類がいなくなったことで、大事になってきているとはまったく気づかず何も考えることができない類は白い浜のグリーンの色をした海の前にたたずんでいた

 

類「……すっごいな」

 

類は不思議なその白い砂浜の景色に息をのむ

 

ここは浄土ヶ浜、白い小石の砂浜で海の色なグリーンに深い青だっら

 

類「あの世の風景ってこんなかな」

 

白いコートを着た美形がこんな海を眺めている光景はとても異様で

 

少し遠巻きから心配そうに類のことをみているおばちゃんの姿も見える

 

類はそんなことすら気づかずに、ただただぼーーっと眺めていた

 

類は、あの日、どこかに行きたいと初めて思った

 

けれど自分はどこにも行くところがないと気づいた

 

自分の運転する車を、ただただ走らせた

 

時折、脳裏につくしの泣き顔が浮かんだ

 

自分が泣かせてしまったということに、酷い罪悪感を覚えた

 

けれど、そんなつくしを抱きしめることができなかった

 

身体が鉛のように重く、自分の身体をコントロールできないという状態を初めて知った

 

そんな時、類は海がみたい、そう思った

 

走って走って…はじめて車の中で寝たりした

 

途中食べ物を買ったお店で、天国のような風景の海というポスターを見つけた

 

類はそのポスターを見て、行ってみたいと思った

 

そうして、走って走って…、この海にたどり着いたのだ

 

類「はぁ…やっぱり少し寒いな」

 

類の口からの息が真っ白に染まる

 

類がふりかえったとき、さっき遠くで見ていたおばちゃんたちとぶつかった

 

類「!!」

 

おばちゃん「あんた…こ~~~んな色男なのに…馬鹿なこと考えちゃあだめよ!!」

 

おばちゃん2「そうよ!!もったいない!!」

 

類「…え?」

 

どうやら類は自殺する人と間違われていたようだった

 

おばちゃんたちの盛大な勘違いにより、いらぬおせっかいをかけられ

 

民宿をやってるというおばちゃんに無理矢理家にまで連れてこられ温かい手料理まで出されてしまった

 

テーブルの前で、類は茫然とその料理をみつめる

 

おばちゃん「ほら!美味しいもんでも食べたら!嫌な事なんてす~~ぐ忘れるから!!」

 

類「…」

 

類一人ではとうてい食べきれない温かい料理の数々

 

なんだか類はそんなおばちゃんのおせっかいが、当時のつくしのおせっかいと重なってみえて、思い出し笑いをしてしまった

 

類「ははっ…すごい量」

 

おばちゃん「笑う元気があるなら大丈夫だね!何があったかわからんけんど、そんな色男なんだから生きてれば必ずいい事あっからね!ほらた~んと食べて!」

 

類「…ありがとうございます」

 

類のふわっとした優しい笑顔に、もうすっかり忘れていたおばちゃんの乙女心までときめいてしまった

 

おばちゃん「ほんっとに色男だね…」

 

類「あ、美味しいです」

 

おばちゃん「ほれ!こっちもお食べ!!」

 

おばちゃんに甲斐甲斐しく世話され、類はお腹がいっぱいになった

 

お礼を言って、帰ろうと玄関に行ったとき、玄関に貼ってあるポスターに目が言った

 

類「…これって」

 

おばちゃん「ああこれかい?私の孫の写真さ!東京に行った息子の子供の順平だよ!な~んかモデルとかになったとかって雑誌とかショー?とかに出ててねえ、どうだい?うちの孫も捨てたもんじゃあないだろ?」

 

おばちゃんがガハハと笑って自慢したポスターの人は、昔つくしを拉致した織部順平だったのだ

 

類は、こんな偶然があるものかとしばし言葉を失ったまま、ポスターを眺めてしまった

 

すると、その下にはつくしと順平でうつった昔の雑誌まで置いてあった

 

おばちゃん「こっちも見るかい?も~こ~んな可愛い子と写っちゃってね~ほら、こっちの順平なんて見たこともない顔しててねえ」

 

類「…」

 

改めて見てみたつくしと順平の写真は数ページあり、あの時気づかなかった順平の表情に目が行く

 

類「あいつも…もしかして」

 

おばちゃん「??」

 

類は、順平がつくしを見る視線の意味を知っていた

 

この目は、自分がつくしを見ていた時の目と一緒だったからだ

 

類はその時、当時のつくしを目で追っかけてしまう自分の感情を思い出した

 

類「別に興味もないはずなのに、目が勝手に追ってくんだよね」

 

おばちゃん「ん?何の話だい?」

 

類「いえ、なんでもないです。ありがとうございました、お世話になりました」

 

おばちゃん「はいはい、もう馬鹿なこと考えるんじゃないよ!」

 

類「…はい」

 

類はニコッと笑っておばちゃんに会釈をかえす

 

そして類は浄土ヶ浜の近くに車を止めてあったため、そっちの方へと歩いて向かうのだった

 

類がそんなことをしているとはまったく知らないつくし達は、類の行方を追ってだんだんと大事になってきていた

 

総二郎もあきらも躍起になって類の情報を集めている

 

静もパーティーに出ながら類の事を心配していた

 

もちろんつくしも…

 

類がいるはずもない非常階段に来て類の姿を探していたのだった

 


 

読んでくださってありがとうございます!

 

 

 

 

 

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