西門のバイトも無事に終わり、類はつくしを送り届けることにした

 

類「牧野、ありがと。身体大丈夫?」

 

退院したばかりではあるが、つくしの身体を何度も心配するのは類ぐらいのものだった

 

つくし「大丈夫だよ!むしろさっきお給料について聞いてすっごくびっくりした……西門さんあんなに払って大丈夫なの?って大丈夫なのか…ううん…」

 

つくしは一般人が考えるお給料の相場と違いすぎる現実に頭が追い付かなかった

 

類「それぐらい大事な仕事ってことだよ」

 

つくし「でも、あれは教わればだれでもできるというか…」

 

特に難しくない仕事、確かにそうではあるが、西門にとってお茶道具は命のように大事な物、まずその認識から話さないといけないがつくしにはまだわからないのだろう

 

類「総二郎は、あの道具とともに育ってきたようなものだから」

 

つくし「ああ、そっか、すごく大事なんだ」

 

類とつくしはそんな他愛ない事を話していた

 

信号が赤にかわる

 

類「ねえ、牧野」

 

つくし「なに?」

 

類「時間ある?寄り道していい?」

 

つくし「う、うん、大丈夫」

 

少しだけ緊張が走ったそのやり取りに、つくしは顔を赤く染めるのだった

 

車を走らせついた場所は、前にきた秋桜畑のある公園だった

 

だがいつのまにか秋桜はもう枯れていて、クリスマスの準備に早々と取り掛かろうとしていた

 

つくし「もうすっかり枯れちゃったんだね」

 

類「…」

 

ばたんと車のドアを閉め、二人は小高い丘を登った

 

つくし「……」

 

類「……」

 

つくしの手を類が握る、つくしは黙って手を握り返した

 

類「あのさ…」

 

類が先に言おうとした時、つくしが言葉を遮った

 

つくし「あの!!!」

 

類「?」

 

つくし「ま、まだ道明寺とちゃんと話せてないの!!だから、まだどういっていいのかわかんないんだけど…あの…」

 

手を繋いだまま、顔を真っ赤にさせたつくしが一生懸命伝えようとしてくれている

 

類はその表情が見れただけで、じゅうぶんに満足でもあった

 

類「うん、俺は司と話せたよ」

 

つくし「え?」

 

類の言葉にうつむいて話してたつくしの目と視線があう

 

類「司に牧野と付き合うのかって聞かれたから付き合うよって答えておいた」

 

つくし「!!」

 

類は自分はずるいなと思った、その時の司の表情や言葉を伝えることせず、自分に都合のいいように相手に解釈させるように言ってしまった

 

けれど、その事にずるいなとは思うが罪悪感は感じなかった

 

つくし「ど、道明寺はなんて…」

 

類「何も、でも婚約発表はあったよね」

 

つくし「…」

 

つくしは司の答えはそれなんだと思った

 

そう思うように類が仕向けたとも言うが

 

類「……なんてね、司、牧野と俺はまだっていって怒ってたよ、ちゃんと司と会って話しなよ」

 

つくし「!!」

 

類はやはり強くて優しい男性だった

 

さきほどのずるさはつくしをいじめただけだったのだ

 

つくし「……ちゃんと話して、別れて、そうしたら…」

 

類「え?」

 

すると、今度はつくしから意外な言葉が出てきた

 

類はつくしの言葉に心底驚く

 

つくし「そうしたら、あたしと、付き合ってください」

 

類「……牧野」

 

類はどこかで自分は振られる、そう思っていたようだったことに気づく

 

つくし「だから…今は…まだ」

 

類「うん……牧野、ありがとう」

 

先ほどより少しだけ強く二人は手を繋いだ

 

目の前の秋桜は枯れてしまったが、つくしの中にはちゃんと秋桜が咲いていたのだった

 

 


 

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