つくしは何も知らずに、お風呂を堪能し、着替えも終わった

 

つくし「部屋に戻ろっと」

 

つくしはお風呂の部屋から飛び出し、いい香りをさせながら自室へと戻っている

 

ちょうど、海に面した船の廊下を通った時、つくしの目の前と後ろに人影が現れた

 

つくし「あ、あな…!!」

 

つくしが叫ぶ前に口が塞がれてしまう

 

つくしはなんとか逃げ出そうともがくが、二人に身体をつかまれて思うように動けない

 

つくし「!!!」

 

そしてこの人たちが何を考えているのか、つくしにもすぐにわかった

 

海に落とそうとしているのだ

 

こんな夜に海に落とされたらどうなるかわかったものじゃない

 

つくしは必死に抵抗し、一人を振り払った

 

次の瞬間、振り払ったいきおいでその人が海に落ちてしまったのだ

 

きゃーーー!!!っという叫び声が響き渡る

 

つくし「!!!!!」

 

滋「な、なになになに?!!」

 

あきら「なんだ?!!」

 

その叫び声に、滋たちも集まってきた

 

つくしが海をみると、浅井が海に漂っていた

 

浅井「た、たすけて…」

 

鮎原「ゆりこ!!!!」

 

山野「ど、どうしよう、どうしよう!」

 

つくし「……」

 

つくしは廊下を見渡し、浮き輪を発見した

 

だが浮き輪を投げるには届かない距離に、もう浅井は流されていってしまっている

 

つくし「!!」

 

山野「ま、まきのさん?!!」

 

鮎原「!!!」

 

なんとつくしは、浮き輪を持って海に飛び込んだのだった

 

山野と鮎原がつくしと浅井の様子を見ておろおろとしているところに、やっと滋達がやってきた

 

滋「何の声?!!」

 

あきら「何があったの??」

 

類「…牧野は?!!」

 

西門「お前ら、なにしてんだよ!」

 

滋はすぐにスタッフに指示を出す

 

だが、夜な上に流れも速いため、つくしと浅井の姿が見えなくなりそうだった

 

類「…牧野!!!」

 

類が海に近いデッキの方に降りようとしたその時、隣から何かが海に飛び込んでいった

 

類「!!!」

 

西門「司!!!」

 

あきら「あいつ‥‥退院したばっかなくせして」

 

山野「きゃあーーー!!」

 

鮎原「か、かっこいい…」

 

西門「お前ら、そんなこと言ってる場合じゃねえだろ!なんでこんなことになってるんだよ!!!」

 

あきら「おい総二郎!それより海に浮くものを投げ込め!!」

 

みんな、状況がつかめないために、騒いでいるなか、やけに類の頭はすーーーっと冷えていった

 

類「…」

 

類も、飛び込もうと思っていた

 

もうちょっと海をしっかりみて、つくしの姿を確実に確認してから飛び込もう、そう考えていた

 

けれど、司は記憶喪失なのに、つくしのことなんて覚えていないのに、まるで条件反射のように、すぐに飛び込んでいった

 

こんな状況に勝ってる負けてるだのといった感情を持ち合わせるほどクズな思考の持ち主ではない

 

けれど、類の中で確かに司に対して、この人には一生勝てないという気持ちが芽生えたのだった

 

でも、落ち込んでいる暇などない

 

類「…船は出せますか」

 

スタッフ「こちらに」

 

救命用の小さなボートは乗せてある

 

海になれたスタッフが行くのが普通だが、類もそれに乗り込んだ

 

類「邪魔にならないようにします、お願いします」

 

スタッフ「わかりました、こちらの胴衣を着用してください」

 

類「!!」

 

スタッフに言われるまま、類は救命胴衣を身につける

 

そんなやり取りをしているなか、海の方ではどんどんつくしが流されて行っていた

 

だが、つくしが流されるその前に、つくしはちゃんと浅井に浮き輪を渡していた

 

浅井は何かを叫んでいたようだったが、あっという間につくしは浅井から引き離されてしまっていたのだ

 

浅井に渡した浮き輪には船から繋がる紐もついている

 

これのおかげで一番先に海から引き揚げられたのは浅井だった

 

そして、つくしはあきらが投げ込んだ浮き球を掴むことに成功していた

 

球を掴んだまま、身を波に任せる

 

つくし「……さっきお風呂からあがったときに、厚着したせいで…身体が重いな…」

 

球の浮力につくしの重さのほうが勝ってしまっている

 

けれど脱げるわけもなく、まだ寒い時期の海なため、厚着で正解ではあった、けれどこのままいけば確実に凍死する

 

絶体絶命の状況の中、意識までだんだんと遠のいていってしまった

 

つくし「あ…やばい…あたしこれ…死ぬの…か…な」

 

司「……おい!!おい!!!バカ女!!目を覚ませ!!!!」

 

つくし「………」

 

意識が遠のく瞬間、つくしは誰かが呼ぶ声が聞こえた気がするのだった

 


 

妄想だからできる海に落ちる状況ですが…もちろん現実の人間が冬の海に落ちたら危険です、絶対に真似しないでくださいね

 

今日も読んでくださってありがとうございました(*‘∀‘)

ランキング参加中です!応援お願いします!

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

偽りの秋桜 一覧

シリーズ一覧

最新記事

シリーズ

ブログ村