司とつくしと類は口を閉じたまま、お互いに声をかけれずにいた

 

だが、類が先に動く

 

類「牧野、これ」

 

つくし「あ…ありがと」

 

類は来ていたコートをつくしに着せた

 

そして念のためにつくしも病院の検査を受けた方がいい為、三人はちゃんとした会話もできずに慌ただしく時はすぎていった

 

司も類に何かを言いたそうな顔をしていたが、タイミングを失い何も声をかけることができなかった

 

病院で一通り検査を受けている時に、司とつくしを心配していた滋と総二郎、あきらたちもやってきたために、つくしも類に声をかけるタイミングを失ってしまう

 

浅井たちの行動は警察に被害届を出しても良いくらいだったが、ここは色々あって何事もなく処理されてしまった

 

浅井たちからの謝罪の言葉には、心から言っているものだとつくしが判断し大事にはしないと決めたのだった

 

総二郎や類たちはそんなつくしを甘いと思ったが、そんなつくしだからこそ、良いのだとも思っていた

 

この事件から数日、類と司とつくしが顔を合わせることもあったが、お互いに発見された時の事を話せずにいた

 

気まずい空気が流れるなか、だんだんと類からの連絡もなくなり、つくしからも連絡ができないようになっていった

 

つくし「……ちゃんと話さないと」

 

つくしは携帯の画面の類の名前を見つめながら、電話をかけようと意気込んでいる所だった

 

つくし「よし…今日こそかける」

 

あの事件の日からもう二週間、つくしは何度も類と話そうとは思っていた

 

けれど下着姿だったことも、説明すればするほど、言い訳にしか聞こえないのではないか、服を脱ぐのに仕方がない状態だったけれどそれを類は信じてくれるのかと、そのことが怖くて仕方がない様だった

 

つくし「……でない」

 

着信音は鳴っているが、類が出ることはない

 

こんなことは滅多にないので、つくしは余計に不安が強くなってしまう

 

つくし「…もう…だめなのかな…」

 

つくしが泣きそうになったとき、類からの着信が鳴った

 

つくし「!!も、もしもし!!」

 

つくしはすぐに類の電話に出ると、いつもと違う声の類だった

 

類「牧野、ごめん、寝てて気づかなかった」

 

つくし「……ど、どうしたの?その声」

 

その声は寝起きとは違う、ガラガラ声、完全に風邪をひいている人の声だった

 

類「ちょっと熱だしちゃってさ…牧野と会いたかったんだけど、連絡できなくてごめんね…ごほ…げほっごほっ」

 

話し終わるや否や咳き込む類につくしの不安な気持ちが心配な気持ちに変わる

 

つくし「ううん。大丈夫だよ。もしかしてあの日から?!風邪、引いてたんだ。どうして教えてくれなかったの?」

 

類「…牧野のことだから…自分のせいかもって思うかもしれないって思って。でもやっぱり電話を無視すること、できなかった」

 

つくし「‥‥…お見舞い…行っていい?」

 

類の言葉につくしは今までなんで連絡とることをためらっていたのかと自分に苛立ちを覚えた

 

そして類に会いたい、心の底からそう思ったのだ

 

類「風邪…うつすといけないから」

 

つくし「…あたしは海に落ちたのに風邪すら引いてない女なんだから…大丈夫!!…花沢類のことも心配だし…それに…か、顔が見たい」

 

類「…じゃあ、来てもらおうかな」

 

つくし「…うん!!!」

 

類がそう言ってくれて凄く嬉しかったから、つくしの表情は一気に明るくなる

 

つくし「じゃあ、13時頃に行くね…何かほしいものとかある??」

 

類「大丈夫だよ、気を付けてきてね…あ、場所わかる?住所とか送るから…あと車をそっちに迎えにいかせ…げほっごほっ」

 

つくし「大丈夫だよ!電車で行く!!ちゃんと寝てて!!家は住所だけ教えてもらえたら…」

 

類「うん、わかった」

 

つくしは類に住所を教えてもらったあと電話を切り、すぐにドラックストアへと向かった

 

そこでもう類の家にはあるだろうけど、冷えピタなど、風邪に良さそうなものを買い込み、電車で類の家の方へと向かう

 

途中、お手洗いで身だしなみを整えたりもしていた

 

そして、花沢家の門の前に到着した

 

つくし「……想像はしてたけど」

 

花沢類の家は、確かに道明寺の屋敷よりは門も小さいのかもしれない

 

けれど洋風でお洒落で、門から先、家まで何百メートルあるの?と首をかしげるほどには立派だった

 

つくし「……うん、行こう」

 

つくしが門の方へと一歩を踏み出すが、すぐに花沢家の警備員に囲まれる

 

類が話を通してくれていたようで、身分証を見せた後はすぐにお屋敷の中へと案内してもらえることになった

 

警備「確認がとれました、中へどうぞ」

 

つくし「良かった…あの、よろしくお願いします」

 

つくしが警備の人たちに頭を下げた時、つくしの真後ろに黒い車が止まった

 

つくし「な、なに?」

 

警備「!!」

 

警備の人たちが慌てて門を開ける

 

あまりにもぴったりと後ろに車を止められたため、思わず車をまじまじと見ていたら、車の窓が開き、見慣れた顔が目の前にあらわれる

 

司「よう」

 

つくし「ど、道明寺」

 

実は司もこのタイミングで類に会いに来たのだった

 


 

 

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