船の中はまるでホテルのようだった、つくしはあまりの綺麗さに呆然と立ち尽くしてしまい、それまでつないでいた類の手を自然と離してしまった

 

煌びやかなインテリアの数々につくしの口は開きっぱなしだ

 

つくしは船というとフェリーのようなものを想像していたために、ホテルのような部屋に案内されて更に驚いたようだった

 

つくし「なにこれ…普通にあたしの家より広いんですけど?!」

 

通された一室はつくしのアパートの部屋を全部足してもおつりがくるくらいの大きさだった

 

驚くつくしをにこにこと嬉しそうに滋は見つめている

 

類も滋の横で笑っていた

 

滋「ねえ、司がね~部屋からでてこなくなっちゃったんだ!みんなでちょ~~っとイタズラしない?」

 

つくし「へ?」

 

類「?」

 

滋はニヤニヤとした意地悪な笑顔で類とつくしに耳打ちをした

 

その後に、総二郎やあきらにも耳打ちして、みんなは司の部屋の窓が近くにある船のデッキへと集まる

 

今日の集まりは司の記憶が戻ったらいいなという集まりではあったが、普段とは違う景色や環境に少なからずみんなの気持ちは浮足立っていた

 

滋「ねーーねーーみんなーーーこっちみて!!」

 

司の部屋の窓の近くであからさまに大きな声を出す滋

 

そんな滋に合わせるように総二郎が大きな声で返事をして駆け寄った

 

総二郎「なにかあるのーー?」

 

あきら「うわ!!!すっげーーー!!!”あれ”見れるなんて奇跡じゃね?!!」

 

総二郎「うわ!!超ラッキー!!”あれ”なかなか見れる事ないんだよな~~~」

 

つくし「え、なになに?!!うわ!!ほんとうだ!!!」

 

ぎこちなくはあるが、つくしも大きな声ではしゃぎはじめた

 

類「すごいね」

 

滋「でしょ!!みんなすっごいラッキーだよ!!!一年に一回か二回くらいしか見れないんだって!!!!!」

 

総二郎「さっすが運が強い俺たちだな!!確かあれ見ると幸せになれるんだっけ」

 

滋「そうそう!!!ラッキーなことがおこりまくるんだって!!!」

 

5人がわちゃわちゃとしていると、声につられて司の部屋のドアが少しだけ開いた

 

滋「…」

 

総二郎「ははっ」

 

あきら「…」

 

滋の目くばせにより、みんな扉が開いたことに気づく

 

笑いをこらえつつも、5人は気づかないフリをして騒いでいた

 

つくし「ラッキーなことがおこるのか~~~じゃあ拝んでおこう!!」

 

あきら「牧野、お前神様じゃないんだから!」

 

あきらはつくしの行動に笑っている

 

本当はこれらのやりとりは司を誘き出すための演技だったが、あまりにも海が綺麗なため、つくしは本気で祈り始めた

 

それを察したのか類はつくしの隣で一緒に手を合わせてくれた

 

つくし「あ…」

 

類「何かお願いごともしたの?」

 

つくしの隣で手を合わせながら類が問いかける

 

類にそう聞かれた瞬間、つくしの顔が真っ赤になった

 

類「??」

 

つくし「あの…」

 

つくしの顔を見て、滋たち三人んは何かを察したようだった

 

総二郎「はっは~~ん牧野、お前類との何かを願ったろ」

 

あきら「あれか?類といつまでも一緒にいられますよ~~に~~とか?」

 

滋「つくし…可愛い!!」

 

つくし「!!!」

 

どうやら図星だったようで、つくしの赤い顔が更に色濃くなっていった

 

類「そうなの?」

 

類が嬉しそうな顔でつくしに聞いた瞬間、司の部屋のドアがいきおいよく開いた

 

司「お前ら!!!さっきから人の部屋のまえでごちゃごちゃごちゃごちゃうるせ~~~んだよ!!!!!!!!なんなんだ、やるならほかでやれ!!!あと類!!」

 

類「!!何?」

 

司「お前そいつと付き合ってるのか!趣味悪いな~~~他でいちゃいちゃしろよ!そんな女といちゃついてるの見てるだけで腹立つわ!!」

 

類「…」

 

つくし「…」

 

司が八当たりのように類へと絡みはじめたとき、遮ったのは滋だった

 

滋「そ・ん・な・こ・と・よ・り!ねえ司見てごらん!!海の方!!白いイルカだよ!!」

 

司「へ??」

 

滋は強引に司の頭を海の方へと向けた

 

すると海の向こうに白いイルカが跳ねたのが見える

 

総二郎「…海の上から白イルカを見ることができたら幸せなんだってさ」

 

あきら「あらら、冗談じゃなくマジでイルカでてきたじゃん」

 

つくし「え?!」

 

類「ほんとだ」

 

海の向こうで白イルカが数頭はねていた

 

つくし「か、かわいい…」

 

滋「司を誘き出すつもりがほんとうに出てきたね!!ねね!つくし、さっきのお願い事もっかいしなよ!!」

 

つくし「へ??」

 

類「しないの?」

 

つくし「……する!!」

 

真っ赤な顔してつくしは答えた

 

そして先ほどと同じように、つくしは海とイルカに向かってお祈りをしている

 

もちろん隣で類も手を合わせていた

 

そんな二人の姿を面白くなさそうにイライラした面持ちで見る司に滋は気づく

 

司「お前ら、見てるだけで苛つくんだよ、あっちいけよ!」

 

類「…」

 

つくし「…」

 

司が苛立ちを抑えきれずにまた絡み始めた

 

そんな司の様子に、つくし以外のみんなは気づいた

 

司は、無意識に嫉妬しているということに

 


 

昨日は更新できなくて申し訳ありませんでした

 

そして今日も読んでくださってありがとうございます!!

 

 

ランキング参加中です!応援お願いします!

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

偽りの秋桜 一覧

シリーズ一覧

最新記事

シリーズ

ブログ村