八重「はあ…相変わらず坂道キツイな…」

 

八重は慣れてたはずの坂道に辛さを感じながら故郷の道を懐かしむ

 

八重「あ…見えてきた…こんな家遠かったっけ?タクシーにすればよかったな」

 

八重の実家の門が目に入る、隣の家には母が迷惑をかけてしまったおばさんであろう人影が花に水をあげているようだ

 

八重「おばさん!!ただいま帰りました…この度は本当に申し訳ありません」

 

八重はおばさんの家の門を開けることはせず、昔のように声をかけてしまう

 

幼いころそうしていた癖がでてしまった

 

おばさん「八重ちゃん!!や~~~久しぶりだこと…帰ってきてくれて嬉しいわ」

 

おばさんは八重の声が聞こえると急いで門のそばへと駆け寄ってきた

 

八重「あの…母が本当に…」

 

八重が顔を見て改めて謝罪をしようとしたとき、おばさんは口に指をあて八重に静かにするよう促す

 

おばさん「しーーーっ」

 

八重「???」

 

おばさんの行動に不思議がる八重におばさんはそのまま手招きを返す

 

どうやら家の中に入れと言っているようで八重はそのままおばさんに促されおばさんのお宅へとお邪魔したのだった

 

おばさんはてきぱきとお茶請けを用意し八重をもてなしつつ、八重に一本の動画をみせはじめる

 

その動画は、防犯カメラの映像だった

 

八重「…ほんとに…」

 

その映像にうつるのは、昼間に堂々と花を盗む母の姿

 

おばさんの家においてある綺麗な鉢植えをぼーーっとした顔でもっていくのだ

 

しかも一度だけじゃない、ほかの日の動画でも母はおばさんの鉢植えをもっていく、おばさんが新しく買ったであろう花すらも躊躇せずもっていき時には土に植えた花さえも引っこ抜いていっていた

 

八重「まさかこんなに盗んでいたなんて…」

 

八重は母のその異様ともいえる行動に言葉を失ってしまう

 

母はまるで悪いことだと思わないようにサッと自分のもののように盗っていっていたからだ

 

正直八重はこのあとおばさんと何を話したか覚えていない

 

ものすごく謝ったとは思うのだが母への怒りで頭がいっぱいになった八重はすぐに飛び出し自分の実家へと飛んで行ったからだった

 

八重「なにやってんのよ!!」

 

八重は本当は母にそう叫びたかった

 

家に飛び込んで母を怒り隣のおばさんの家へと謝りに行かせよう

 

そう考えていた

 

だが実際に出た言葉は違ったのだ

 

八重「……お母さん?」

 

思わず八重はそう問いかけてしまう

 

まだ持っていた実家の合鍵であけ部屋の中に飛び込んで入ったがそこにいたのは母だけど母じゃない何かだったのだ

 

母「…」

 

八重「!!!まさか…」

 

八重は慌てて周囲を確認する

 

さっき入ってきたときには気づかなかったが、きれい好きな母とは思えない部屋になっていたのだ

 

八重「え…あのお母さんがこんな状態に…てか台所も…うわっ!ゴミだらけじゃん!!」

 

八重は思わず鼻をつまむ

 

記憶にあったはずの家の中と違い、八重の実家はゴミ屋敷へと変貌していたのだった

 

看護師だった八重はすぐに母のことを異常だと察知し、ある結論へとたどり着いた

 

八重「もしかしたら母は…」

 

脳の問題がおこっている、認知症の可能性も高い八重は母を怒鳴ることをやめ、すぐに開いている病院を探し始めた

 

そして八重はすぐに母を病院に連れていき、すっかり元気もなく口数の少なくなった母に声をかけることもできなかった

 

だが病院では意外な検査結果がでてしまう

 

母「…」

 

医師「お母様にどこも悪いところはみつかりません」

 

八重「嘘です!!きれい好きな母が掃除をせず花を盗んだりしてるんですよ?!」

 

医師「…心療内科の紹介状を出しますね。お母様は日時もしっかり覚えていますし昨日のことも思い出せます。脳にも何も異常はありません」

 

八重「心療内科…」

 

医師が困ったよう表情をしながら八重に心の問題のパンフレットを差し出す

 

八重は言葉を失いながらもそれを受け取り、まだ口数の少ない母と家へと帰っていくのだった

 

 

 

 

 

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