司とつくしの間に微妙な空気が流れた

 

そして顔を見た瞬間にお互いあの日の事を思い出してしまう

 

つくし「……い、一応あの日は、助けてくれて、ありがとう」

 

司「お、おう」

 

窓越しにぎこちない会話をし、司はつくしと目を合わせようとしない

 

司「お、お前も類に会いに来たのか」

 

つくし「うん、風邪ひいたって聞いて、心配で」

 

司「類が?!!」

 

つくし「おっつ…」

 

つくしの言葉にやや食い気味で聞き返す司に圧倒されつつ、つくしはうなづいた

 

司「あいつ、滅多に熱ださねえくせに、かかった時はめっちゃくちゃ悪化するのに大丈夫なのか…どう考えてもあの日が原因だろ。滋や総二郎に聞いたら類のやつ、俺たち探すのに救助ボート乗ってたらしいぜ」

 

つくし「え…」

 

つくしはその話は初耳だった

 

司「…必死に海を懐中電灯で照らして、俺とお前を探してたって。一睡もしないで、あっちこっち探して回ってたって」

 

つくし「…どうしよう、あたしあの日以来、まだちゃんと花沢類と話せていないしお礼の言葉すら言えてない」

 

司「…俺もそう思ってよ、実はその話は今日総二郎から聞いたんだ。てっきり俺と牧野も知ってる話だと思ってたらしい。だからその…類のとこに来たんだよ」

 

つくし「………」

 

けれど二人の眉間にシワがよる、それもそうだ。あんな状況を類に見られたのだから今この二人が揃って類に会いに行くのはマズイ

 

さすがに鈍感な二人でもそれぐらいはわかってるようだった

 

つくし「あの、じゃああたし…先に会いに行くね」

 

司「バカおまえより長年の付き合いの俺の方が先だろ。それにお前とのこ…小屋での出来事もちゃんと男同士話さねえといけねえしよ?」

 

つくし「いや、あたしからちゃんと話すよ」

 

司「いや、お前だけだと何を言われるかわかったもんじゃねえし」

 

つくし「…どういう意味よ」

 

司「……」

 

つくし「なんで黙るの?!」

 

司「いいから!男同士の話っつーのがあるんだよ!!お前はまだくんな!!」

 

つくし「ちょ、待ちなさいよ!」

 

司はまるで言い逃げるかのようにそう叫んだあと、運転手に指示をだし車で花沢邸に入っていった

 

つくしも後を追おうとしたが、車の速さに勝てるわけもなく、しかも司が何か指示をだしたのか、司の側近の西田がつくしの目の前に立っていた

 

つくし「に、西田さん」

 

西田「牧野様、申し訳ございません」

 

つくし「ちょ、ななななななに?!」

 

西田「ぼっちゃんのご命令ですので」

 

つくし「いやいや、ご命令ですので~~じゃないでしょ!!なんであたしの腕掴んでるんですか?!」

 

すると先ほど道明寺を乗せていた車が西田の横にピタッと止まった

 

西田「牧野様、こちらへ」

 

つくし「ちょ、やめてよ離してってば!!あたしだって花沢類にあ…会いたいんだから!!!」

 

つくしが強気に西田の腕を振りほどこうと精一杯動くが、西田はびくともしない

 

あれよあれよという間につくしは車に乗せられ花沢邸から連れ出されてしまった

 

そして、そんなつくしをよそに、司は類の部屋の扉の前でノックするのをためらっていた

 

司「くそっ…」

 

中々ノックすることもできずに、扉の前をうろうろうろうろしていると、類が扉を開けて顔を出した

 

司「あ」

 

類「やっぱり司だ。靴の音がしたからさ。どうしたの?突然」

 

司「いや、その…あ、あのよ!!風邪ひいたって聞いて、あの日のお礼もまだだったし、話もしたいって思ってよ!」

 

しどろもどろになりながらも司は一気に言葉を話す

 

類はくすっと笑いながら部屋へと招き入れた

 

類「そろそろ司、来るんじゃないかなって思ってた」

 

司「お、おう」

 

司は類に促されるように部屋のソファへと座った

 

類「ごほっげほっ」

 

司「あ、悪い起こして…類お前大丈夫か?」

 

類「うん、熱は大したことないんだけど、咳と微熱で怠くってさ」

 

司「そうか…」

 

部屋の中が一瞬沈黙に包まれる

 

先に話し始めたのは類だった

 

類「…さっき風邪ひいの聞いたって、それ牧野のことだよね?俺、牧野にしか言って無いからさ。牧野もここに来るはずだったんだけど、今来てないってことは、司、牧野と何かあった?」

 

司「っ…」

 

相変わらず類はするどい洞察力だった

 

司「…先に俺がお前と話をしたから牧野には待ってもらってる」

 

類「そっか…二人で話をしに来たんだ」

 

類の口から皮肉のような意地悪な返しがきて、司はギクッとした

 

司「いや、二人じゃない。牧野とは偶然門の前で会って…」

 

類「…それにいつのまにか司、牧野の事思い出してるし」

 

司「それはあの日お前も俺と牧野が病院で検査受けてた時に記憶が戻ったこと聞いてたはずだろ?」

 

類「そうだっけ。なんか、あの日の事、俺あんま覚えてなくてさ」

 

そう言って類は部屋に用意されている水をコクっと飲んだ

 

司「……お前が覚えてないなんてことあんのかよ」

 

類「覚えてないよ。自分でもびっくりした。あまりに衝撃が強くてさ。小屋での二人が。あの瞬間から俺、頭になんにも入ってこないの。笑っちゃうよね」

 

司「…」

 

類が冷静に、けれどどこか悲しそうに怒りを秘めた口調で司へ睨むような視線を向けた

 

司「……やっぱり類でも怒るよな」

 

類「……”あの状況じゃ仕方がなかった。濡れた服だと風邪ひくし、できる限り脱ぐ必要があった。それに肌と肌の方が体温をあげるのにちょうどよかった”こう言いたいんでしょ?」

 

司「そ、その通りだよ類。なんだやっぱお前わかってんじゃねえか」

 

怒ってるような類がこの言葉を笑顔で言うものだから司はつい笑ってうなづいてしまう

 

だが、次の瞬間に司がみた類の表情は目に涙を浮かべた怒りの表情だった

 

類「…‥‥”そうだったんだ”で許せるわけねえだろ!!どんだけ仕方がない状況だったとしても、牧野と司は……俺は…」

 

類は声を荒げた瞬間、むせてせき込んでしまった

 

司「……お前のそういう目、初めて見た」

 

咳き込みながら司をみる類の目は、まるで炎でも宿っているかのようだった

 


 

今日も読んでくださってありがとうございます!

 

 

返事が欲しいの拍手もありがとうございます!!

 

tonさんへ

いつも拍手をありがとうございます( *´艸`)頑張ってくださいとのメッセージ、励みになっております。

不定期更新なのに、呆れずにみにきてくださっていてとても嬉しいです。

今後とも頑張って更新していきますので、楽しんでもらえたら嬉しいです(*´ω`)

 

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