雨の中道明寺のお屋敷へと向かうつくし

 

つくし「……勢いに任せてきちゃったけど、どうしよう」

 

あまりにも広すぎる門と塀が続く

 

つくしはその門の前で立ち往生するしかなかった

 

つくし「一度、きちんと道明寺と話したい…」

 

つくしは司から渡されていた専用携帯を取り出す

 

つくし「…」

 

電話をかけようかどうしようか悩んでいた時、黒のベンツが屋敷から出てきてつくしの隣を通る

 

つくし「!!」

 

もしかしてあの車に乗っているのは道明寺なのでは、そう思い思わず車を目で追うつくし

 

滋「もしかして…パーティーですっごい演奏したつこしちゃん?」

 

つくし「へ?」

 

滋「やっぱり!!!つこしちゃんじゃん!!!どうしたの?こんな雨の中…もしかして司に会いに来たの?」

 

その車に乗っていたのは、司の婚約者としてパーティーで紹介されていた大河原滋だった

 

つくしの姿に気づき、車の窓を開けて話しかける

 

滋「ねね、とりあえず車の中に入りなよ!!わたし…あなたのことすっごく気に入っちゃったんだ!!!」

 

滋はそう言うと雨の中扉を全開にしてつくしを手招きする

 

つくし「いや、そんなわけには…こんなにあたしびしょ濡れだし…」

 

つくしが慌てて拒否しようとするが、滋のいきおいに圧倒されてしまう

 

滋「ねね!!いいでしょ?!つこしちゃん!!」

 

つくし「あ、あの、とりあえずあたしの名前!つくしです!牧野つくしです!!」

 

つくしは滋のいきおいに負け、結局車へと乗り込んでしまった

 

滋「それにしても…びっしょびしょだね!こんなんで道明寺家に戻ったら…女の子だし嫌か…う~~ん……あっそうだ!!服でも買いに行こうか!!」

 

つくし「いや、あの、だからあたしは、道明寺に会いに…」

 

そこまで話しつくしはハッと気づく

 

滋「司に?会いに?やっぱり二人は仲良しだったの?」

 

滋はつくしの言葉に目を輝かせながら質問攻めにしてくる

 

つくし「あの…なんていうか…その」

 

司の婚約者として発表された滋に対し、今のつくしの立場をどう説明したらいいかもわからず、つくしは言葉を続けられない

 

だがそんな空気すら察することはない滋のほうは、暴走してしまうのだった

 

滋「司の話も聞きたいし、ねね、やっぱり一緒にお出かけしようよ!!っていってももう夜か…う~~ん…あっ!!あそこがあるか!!ねね、あそこに向かって!!」

 

つくしの言葉を待たずに滋は運転手に指示を出してしまった

 

つくし「……」

 

滋の暴走につくしは苦笑いするしかなかった

 

類からの告白

 

父親のリストラ

 

道明寺に会おうと思ったやさきになぜか婚約者と今車内に一緒にいる

 

つくしの心の声(もう…ありえないっつーの)

 

つくしは心でそう叫ぶしかなかった

 

そして車は滋がよく利用するホテルへと向かった

 

そこのコンシェルジュに服の手配と軽い軽食をお願いする滋

 

つくし「…なんだかとんでもないことになっちゃった」

 

滋を止めれるものは誰もいない

 

つくしは今は滋にされるがままになるしかなかった

 

そうして、滋が見繕った服を着て、部屋のお風呂まで入ったつくし

 

終始、滋に対して感謝しっぱなしだった

 

つくし「あの、ありがとうございます」

 

滋「やだな~~そんなかしこまって!友達じゃない!」

 

つくし「と…」

 

いつ友達になったのだろうと首をかしげるつくしだったが、ここまで手厚くされているのだから拒否の言葉を出せるわけもない

 

つくし「あの、なんでこんなこと…」

 

滋が用意したワンピースを着ながらつくしは問う

 

滋「う~~ん…な~~んか司とつくし?の関係が…ぴーーんっときちゃったんだよね」

 

滋の言葉につくしの身体がビクッと反応する

 

滋「もしかして~~~……元カノだったり?あっ!ビンゴ???」

 

滋にそう聞かれ、つくしはもう笑うしかなかった

 

つくし「あはは…」

 

現在も道明寺と付き合ってるとは言えない関係であることは確かだった

 

かといって別れた記憶もない

 

つくしはどう返事していいかわからないのだ

 

滋「ま~~元カノがいて悲しいっちゃあ!悲しいけど!!でもわたしはつくしのこと…気に入っちゃったんだ!」

 

そう滋が言うや否や、つくしの手を握りぶんぶんと振り回す

 

つくし「あの…」

 

つくしは困惑するしかなかったが腕を振り払う事も出来ない

 

滋「あのね!!わたしね!顔も知らない婚約者と結婚するしかないんだな~~ってつまんない人生だって思ってたけど…司に会って、嬉しかったの!!わたしの人生、最高じゃないって!」

 

滋の言葉の意味を理解するつくし

 

つくし「それってもしかして、道明寺の事…」

 

つくしが聞き終わる前に、眼を輝かせた滋が答えた

 

滋「そう!!もうすっかり!!!司のとりこ!!!」

 

滋の言葉に、心臓に鈍い痛みが走る

 

つくし「…」

 

滋「でも、わたしはつくしとも仲良しでいたいな!司にとって大事な人っぽいし、わたしも気に入ってたし…ねえ、私たちの事、応援してくれる??」

 

にこやかにそう聞かれ、つくしは思わずうなづいてしまった

 

滋「やった!!!!嬉しい!!!!これからよろしくね!!つくし!!」

 

そうして、滋に抱きしめられてしまった

 

つくし「……よ、よろしく」

 

つくしが戸惑いつつも滋を抱きしめると、ふわっと良い香りがした

 

つくしの心の声(可愛くて、素直な人だな)

 

つくしは滋の事を抱きしめながら、そう感じてしまう

 

そして、二人の姿は部屋の大きな鏡にうつっていた

 

つくしは抱きしめあうその姿を鏡で見ながら

 

つくしの心(それに比べてわたしは)

 

あまりにも純粋でまっすぐな滋の姿に、つくしはそう感じてしまう

 

つくしの心(あたしも好きな人にまっすぐな女性でいたい)

 

けれどそんな滋の姿につくしは心を打たれてもいた

 

道明寺と話すことはできなかったが

 

つくしの中で何かの薄暗くもやもやとした司への気持ちが解決へと向かう

 

そんなような気持ちになるのだった

 


 

 

読んでくださってありがとうございます!!

 

花男で滋さんは好きなキャラです(*´Д`)

 

いさぎよくて可愛くて素敵な女性ですよね…( *´艸`)

 

 

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