類の携帯がまた鳴る

 

きっとつくしからだ、そう思ってはいるが、類はとうとうその着信に反応することはできなかった

 

つくしは、類がそんな風に思っているとはまったく気づかずに、きっと類は忙しいのだろうと思い込んでしまった

 

つくし「まだちゃんと話せてないけれど、この前笑ってたし、大丈夫だよね」

 

つくしはそう思った後、ふと近くの広告に目がとまる

 

その広告はバレンタインのものだった

 

もうすぐバレンタインなことに気づいたつくしは自分の首元に手をやった

 

つくし「そうだ…貰ったネックレスつけて…バレンタインに手作りチョコあげたいな…」

 

つくしは花沢類の事を思い、可愛く笑って楽しい未来を想像するのだった

 

その頃、類はやっと落ち着いてきたようだった

 

類「……いつまでもここにいても仕方ないよね」

 

類はやっと重くなった腰をあげ立ち上がる

 

類「…やっぱ寒いや」

 

類はつくしかた貰ったマフラーをちゃんと身につけてはいたが、コートとマフラーをつけていても、非常階段では寒さをしのげなかったようだった

 

類は重い扉をあけ、廊下を歩く

 

もうすっかり暗くなり生徒達もいない中、類もあるポスターに気づいた

 

類「…新入生歓迎会、ああ、もうそんな季節か」

 

英徳の新入生歓迎ポスターを見て、類はふとある事に気づいた

 

類「あれ、牧野って進路どうなってるんだろ」

 

もうすぐ二月、本来ならばつくしは受験をしていなければならない、けれどつくしは受験した様子もなければ、勉強している姿ももうすっかり見なくなった

 

類「……そういえば、家が大変なことになって、牧野あの日からずっと働きっぱなしで…」

 

その時、ちょうどつくしの担任の先生が廊下を通り、類は思わず呼び止めてしまった

 

類「すいません」

 

先生「!!!これは花沢様、何か御用でしょうか?」

 

類「…確か牧野の担任でしたよね。牧野って大学どこに行くか教えてくれませんか?」

 

先生「…ああ!牧野つくしですか、彼女は確か…最初は大学進学を目指してましたが、家庭の事情とかで就職に変更していましたよ。どうやらあの子は就活しなくてもバイトで勤めてるとこがそのまま正社員にならないかと誘ってくれたようで、そのままそこに勤めようかどうか悩んでいましたがおそらくそのまま就職すると思ってますよ」

 

類「そうですか、教えてくれてありがとうございます」

 

先生「いえ、花沢様のお役に立てて光栄です」

 

本来ならば個人情報なので他の生徒に漏らすようなことはしないが、F4ならば話は別だった

 

だから先生は類に詳しく教えてくれた

 

類は先生から話を聞いた後、先ほどのポスターをなんとなくまた見た

 

類「あ…」

 

改めてそのポスターを見てみると

 

新入生歓迎のポスターは、桜の木と雑草のつくしが一緒に描かれていた

 

類「ははっ…ここでも司と牧野は一緒か」

 

普段なら気にならないそんな絵すらも、今の類には落ち込む材料だった

 

類「…牧野は、そういうこと、誰にも相談せずに、決めるんだよな」

 

進路についてもそう、司がつくしを助けたことも、何も知らなかった

 

類は、その状況がものすごく寂しくて辛いと感じて胸が傷んだ

 

類「俺は牧野が必要だけど、牧野に俺は必要なのかな」

 

前に、つくしは類に事を必要だと言ってくれた

 

けれど言葉だけでは信じられない状況がいくつも重なり、類はとうとう不安に押しつぶされてしまったのだった

 

そして

 

類のほうから積極的に連絡をとることもなく、またつくしも類が忙しいからだと勘違いし

 

すれ違ったまま、とうとうバレンタインの日を迎えた

 

卒業プロムも来月に迫っているというのに、つくしは類と連絡とれないことに不安を感じてはいなかった

 

つくし「花沢類はもともとあまり連絡とらないタイプだもんね、でもバレンタインには会えたらいいな」

 

にこにこ顔のつくしは、この日一生懸命手作りのチョコを作った

 

そして類からもらったネックレスを身につけ、精いっぱいのお洒落をする

 

花沢類には昨夜メールでバレンタインだから会えないか聞いていた

 

返事はまだなかったけど、もし忙しかったとしても家までチョコだけは渡しにいきたい、そう考えていたのだ

 

大体の支度が終わった時、ちょうど類から返事がきた

 

類「いいよ、今用事があって出てるから家まで迎えに行けない、ごめん。〇×の駅の近くの公園までこれるかな?そこで待ち合わせでいい?」

 

つくし「!!!!」

 

久々に、類からメッセージがきた

 

つくしはそれだけで嬉しいのに、更に会えると知ってものすごい上機嫌になった

 

つくし「……この恰好でいいかな?!」

 

もう準備はしてあったけれど、つくしは何度も鏡の前でくるくると自分の姿を確認した

 

そして、満面の笑顔でいってきますと言った後、軽い足取りで駅の近くの公園まで向かう

 

人通りも多いその公園のモニュメントの前に到着したつくしは、まだ類の姿を確認できなかったので、そこのモニュメントに座ることにした

 

つくし「へへへ…久しぶりに会える」

 

つくしは、紙袋の中をのぞきながら、にこにことしていた

 

その様子を、遠くから類ではないある人が見ていた

 

どうしてこんなところにいるのかわからないけれど

 

その人物はつくしに話しかけてきたのだった

 


 

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