総二郎の寝ている顔を見つめながら、つくしは語りかけはじめた

 

つくし「西門さん、私に〔人生は一期一会だぞ〕って教えてくれたよね。人と人との出会いは・・・一度限りで大切なものってこと・・・西門さんのその言葉、何度も何度も思い出してた。私すごい今後悔してるんだ。道明寺がNYに行く前に、会っている時に、もっともっと話せばよかったって、会いに行けばよかったって。なんでまた会えるなんてのを信じちゃったんだろう、あいつとの出会いをもっと大事にしなかったんだろう・・・道明寺とこんな風に終わるなんて・・・終わってから気づくなんて・・・」

 

つくしの目からまた一筋の涙が流れ落ちていた

 

すると、総二郎のまぶたが閉じたまま、総二郎がつくしの言葉に返事をかえしてきた

 

総二郎「そう、それが本当の一期一会だ、牧野」

 

つくし「西門さん・・・!おきてたの?」

 

総二郎のまぶたがゆっくりと開く

 

総二郎「起きてたよ、それで?身体は・・・辛くない?」

 

総二郎の右手がゆっくりとつくしの頬を撫でる

 

つくしは総二郎に頬を撫でられ、ビクッと撫でられた頬を震わせたが、今度は逃げるようなことはしなかった

 

それは総二郎の声が、凄い優しい声色だったからかもしれない

 

総二郎「・・・・一期一会は、人との出会いは一度限りの大切なものって事でもあるんだけど、例えば茶会を開いたとする、同じメンバーで何度も茶会を開くと、全部同じ茶会だと思うだろ?でもそうじゃないんだ、たとえ同じメンバーでもその時の茶会は二度と開けないんだ。その後何度も茶会を開いたとしても、そのたびにその〔茶会〕は人生で一度きり、相手に対して誠心誠意尽くさなければならない。茶道の教えで一番最初に俺が習ったことだよ。俺はこの意味を最初はわかってなかった。でも今はすごい、わかるんだ」

 

つくしに総二郎の言葉が刺さる

 

つくし「私も、またあいつと会えるんだなんて思わずに、あの日、ちゃんともっと、大事にしとけばよかった・・・もっともっと・・・あいつと会えている日を大事にすればよかった・・・・・」

 

つくしはまた泣いてしまいそうな顔で、そう言った

 

総二郎「牧野、気づいてる?俺にとっての今、牧野と一緒にいる今のこの状況も、一期一会だってこと」

 

途端に、つくしの表情がハッと何かに気づいた

 

つくし「そうだよ・・・ね。西門さんともまた会えるって思ってるけど・・・その〔また〕がないかもしれないんだ」

 

つくしの背筋にひやりとしたものが走った

 

総二郎とも、もう会えないと考えただけで、全身が冷たくなっていき恐怖を感じた

 

総二郎「・・・・なあ、牧野。俺との出会いも、大事にしてくれないか?・・・考えてみてくれないか?・・・」

 

総二郎が、つくしの髪をもてあそぶように触れている

 

つくし「・・・西門さんのこと、嫌いなんてことは絶対ないよ」

 

つくしの言葉に総二郎がうなづく

 

総二郎「知ってる、わかりやすいもんな、牧野」

 

総二郎はそういって優しく笑う

 

つくし「・・・西門さんは、遊び人に思えるけど、一番純粋な人だよね。いつも背中を押してくれて・・・そんな西門さんがなんで私なんかって・・・」

 

つくしの言葉に少し強めの口調で遮る総二郎

 

総二郎「その言葉は駄目だよ。私なんかじゃなくて私だってを使おうよ。私だって可愛いとこがあるって、私だって西門さんに好かれる素敵な女の子だって言うようにしなよ。そのほうが絶対女の子を可愛くすると思わない?」

 

総二郎の言葉につくしは困ったように笑った

 

総二郎にはかなわないと悟ったつくしは、意を決して先ほどの事を、聞いてみた

 

つくし「さっきのキスも・・・・西門さんなら女の人を慰めるときにみんなにやってるんだって思ってた」

 

総二郎がつくしのその言葉にガバッといきおいよく起き上がり、つくしに覆いかぶさるように体勢をかえた

 

総二郎「・・・本当にそう思ってるの?俺の気持ち、わからない?わからないなら、もう一回教えてあげようか」

 

総二郎が意地悪な顔で笑った

 

つくしも慌てて起き上がり総二郎の腕の中から逃れようと、枕の上のほうへと逃げ出した

 

つくし「いや!ごめんなさい!わかります、伝わりました!!でも・・・・私はまだ道明寺のことが・・・忘れられない・・・・」

 

総二郎はつくしを押さえつけてはいなかったため、つくしは逃げるのに成功した

 

そしてそのあと真っ赤な顔したつくしが辛そうな涙交じりの声で、総二郎にこう告げたのだった

 

総二郎「・・・・・」

 

その言葉を聞いた総二郎が真剣な表情で無言のままつくしのほうを見つめていた

 

つくし「・・・・西門さん・・・?」

 

沈黙が気になり、下を向いて手で顔の前を隠していたいたつくしが、総二郎のほうを見上げてみる

 

総二郎はつくしに視線を合わせながら、つくしの手を優しく掴み持ち上げて、つくしの手の甲へとキスをした

 

つくし「っ・・・・」

 

キスされた手の甲から、総二郎の熱が伝わってくる

 

総二郎「そんなの、わかりきってることだよ。それでもいいんだ。司を想ったままでいいから、牧野、お前が泣く時は俺にそばにいさせてくれ。俺がいつかそれを、笑顔に変えてやるから」

 

つくし「西門さん・・・・・」

 

総二郎の優しい言葉に、つくしは断る台詞がみつからない

 

総二郎「いつか、司を好きになったのは、俺に出会うためだったんだってお前に言わせるくらいには、幸せにしてやれる自信がある」

 

総二郎は、そのままつくしを包むように抱きしめた

 

総二郎の鼓動が伝わる、優しい熱が、つくしを包んだ

 

つくし「西門さん・・・・」

 

総二郎の優しさが、つくしの傷を癒すように包んでくれているのを、つくし自身もすごく感じていた

 

でもつくしは総二郎の優しさを利用するようでこう答えてしまう

 

つくし「大事な大事な西門さんに。。。そんなこと。。。できないよ」

 

精一杯の断りの台詞。でも総二郎には通じなかった

 

総二郎「大事なのは、俺も一緒だよ。牧野、お前が大事なんだ。俺がそばにいてもいい?」

 

総二郎が、つくしの顔をのぞきこむように、そう聞いてきた

 

つくしはまた静かに涙を流しはじめる、今度は否定の言葉は言わなかった

 

その意味を理解した総二郎は

 

総二郎「・・・・ありがとう」

 

そうつぶやきながら、涙に濡れているつくしの唇に、優しく気遣うようなキスをした

 

☆☆☆

 

続く

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