極度の緊張状態により、つくしからまったく言葉がでなくなってしまった

 

類「どうしたの?」

 

つくし「いや…」

 

助手席である一点をみつめながら一言しか返してくれないつくしの様子を最初はくすくすと笑ってみていた類だったが

 

あまりにも緊張がとけないつくしに、少しだけ心配になった

 

類「…さきにホテル前の観覧車にでも乗ろっか」

 

つくし「え?でも混んで…」

 

類「あったかいものでも飲みながら、イルミネーション見て待つのもいいと思うよ」

 

つくし「でも…」

 

類「じゃあ、良い景色でも見ますか」

 

つくし「?」

 

類の車がホテルへと到着した

 

類に連れられホテルの部屋までスムーズに案内された

 

部屋の中ということで、緊張しまくったつくしだったが、すぐにその緊張を忘れるくらいの見事な窓の景色に心を奪われる

 

つくし「え。なにここ…すっごい!!綺麗!!!!」

 

天空のホテルとも名高いここのホテルの最上階からの景色は最高で、感動するほどだった

 

つくしはしばしきゃっきゃきゃっきゃと喜んではしゃいでいる

 

そんな風にはしゃいで過ごしていると類がその間に頼んでおいたルームサービスが部屋へと届いた

 

つくし「!!!すっごい綺麗な飲み物!!!」

 

部屋に二人きりという状況が、つくしの中で緊張が限界突破したのだろう

 

やけにはしゃいで、ものすごく喋っていた

 

類はそんなつくしの様子をにこにことした表情で接している

 

こうして、一日の半分はつくしのはしゃぎと喋りで終わってしまったが、てんぱっているつくしにはそのことに気づかない

 

つくし「あ、あれ??!!もう夕方だね?!!!」

 

類「うん、そうだね」

 

つくし「ど、どうする??ご飯どこかに食べに行く??」

 

類「部屋でもいいよ?」

 

つくし「いや、でも!お昼ご飯もここで食べたし、夕ご飯はあたしがおごるから!!」

 

類「…牧野」

 

つくし「なななななななに?!」

 

類「まだ緊張してる?」

 

つくし「し、してないよ!」

 

類「嘘だよね?ずっと喋りっぱなしでこっちを全然見ない」

 

つくし「そ、そうかな~?気のせいじゃない?」

 

まるで類に追い詰められているかのように、つくしは窓際へと逃げるように身体が後ずさっていく

 

類「…そろそろリラックスしてほしいんだけど」

 

つくし「!!」

 

類の右手がつくしの頬を包み、つくしの身体がビクッと反応した

 

類「まだ二人きりは、ダメかな」

 

つくし「そんなことない!」

 

類の寂しそうな声に反射的にそう答えてしまったつくし

 

だが類はパッとつくしの頬から手を離した

 

類「うん。いじめてごめんね、牧野がこうなるんじゃないかって想像ついたから」

 

つくし「え…」

 

類の体温が頬から離れ、つくしの中に寂しさと不安な感情が押し寄せた

 

その不安を煽るかのような類の言葉に、つくしの気持ちが焦る

 

♪~~~♪

 

そんな二人の空気を壊すかのように、部屋のベルが鳴った

 

類「あ、ついたのかも」

 

つくし「え?誰が?」

 

類「総二郎とあきらだよ」

 

つくし「へ???」

 

類「今日はみんなでクリスマスパーティーだよ」

 

つくし「!!」

 

つくしは、類の言葉にほっとしたような、残念なような複雑な気持ちになった

 

おそらく類は自分のために気を遣ってそうしてくれたのだろう

 

そのことは鈍感なつくしにも気づいた

 

だが気づくと同時に、自分のことをとても不甲斐なくも感じてしまうのだった

 


 

読んでくださってありがとうございます!!

 

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