無意識の嫉妬、それに気づいたとしても、つくしはもう類と付き合っている

 

記憶が戻ったところで、もうつくしと司が復活する未来の可能性は0に近い

 

けれどそう思っているのは類をのぞいた他の三人だけだった

 

総二郎「まあまあ、司落ち着いて。とりあえずなんか飲もうぜ?」

 

滋「あっ!そうだよ!司まだ全然何も飲んでないじゃん?」

 

あきら「さっすが大河原財閥の船だけあって、遊ぶとこもたくさんあるぞ」

 

総二郎とあきらと滋はそう言いながら司の背中を押し始めた

 

司「うるせえ!俺は寝る!!」

 

あきら「まあまあ、リハビリだと思えばいいじゃない」

 

総二郎「そそ。少し動かないとすぐに身体なんてダメになるんだからな」

 

滋「あっ、つくし達はあとでおいでよ!!!ね!!!」

 

つくし「え…う、うん」

 

類「…」

 

あからさまに司を二人から引き離すように連れ出すものだから、残された類とつくしに微妙な空気が流れてしまった

 

つくし「…やっぱり…あたしが参加してもよかったのかな、道明寺があたしのこと忘れたならもう無理に思い出さなくても…いいって思ってるんだ」

 

司達の背中を見送りながらつくしが本音を漏らす

 

類「…司にとって牧野との出会いは大事な事だったと思うから、それを忘れちゃうのはダメだと思う」

 

つくしは類の方を見上げると、優しいけれど、少し悲しそうな瞳で言っていた

 

つくし「ごめん」

 

類「なにが?」

 

つくし「なんとなく」

 

お互いに暗い表情になってしまったとき、また白いイルカが跳ねる

 

つくし「……そういえば、花沢類は何かお願い事したの?」

 

類「……したよ」

 

つくし「何をお願いしたんだろ~」

 

類「言ったら、願いが叶わないでしょ?」

 

つくし「!!気になるけど…それもそっか」

 

類の願い事がすごく気にはなるが、願い事を教えてもらったら自分の願い事も教えなくてはいけない、そう考えたつくしはそれ以上類に追及するのをやめた

 

普通に話しているようで、会話が何度か止まってしまう

 

つくし「…」

 

類「…」

 

少しの間のあと、つくしの方から類を船の中へと誘った

 

つくし「そろそろ、いこっか」

 

類「そうだね」

 

類とつくしがデッキから船の中に戻ろうとしたとき、つくし達の船にすごいいきおいで近づいてくる一台の船が見えた

 

つくし「あの船…こっち向かってきてない?」

 

類「え?」

 

船のエンジン音にいち早く気づいたのはつくしだった

 

2人でまたデッキに戻ると、船がもうすぐそこまで近づいている

 

類「危ないな」

 

つくし「ちょ、隣に止まったよ?!!」

 

あまりにも近づいてきたために、つくし達の船も止まることを余儀なくされた

 

つくし「あれ、誰か出てきた…なんだろ?あっ!滋さんもでてきた」

 

なにやら、船の船長っぽい人や数人の男性スタッフたちがやりとりしている

 

デッキの上からそのやり取りを眺めていたつくし達は、やりとりが行われている場所まで行くことにした

 

つくし「なにかあったのかな」

 

類「どうしたんだろうね」

 

2人とも心配しながらその場所に向かうや否や、聞きなれた声がつくしの耳に飛び込んできた

 

女生徒1「あ~~~ら!牧野さ~~~~ん!!」

 

女生徒2「きゃ!!!花沢様だわ!!!」

 

女生徒3「あの~~ご一緒してもいいかしら~~」

 

滋「あの…あなた達…誰??」

 

つくし「うっ…クラスメイトの浅井百合子…鮎原えりか…山野美奈子だ…」

 

類「…」

 

その3人は英徳学園でF4にまとわりついてる女生徒たちだった

 

赤札を貼られた際にはつくしのことをいじめてきた人たちで、非常に高飛車な性格をしている

 

滋「え、つくしのクラスメートなの…??それなら…しかたないっか…うん、一緒にいいよ」

 

浅井「え??ほんとーーですか??やったあ!!」

 

鮎原「さっすが大河原財閥のお嬢様ですわね、お話が早いし…それにすごく綺麗」

 

山野「ほ~~んと、カジュアルな服装なのにモデルのような体型ですっごく素敵ですわ」

 

3人がそう言いながら滋にべたつき、滋は少し距離をとる

 

滋「ははは…ありがと」

 

つくし「……」

 

類「…」

 

つくしと類がどうしようかと顔を見合わせた時、後ろからやっと総二郎たちが異変に気付いてやってきた

 

総二郎「うわ、なんだよお前ら帰れよ」

 

あきら「なんでこんなとこに来ちゃったの?」

 

司「…」

 

浅井「きゃ!!西門様!!えっと~私たちの船のエンジンの調子が悪くなっちゃって~~ちょうどこちらの船が見えて助けを求めにきたら~~~みなさんがいて~~」

 

鮎原「そう!ほんっとーーーーに偶然なんですよ~~~」

 

山野「岸に帰るまでの間でいいんで~~乗せてくれませんか~~?ってお願いしたら~大河原様がオッケーしてくださって~~」

 

総二郎「おいまじか、滋オッケーしたのかよ」

 

滋「え?うん…聞いたらつくしのクラスメートだっていうし無下にできないかなって」

 

あきら「あのな~こいつらはな~~~」

 

あきらと総二郎が険しい顔でこの3人の事を滋に言おうとした時、3人が泣き出してしまった

 

浅井「そんな……もう心を入れ替え牧野さんとも仲良くしてるのに…酷いわ」

 

鮎原「ゆりこ泣かないで!!でも…私も泣いちゃう」

 

山野「こんな大海原に投げ出されたら…どうしろっていうのよ…」

 

総二郎「…」

 

つくし「…」

 

あきら「あ~~もう、お前ら絶対変なことすんじゃねーぞ!!静かに部屋にこもってろよ!」

 

浅井「きゃあやった~~!!!」

 

3人が手を組みあって喜んだ、その様子をみて総二郎も類もため息をついている

 

つくしも、困ったことになったなと思っていた

 

司だけは我関せずに面白くなさそうな顔で無言のまま部屋へと戻っていってしまった

 

3人が滋に案内され部屋へと向かっている時、腕を組んだあきらと総二郎が困った様子で話し合っている

 

あきら「めんどくさいことになったな」

 

総二郎「ああ、前の司だったら問答無用で追い払ってただろうな」

 

あきら「確かに!」

 

記憶喪失というのはこういう時にも厄介なものなのだなというふうに二人は互いの顔を見てため息をつきあうのだった

 


 

 

読んでくださってありがとうございます!!

 

 

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