道明寺司、花沢類、西門総二郎、美作あきら
この4人と仲良くなったのは、あたしにとって人生で一番ありえない事件だった
F4と呼ばれる彼らは、この英徳学園を牛耳っていて、日本で知らない人はいない大財閥のジュニアたち
あたしもこの4人を実際みるまでは、オーラっていうのを馬鹿にしてた
でも、この4人を見たあの日、オーラがある人物ってこういう人たちの事を言うんだって実感した
人を近づけない、近寄れない、普通の人たちとは全然違う
それが、F4
え?あたしは誰かって?
あたしの名前は牧野つくし、こんな人たちに関わることなどないはずの一般庶民……ちょっと貧乏だけど…
なんでこんな風に思い出にふけっているかというと……
司「おい牧野、お前なんでそんな隅っこで一人で飯食ってるんだよ」
つくし「え?」
あきら「牧野、こっちおいでよ」
西門「お菓子もあるよ」
類「ん」
類が牧野においでおいでと手招きをしている
西門やあきらはつくしに近寄り、司にいたってはつくしの腕を掴んで引っ張っていた
つくし「だ、大丈夫!!あたしは全然ここでいいから!!!お、お願いだからかまわないで!!!」
司「あ”??何いってんだよ?」
つくしが遠慮してしまうのも無理はない
今つくし達がいる場所は、道明寺家主催のダンスパーティの会場だ
英徳学園の生徒達も呼ばれ、この日は道明寺家の会長はいなかったが、パーティ会場を埋め尽くすくらいの人数が集まっている
そんな中、いわば主役の人たち、あのF4にかまわれているつくしは、英徳学園の生徒達からの睨む視線で針のむしろのような状況だった
つくし「あたしは食べてる方がいいから…」
司「なにいってんだよ、ダンスパーティだぞ?!!」
つくし「あ、あたし踊れないし…?」
あきら「なんだ、牧野踊れないの?」
西門「まあ、どうみても踊れそうにないだろ」
類「…」
司「お前ダンスも踊れねえのかよ…」
つくしの囲んでF4がワイワイと雑談をしている
そんな状況に耐えれなくなったつくしは、なんとかこの場から逃げ出したくて仕方がなかった
つくし「あ…あの…」
類「あ」
つくしが何かを言いかけた時、類が話を遮るように言葉を発した
司「なんだよ類」
あきら「突然どうした?」
西門「類らしくねえ声だして」
類の方を3人が一斉に振り向く
類「思い出した。俺、ここの庭の桜見たかったんだよね。牧野、案内してくれる?」
類の言葉に悪態をつく司「
司「あ”??桜??んなもん見るより…」
司が類に言い返そうとしたとき、つくしはそれをいきおいよく遮って嬉しそうに類へと返事をした
つくし「行く!!案内します!!!」
類「ありがと」
司「お、おい!!お前ら」
2人を止めようとしたとき、ある生徒達が司へと話しかけた
女生徒1「道明寺様~~~わたくしの今日のドレス…どうですか??」
女生徒2「春だし、桜色にしてみたんですけど~~」
女生徒3「あれ?道明寺様は??」
女生徒たちが話しかけた先にはもうすでに道明寺の姿はなかった
もちろん、西門とあきらも別の場所へと移動していた
女生徒「もう!!なんなのよ!!!」
女生徒の叫び声を気にすることもなく、司とあきらと西門は談笑を続けている
司「あいつら庭なんてみてどうすんだよ」
司の言葉に西門がフォローを入れる
西門「まぁまぁ、類もこういう場は苦手だから、少し静かなところに行きたいんでしょ」
司「だったら類一人で行けばいいだろ?!なんで牧野を…」
司がこういいかけた時、ニヤニヤ顔であきらが司をからかいはじめた
あきら「お?なんだ司、もしかしてお前まだ牧野の事…」
あきらの言葉に慌てて否定する司
司「んっんなわけね~~~だろ!!!くそっ!!なんか喉渇いたな…う、ウェイターどこだ?!」
あきら「おい!司」
西門「あきら、あんまからかうなよ」
あきら「すまん」
あきらと西門はやれやれと言った感じに笑いあう
司は、焦った顔でその場を離れてしまった
そんなことになってるとは知らず、庭の方ではつくしと類、二人きりで桜の木の下で過ごしていた
つくし「あ、あの…花沢類…ありがと」
類「…何が?」
つくし「え…あの、だってさっき助けてくれたでしょ」
類「ああ……そんなこと」
つくし「そ!そんなことじゃないよ!!あたし凄い助かったから…」
類「…」
つくし「ありがとう」
つくしは類へと深々とお辞儀をした
実は、花沢類は、牧野つくしが大変な時に、必ず助けてくれた人で、つくしの片思いの相手でもあった
でも、花沢類には思う人がいて、類とその人は一度はうまくいき日本を離れその相手と海外へといたが、別れることになって日本に戻ってきたところだ
つくしはその期間に、類への片思いを諦め、色々なことがあり、司といい関係になりかけているところだった
だが、類が思い人と別れ、つくし達の前に戻ってきたとき、諦めたはずの類への恋心がまだ自分の心の奥底に残っていることにつくしは気づいてしまっている
そんな状況の中での、道明寺家主催のダンスパーティだったのだ
つくしと類の二人の間に微妙な空気が流れる
すると突然類がつくしの方を見ながら、顔を近づけてきた
つくし「え?な、なに?」
類「牧野…花びらついてる」
つくし「え?」
確かにつくしの横側の髪の毛に桜の花びらがついていた
繊細な手つきで類がその花びらをとる
つくし「あ、ありがとう」
類「どういたしまして」
にこっとした優しい笑顔の類に、つくしは自分の心臓がはねたのを感じたのだった
読んでくださってありがとうございます!!
類とつくしの新物語スタートです!!
よろしくお願いいたします!!!(*´ω`)