手や腕、髪の毛やおでこ、西門はつくしのいたるところにキスをした
つくし「ちょっちょっと・・・・ストーーーップ!!!」
それに耐えられなくなったつくしが身を丸めて逃げ出そうと、じたばたとしている
だけど総二郎が掴んでいる腕はビクともしなかった
総二郎「牧野・・・俺は・・・あいつらが一人の女にどうしてそんなに真剣になれるんだろうって思ってたんだ」
総二郎が言うあいつらとはもちろん、司と類のことだ
つくし「・・・・」
その言葉につくしの動きが止まる
総二郎「でも気づいた、いや、とっくに気づいてたのかもしれないけど、気づかないフリをしてたんだ、俺は」
つくし「西門・・・さん?」
つくしはいつもと違う真剣な表情で話す総二郎を見て、心臓がドクンとは跳ね上がる
総二郎「牧野、お前といると、凄い楽なんだ。親や周りに与えてもらえなかった大事な何かを与えてもらってる気がする」
総二郎はそう言って、自分の胸につくしの手をあてさせた
つくし「・・・・」
総二郎「わかる?女に慣れてるこの俺が、これだけ心臓が暴れてる。そうさせてるのは牧野、お前だよ」
つくし「っ・・・・!」
つくしの顔はもうゆでだこ状態だった。総二郎の真剣な表情、真剣なまなざし、自分の手からは総二郎の早鐘が鳴り響き手を震わせる
その上、総二郎の聞いた事がないような甘い低音のささやき声、つくしはもう、限界だった
つくし「うう・・・・」
その場に、まるで頭から煙でもでてしまったかのようにつくしは倒れこんでしまった
総二郎「牧野!!おい、牧野・・・!」
遠くで総二郎の声が響く・・・そう、つくしはそのまま気を失ってしまった
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しばらくたって、気を失ったつくしが目を覚ますと、近くにまた総二郎の顔があった
驚いて起き上がろうとしたつくしだったが、どうやら総二郎は寝ているようだった
少し落ち着きを取り戻したつくしは、周りをゆっくりと寝ながら見渡した
つくし「おでこ、冷たい」
あることに気づき、つくしが自分のおでこを触ると、冷えタオルがのせられている
つくし「・・・・」
つくしの上には布団が丁寧にかけられ、総二郎がホテルの人に頼んだのであろう、加湿器までセットされていた
つくし「・・・・結構寝たと思うのに、まだ真夜中なんだ・・・というかここ、夜景が凄い綺麗・・・」
つくしは少し起き上がり、窓の景色をベットから眺める、まだ少し、つくしは眠気が残っているようで動きがゆっくりとしていた
つくしは夜景をぼーーっと見つめた後、また総二郎のほうに視線を戻した
つくし「・・・西門さん・・・」
つくしは自分もまた、横になった。そして、自ら西門の顔の近くへとにじり寄る
つくし「西門さんみたいな人が、私に・・・・」
だんだんと目が覚めてきたつくしは、先ほどの事を思い出し、つくしの顔が、また真っ赤に染まっていった
つくし「ああ、駄目だ・・・道明寺のこともあるし、西門さんのことも・・・・でも私・・・西門さんのこと・・・嫌いじゃないから・・・だから・・・」
つくしは色々と思い出し、混乱をしていた
でもしっかりしなきゃと、首を横にふる
つくし「・・・私もね・・・・道明寺から連絡がなくなってから、時々西門さんに言われた言葉・・・思い出してたんだ」
そしてつくしは、何かを決意したかのように、寝ている総二郎に語りかけ始めた
総二郎は、それに気づかず、静かに寝息をたてていた
☆☆☆
続く