を境に司からのつくしへの連絡が途絶え、つくしが司に電話をかけてもまったく繋がらなくなっていたからだ

 

つくし「最初の頃はさ、何かあったのかって心配だったんだ」

 

総二郎は驚いてはいたがつくしの言葉を遮る事はせず黙って聞いていた

 

つくし「でも違った、昨日繋がったとき・・・一番最初に聞こえたのが何かにぶつかったような大きな音だったんだ・・・それで私は道明寺に何かあったのかと思って叫んじゃった」

 

つくしはそう言って力なく笑った

 

総二郎はつくしを抱きしめたまま、いまだ無言のまま聞いている

 

つくし「がしゃーーん!!みたいな音がしたあと、私が道明寺ー!何があったのー?!って叫んでも、何もこたえてもらえなくて・・・それでも電話は繋がってるし、私はそのまま切らずに聞いてたんだ。そうしたら・・・道明寺の声が聞こえてきて・・・」

 

つくしが少し辛そうな声になった

 

それに気づいた総二郎は、つくしを更に自分のほうへと引き寄せ完全にお互いの身体がぴったりとくっつく形になった

 

つくし「・・・」

 

つくしはびっくりして身をよじって抜け出そうとしたが、総二郎がかたくなに離さない為、つくしはそのまま恥ずかしそうにうつむき加減でその体勢を受け入れた、そしてまた話を続ける

 

つくし「・・・それでそのあと道明寺の声で[なんでまだ電話してくんだよ、いい加減諦めろ、庶民の女が・・・]そう言ってて・・・その後また凄い大きな何か壊れるような音が聞こえたの、それで気づいたんだ、これはきっと携帯を投げてるんだなって、投げたときに衝動で通話になっちゃったの、道明寺は気づいてないんだろうなって・・・」

 

総二郎「・・・・・・」

 

慰めの言葉が何もでてこない、総二郎はそう思った。なぜなら司はそういうことをしてしまう奴だ。つくしに教えてもらったことで、司が携帯を投げ、暴言を吐く姿は容易に想像することができた

 

つくし「・・・道明寺と付き合うことになって、いつかこうなるんじゃないかって思ってた。でもそのたびに、道明寺を信じよう、信じなきゃって・・・でももう、NYに行った道明寺は私のことなんか、なかった存在にしたいんだって・・・わかったの」

 

総二郎「・・・・・」

 

総二郎のつくしを抱きしめてる腕に、温かいものが落ちてくる。それはつくしの涙だった

 

総二郎「・・・・・牧野」

 

総二郎が甘い低音のまま、真剣な声色でそう名前を呼んだ

 

つくし「・・・ご、ごめん、こんなこと言われても困る・・・よね・・・」

 

つくしはそう言って泣き止もうと頑張るが、熱のせいもあるのか、涙は一向に止まる気配がない

 

つくし「ご・・・ごめんなさ・・・・」

 

つくしがしゃくりあげながら、総二郎に何度も謝る

 

その声にたまらなくなった総二郎は、抱き寄せてたつくしをそのまま押し倒してしまった

 

つくし「にしかど・・・さん」

 

総二郎が急に動き押し倒してきたことで、つくしは総二郎に見下ろされる形になっている

 

その状況にびっくりしたつくしだが

 

泣いている顔を見られたくないのか、手で顔を隠すのに必死で、まだつくしはこの状況を本当には理解できていないようだった

 

手で顔を隠しているが、手の横から涙があとからあとから流れ落ちていた

 

つくし「好きにならなきゃ・・・よかった」

 

つくしのその言葉に、総二郎の全身が再びカッと熱を帯びた

 

西門「・・・牧野」

 

総二郎は甘い低音の声色で、つくしの事を呼びながら、つくしの顔の前にある手や腕に唇を這わせはじめた

 

つくし「ひゃっ!」

 

突然のことに、顔を隠していた手が開く

 

総二郎のほうを見あげたつくしは、総二郎の真剣な瞳に心臓が大きく脈を打った

 

一瞬、時がとまったような感覚になるつくし

 

そして、総二郎の瞳が動いた、つくしの動いた手を総二郎が包むように掴み、目を閉じてまた手にキスをした

 

そして手を握られたままゆっくりとまぶたを開いて、つくしのほうを真剣に見つめてきた

 

つくし「西門・・・さん」

 

総二郎「ここの手首の傷、手当てするの忘れてた、ごめんね」

 

そう言うと、総二郎は今度は手首の傷口にキスをしてくる

 

つくし「痛っ・・・」

 

もう血はとまっていたが、手首から肘のほうに細くて長い切り傷ができていた。

 

でもそんな痛みより、見つめられながら手首にキスをされ西門の唇の感触がダイレクトに伝わったことで、つくしの顔が一気に真っ赤になってしまう

 

総二郎「キスで、傷が癒せたらいいのに・・・・牧野の心の傷も・・・・」

 

つくし「え・・・・ちょっ・・・西門さん・・・!」

 

つくしの止める声など聞こえないといったように、総二郎はつくしにキスの雨を降らせていくのだった

 

☆☆☆

 

続く

 

短編のつもりが少し長くなってます。申し訳ありません。
もう少しお付き合いくださると嬉しいです

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