類「…昨日はぐっすり寝れた?」

 

類が階段をおりつつつくしに声をかける

 

つくしは一生懸命風で乱れた前髪を整えつつ、類の顔を見れずに返事をかえした

 

つくし「う…うん…」

 

昨日は色々あったつくしだったが、そのことを類には話さないようだった

 

類「…司の婚約者、来てたね」

 

つくし「!!う、うん、会ったんだね」

 

滋ともう会ったことを聞いたとき、心臓がちくんと音を奏でた

 

類「牧野、なんであの子と一緒にいたの?」

 

つくし「え?」

 

類「俺たちが来た時、あの子と一緒に並んでこっち見てたでしょ、何か言われた?」

 

つくし「え?いや、なにも」

 

あの一瞬で類はそこまで気づいていたことに驚きつつ、つくしは言葉を濁した

 

類「牧野がなにもないっていうときは、絶対何か隠してる」

 

そう言って類がつくしの顔をのぞきこんできた

 

つくしは目を泳がせながらも必死に言い訳を重ねる

 

つくし「なにもないって…」

 

類「そう?」

 

つくし「う…うん」

 

類「ぜったいに?」

 

つくし「……」

 

類に追及されて無言になってしまうつくし、そんなつくしをみて類はくすっと笑った

 

類「わかりやすいな、牧野は」

 

つくし「っ!!!」

 

この人に隠し事などできるわけがない、つくしはそう気づき、なぜか恥ずかしくなってしまった

 

つくし「な、なんでそんなにあたしのことわかるの」

 

つくしが頬を手で隠しながら真っ赤な顔して類に問う

 

そんなつくしの問いに何も迷うことなくまっすぐと類はこたえた

 

類「好きだからだよ」

 

つくし「!!!」

 

まっすぐな類の言葉につくしは言葉がでない

 

類「忘れちゃったの?牧野が、好きだからだよ」

 

類がもう一度、ゆっくりと真剣な声で告げてきた

 

つくしの顔はさらに真っ赤に染まっていく

 

つくし「あ…あ…」

 

類「あ?」

 

つくし「…ありがとう」

 

顔を隠しながら必死にお礼を言うつくしに、類は満足そうに微笑んだ

 

そしてそのまま類の片腕が牧野を包み込む

 

つくし「あ…」

 

つくしの頭が類の胸に埋もれた、抱き寄せられ、頭を片手で撫でられている

 

類「何があったか言いたくないなら別にいいんだ、でも、やばくなる前に俺を頼って…約束」

 

つくしの頭の上から類の優しい声が響いた

 

つくしは類の体温を感じながら、こくんとうなづくのだった

 

そして、この日つくしはまた滋さんに纏われつかれつつも、放課後に新しいバイト先へと向かう、環境の変化に不安やとまどいはあったが、そんな不安も今はもうどこかに消えてしまった

 

それは類に抱きしめられたぬくもりがずっと消えず、そのぬくもりがつくしの心をずっと温め続けてくれているからだった

 

つくし「…頑張ろう」

 

そんな独り言をつぶやきながら頬を自分で叩き意欲を高めた

 

つくしは高校生の女の子には無理がある生活、昼夜休むことのない忙しい日々がはじまるのだ

 

誰にも頼ることをせず、つくしは一人で頑張る事を決めた

 

それが無謀であることを、当たり前だが誰も止めることができなかったのだった

 


 

 

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読んでくださってありがとうございます(*´ω`)

 

 

 

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