ただただ夢中で走った

 

花沢類の家もいった

 

一緒に秋桜をみた公園も何度も走って探した

 

けれどどこにも類の姿はなく、つくしの身体が冷え切っていくばかりだった

 

はぁはぁと息があがるつくし

 

街の中はホワイトデーの広告一色になってきていた

 

類の行方をつかむこともできず、つくしはなんとなく後ろめたさもあり、西門やあきらに連絡先を聞きに大学に行くということもできないでいた

 

類と付き合っていたのに、目の前で司とキス…不可抗力とはいえ、そんなことを説明したくはなかったのだ

 

つくし「……いつもいつも、タイミング良く会ってたのに、あたしから探すとこんなに会えないなんて…」

 

少しだけ飲み物でも飲もう、そう思って飲み物を買いに行こうとした時、街の中の大型モニターで生中継が入った

 

【藤堂静香 一時帰国 フランスの有力者からのプロポーズを破談にした理由は日本人の恋人?】などといった報道が現在進行形でされていた

 

静は、何も気にせずに、笑顔で記者たちに手を振っていた

 

つくし「静さん!!」

 

藤堂静香は、花沢類がずっとずっと片思いしていた相手だ

 

一時期、花沢類は静を追ってフランスまで行っていた

 

何か理由があり、別れて帰ってきた類

 

そして静はつくしの憧れて尊敬している相手でもあった

 

つくし「もしかして花沢類…空港にいる?」

 

静を迎えにいったんじゃないか、つくしはそう思った

 

だがそう思ったと同時に、まるで胸に雷でも落ちたかのような痛みが走った

 

つくし「……空港行かなきゃ!」

 

その痛みを感じつつも、つくしは空港に向かうしかなかった

 

つくし「といっても…今からいったらすれ違いかな…」

 

つくしはきょろきょろとしながらも、また先ほどのモニターに視線を向ける

 

TVでは静の特集が組まれていた

 

ミス・フランスにも選ばれていたらしい静はファッションブランドの広告塔にもなっていたようだった

 

それでもちゃんと、国際弁護士を目指し、日々頑張っている生活の様子まで報道されていた

 

つくし「すごい……静さん…やっぱりかっこいい人だ」

 

大きな画面には、静の頭から下まで綺麗にうつされる

 

やっぱり靴は高そうだけれど品の良い、素敵なものだった

 

つくし「そうだ、あたし静さんに言われたことがあるんだ。とびきりいい靴をはくとその靴がいい場所に連れてってくれるって。。。」

 

つくしが足元をみると、そこはボロボロになったローファーがあった

 

つくし「こんな靴じゃ、どこにも素敵な場所になんて連れてってもらえないよね…」

 

空港にもいかないければいけない、けどそんなことを思い出したつくしは、目の前の靴屋に目が行ってしまった

 

つくし「……」

 

まるでふらふらと導かれるようにその靴屋に入るつくし

 

そこには、大人の女性らしい華奢な靴がいくつも並んでいた

 

このお店は某ブランド

 

といってもわりとカジュアルブランドで、一番安い靴は5000円前後で買える

 

でっもその5千円は、普段つくしが絶対靴になんて使わない金額だった

 

でも、目の前にある女性っぽい可愛い靴に、つくしは一目ぼれしてしまった

 

つくし「……この靴を履いたら、花沢類のもとに…連れってってくれないかな」

 

まるで星に願うかのように、つくしはその靴に願ってしまう

 

つくしは思い切ってその靴を買う事に決めた

 

そして、その場で靴を履き替えたつくしは、なんとなくだけど、先ほどより気分が良く気持ちがポジティブになったように感じた

 

自然と、強張った顔つきから笑顔になったつくし

 

つくし「うん、お願い!!あたしを…花沢類の元に…連れていって!!」

 

つくしはそうつぶやきつつ靴を優しく撫でた

 

そして空港へと向かおうと走り出していくのだった

 


 

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