つくし「う~~ん、落ち着くような、風が心地いいような…埃っぽいような?」
非常階段で花沢類の寝ている場所に寝そべってみたつくしは思わず感想を漏らす
つくし「よくここで難しそうな本も読んでるんだよね…」
つくしは花沢類が本を顔の上にのせて寝ていた時のことを思い出す
つくし「それにしても…花沢類が静さんを追って海外に行ったあと、色々あったなぁ~…」
つくしは、類がいなくなったあと、友達だった桜子に嵌められて拉致られ、それで道明寺に助けてもらって距離が縮まったことなども思い出す
つくし「結構、アイツもいい奴かもな…その後に、花沢類が帰ってきたんだよね…」
つくしは過去を思い出しながら瞼を閉じた
つくし「……なんか花沢類、元気に明るくなっちゃうし、少しチャラくなって変わっちゃってびっくりしたけど…でも…この前のダンスパーティでは、花沢類、さみしそうだった」
つくしはそう言うとパチッと目を開けて身体を起こす
つくし「ううん、悲しそうだったかも。理由はわかんないけど、花沢類が悲しそうなんだったら、今まですっごく助けてもらったんだもん、今度はあたしが花沢類を助けたい!」
つくしがそう決意し、スカートについた埃を落とすようにぱんぱんと払う
そしてそのまま満面の笑顔で振り向いた次の瞬間
類「…で、何してくれるの?」
つくし「えっ!ちょ!!えぇ?!」
つくしは驚きのあまり後ずさりしてしまう
いつのまにかこの非常階段に、花沢類が来ていたのだった
類「どうしたの?そんなに驚いて」
つくし「!!!驚くにきまってんじゃん!!なんで?どうしているの??えっ…もしかして…今の聞いてた??」
つくしはものすごく焦って慌てているが、それを面白そうに笑顔で見つめながら類は答えた
類「うん。聞いてたよ。助けてくれるんでしょ?」
ニコッと悪気なく笑う類につくしの頬が熱くなる
つくし「あ…」
類「あ?」
真っ赤な顔のつくしがうつむきながら言葉を続ける
つくし「あ…」
類「…どうしたの?」
類が心配そうにうつむいたつくしの顔を覗き込む
その瞬間、バッとつくしが顔をあげたかと思うと、こう叫んだ
つくし「ありえないっつーーーの!!!」
類「え?」
するとつくしはドタバタと走り出す
類「あ、牧野」
つくし「ごごごごごごめん花沢類!あたし、ここの掃除道具片づけなきゃ!!だから、えっと、うん、またあした!!そう、また明日ね!!!」
類「う…うん。また明日」
つくし「っ…そっ…それじゃあバイバイ!!」
そう言葉を残し、つくしは物凄い速さでこの場から消えていった
類「……助ける…か」
一人取り残された類は、悲しそうな瞳でそうつぶやいた
だが、廊下を掃除道具を持って走るつくしはそれどころではない
つくし「うわぁぁ!!恥ずかしい!!恥ずかしいよ~~~!!もうっ…!!」
つくしはあまりの恥ずかしさに、顔を真っ赤にし、そしてどこに向けていいかわからない怒りまで感じながら廊下を掃除道具とともに走り抜けるのだった
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