つくし「花沢類が…殴ったの…?」
家に帰ったあとも、織部順平の言葉が頭から離れないつくしは色んな類を思い出してみるが、あの温厚な類がそんな風になることは想像がつかなかった
つくし「お礼したいけど…」
つくしは自分の携帯を持ち、花沢類へと連絡しようか悩んでいた
そんな時、つくしの母が部屋へと飛び込んできた
母「つくし!!!道明寺家から!!!招待状が届いたよ!!」
つくし「ええ?!!」
あまりにも突然な招待状
それは道明寺司帰国記念パーティのお知らせだった
つくし「なんか…裏がありそうなんだけど…」
招待状にはしっかりと司の母親、楓の名前が記載されている
母「こんなこともあろうかと!!!ママつくしの為に素敵な服を買ってきてるのよ!!」
つくし「ええ?!!」
その服は、黒を基調としたパーティドレス、高校生に着やすいようなデザインだった
つくし「ママ…」
母「つくしーほら、いつまでも携帯画面のにらめっこしてないで!話したいことがあるならちゃ~んと目の前で会話したほうがいいのよ」
母の言葉にドキッとするつくし
母は司とのことを意味しているようだったが、つくしにとっては今は類とのへの意味にも捉えられるのだった
つくし「うん、確かにこのまま部屋で悩んでても仕方ないし…行ってくる」
母「!!!」
母はとても嬉しそうな表情を浮かべた
何も話してくれない娘だったが、母も長年、女として生きている。つくしが今どんなことで悩んでいるかは憶測でもなんとなく理解しているのだった。
そしてパーティ当日
つくしの心臓は早鐘のようだった
久々に司にも会えるが、今日は類にも色々と話があるのだ
つくし「…でもしっかりと道明寺と話し合ってみなくちゃ」
そう意気込み、会場へと入った瞬間、つくしの姿をみつけた三人がすぐに声をかけてきた
西門「牧野!」
あきら「お前、なんでこんなところに」
類「もしかして…招待されたの?」
つくし「う、うん」
明らかに他の招待客より安いドレスを着ているつくしに、あの三人が話しかけた
他の招待客はつくしへと好奇の視線がいってしまう
類「招待されたってことは…」
西門「まさか…司のかあちゃんがやっと認めた?いや…」
あきら「わかんねえぞ、あの女の考えてることは」
つくし「ははは…」
つくしが力なく笑う
類へと話を切り出そうとしたその時、スポットライトが壇上をうつしだし、音楽がなりはじめた
西門「きたよ、女狐」
あきら「今日も一段と妖艶な姿で…」
もちろん、スポットライトの当たる先は道明寺楓、司の母親だ
楓「本日はお集りいただき、誠にありがとうございます!今日は我が息子、司の帰国パーティです。そして…プライベートなことですが、今日はここで司の婚約者の発表も行おうと思っていますのよ」
会場が一気にざわつきはじめた
ステージ裏で待機していた司が母親の言葉に思わずステージの方へと駆け寄っている姿が見える
類「あらら…」
西門「婚約者だ?どういうことだよ」
あきら「あれ?そういや牧野、司の母ちゃんからの招待状だよな?」
西門「まさか…?」
つくし「いやいやいやいや!!」
類「…」
類の冷たい視線がステージへと向けられた
三人の言葉が他の客にも聞こえていたのだろう
自然とつくしへと周囲への視線が集まる
そして音楽とともに、スポットライトが会場を照らし始めた
楓「婚約者は…」
つくし「!!」
一瞬、つくしの真上に光が当たった
司「!!」
そのせいで、司はつくしの存在をしっかりと認識した
楓「大河原財閥の一人娘、大河原滋さんです」
滋「!!!?」
そしてスポットライトに映し出されたのは、つくしではなく、元気で勝気な雰囲気が見るからに伝わる滋という可愛い女性の姿だった
つくし「…」
つくしの心臓に痛みが走る
類「…」
つくしの気持ちが痛い程わかる類は、つくしのことをしっかりと見つめ、見守っているのだった
ドラマとは異なるように書いています
実際のドラマとはまったく関係がありません、二次創作ですので、ご理解くだされば嬉しいです
今日も読んでくださってありがとうございます!