つくしと司が付き合い始めてしまったのだから、類にはもうどうすることもできなかった

 

大事な幼馴染の司、大好きなつくし

 

その二人が付き合うのであれば、何を波風立てる必要があるのだろうか

 

類はそう思い、自分の恋愛感情を封印することにした

 

そして、”友人”として超遠距離恋愛になってしまったつくしの事もある理由で心配なせいで、類はつくしの家を訪ねるようになっていった

 

ピンポーン

 

つくし「はいはーーい!!あっ花沢類!!」

 

類「はい、これ」

 

つくし「そんな!!!何も持ってこなくていいって言ってるのに…!」

 

つくしが大きな箱を貰った瞬間、つくしの母親がつくしの前へと躍り出る

 

つくし母「まあ~~~~!!!!今日も来ていただいて!!!さあさあ!!!!おあがりになって~~~~いつも本当に良いものをありがとうございます!!!」

 

つくし「ちょっと!」

 

続いてつくしの父親も満面の笑顔で立ち上がった

 

つくし父「どうぞどうぞ!!!これ、この座布団使ってください!!」

 

つくしの父親も、つい今まで父親が使っていた座布団を差し出しながら招き入れる

 

つくし「ちょ!」

 

つくしが止めようとするや否や今度はつくしの弟、進が類へと話しかけた

 

進「あの!!今日、花沢様に教えてもらいたいことがありまして!!」

 

そう言う進の手には中学の教科書が見えた

 

類「うん?どこ?」

 

類は嫌がる顔をひとつも見せずに、進の勉強を見始める

 

そしてそのまま食卓テーブル前の座布団に座り、一家団欒の場になんなく溶け込んだ

 

つくし「もう!進も、教えてもらうばっかじゃなくて自分で勉強しないとわからないままだよ?」

 

つくし叱り言葉になぜか類が答える

 

類「でも、これ本当にわからないところしか聞いてないよ」

 

進「えへへ…解き方が…わからなくて」

 

類の言葉に照れながらも進むが答えた

 

つくし「解き方がわからないって…あんた今年受験…」

 

つくしの言葉にまた類が答えた

 

類「うん、大体はわかってるんだよね。これはここの公式を…」

 

つくし「…」

 

進「はい!はい!!」

 

類が優しいけれど真剣な表情で教え始め、進は聞き入っていた

 

つくしはやれやれと言った感じに二人を眺めるしかなくなる

 

そんな風に台所の方で二人を眺めていると、つくしの母親がつくしに耳打ちをしてきた

 

つくし母「あんた……道明寺様から連絡は?」

 

つくし「……」

 

その問いにまるではぐらかすかのようにつくしは母親に何も答えない

 

つくし母「どうせ連絡きていないんでしょう…?もう連絡来なくなって数か月たってるんじゃない?前は頻繁に話声が聞こえてきたけれど…」

 

母親が2人の関係を聞き出そうとしてくるのをつくしは察し、逃げるようにこう言った

 

つくし「もう…向こうも忙しいからに決まってるじゃん」

 

つくしの返事に母親はやっぱりねといった感じで深いため息をついた

 

つくし「……」

 

そしてそのまま小声で、母親は花沢類の方に視線を向けながら

 

つくし母「つくしには悪いけど…道明寺様より花沢類様のほうが、つくしに合うような気がするのよね…ほら、何かと気にかけてくれて、こんな狭い家でも何一つ…なにひとつ!!嫌な顔せずにこにこと過ごしてくださって…」

 

そうつくし母が力説をはじめると、つくしはまたはじまったと言うような呆れ顔になりながら、何も答えずにその場をあとにする

 

つくし母「あっ!つくし!!」

 

母親の声が大きくなる

 

その声に類が反応した

 

類「どうかした?」

 

つくしは類と進むの方へと近づいてきていたので、そのまま首を横に振りながら進むの隣へと腰をおろした

 

つくし「なんでもないよ!!ほら!進、お姉ちゃんも教えてあげる!」

 

つくしの言葉に進は

 

進「えっ」

 

つくし「えってなによ!!あたしだって英徳学園の生徒なのよ?」

 

つくしの言葉に困ったように進むが答えた

 

進「だって姉ちゃんは…教え方が…」

 

つくし「え?何?聞こえない!」

 

進が小声で拒否して姉弟喧嘩っぽくなっているのを、類はおもしろいのか、笑いをこらえている

 

つくし「えっと、この公式?これはね~~あ~~あったあった」

 

つくしは教科書をぱらぱらとめくる

 

つくし「ほらここ!ここの公式をこっちにこうやってがーーっとあてはめて~こっちをちょちょいってこうやって~~こっちでパパっとやれば…ほら!!簡単でしょ??」

 

つくしの教え方は、擬音だらけで、なんの説明にもなっていない

 

進は困ったように笑いながら答える

 

進「だから、わかんないって…」

 

つくし「なんでこんな簡単なのにわかんないの?!!」

 

進「…」

 

つくしにそう言われ、泣きそうな表情になってしまう

 

類はそんな進をかばうかのように、すっと手を伸ばし、つくしが説明できなかった部分をすらすらとわかりやすく丁寧にノートへと書いていった

 

進「あっ……そっか……なるほど…うん……あっわかった!!こ、こうですよね!!」

 

進が鉛筆をとりガシガシと書き始めた

 

類「正解」

 

進が解いた答えは見事に正解で、類はニコッと笑う

 

その笑顔がとても嬉しかったのか、進もこれ以上ないってくらい幸せそうに笑った

 

つくし「すごいわかりやすい……」

 

類がスラスラ書いた公式の説明がわかりやすくて、つくしは目をまんまるにして驚いている

 

類「そう?牧野の解き方でもいいと思うけど」

 

類の言葉に、つくしは納得がいかないようだった

 

つくし「ね、ねえ…花沢類…実はあたし今わからない問題があって…」

 

類「どれ?」

 

こうして、類の生徒がもう一人増えるのだった

 

実は、道明寺はNYに行ったはじめのうちは、頻繁につくしと連絡をとっていた

 

けれどある日を境に、司からの連絡は止まる

 

最初は忙しいんだろうと類もつくしをなぐさめていたが

 

連絡がないまま数か月となると話は別だった

 

雑誌等には道明寺司が会社のパーティーにでていたりする記事がのっているため

 

事故や病気でもないのは遠く離れていてもわかりきっている

 

そして司は、F4のメンバーとも連絡を取らなくなっていたため、誰も司が何を考えているかもわからない状態だった

 

その状況の中で、超遠距離恋愛をしているつくしと司

 

このことが、類が家に来ることになった”理由”だ

 

つくしのことが友人として心配だったために、類は牧野家を訪れるようになったのだ

 

でもいつしか、類は牧野家を居心地いいなと思うようになっていた

 

一家団欒

 

それは大金持ちの息子に産まれたら、経験しないものでもあった

 

類は牧野家の家族がとても大好きになったのだ

 

そしてつくしも、司という彼氏がいながらも、類の存在にとても救われていた

 

この二人が、距離を縮めてしまうのは、もうしょうがないだろう

 

類は、確実につくしの中で、なくてはならない存在へとなっていったのだ

 


 

今日も読んでくださってありがとうございます!!!

 

拍手とメッセージもありがとうございます( *´艸`)

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