病院から帰宅後、八重は母と家の状況を改めて理解する

 

八重「帰ってこなきゃだめだ」

 

母「…」

 

八重の口から自然とその言葉がこぼれた

 

けれど八重のその言葉に母は反応はない

 

ゆっくりだけど何かは話す母、でもその顔に感情はない

 

八重は母の顔をみて仕事を辞める決意をした

 

そこからの八重は早かった

 

心療内科に母を連れていき、隣のおばさんに事情を話し急いで職場に戻り事情を話した

 

すぐに八重のかわりなど見つからない、そう言われてしまったしすぐにやめれるわけもなかった

 

八重はそれでもなんとか食い下がり一か月でやめれることになった

 

今までも一人でなんとか生活していた母だから心配だけれど今度はおばさんにも頼んであるし忙しいけれど二週間に一度は様子を見に帰れる日は帰っていた

 

訪問介護を頼んだがまだ生活し特にボケたわけでもない母の世話には難色を示されてしまったため八重の負担はものすごく重いものとなったが、なんとか一か月を乗り切り八重はすぐに実家へと帰っていくのだった

 

それから数日

 

八重「…それにしてもなんでこんな…」

 

八重がいるにもかかわらず花を盗む母に八重はほとほと困り果てていた

 

八重「だからこれはダメなんだって!!」

 

母「…」

 

どれだけ母からいきおいよく奪っても母は驚くことはしない

 

むしろなんで私から盗ったんだとばかりに睨みつけてくる

 

その様子をみたおばさんに八重はなだめられる毎日だった

 

おばさんも母ももともと花が好きだった

 

いつもこの家の二件は花に溢れていた

 

すごく綺麗に手入れされていたはずの花は今はそこにはない

 

荒れた土が庭に投げ出されているだけだった

 

八重「はあ…」

 

おばさん「ほら、八重ちゃん…大丈夫よ、なんだか前より少しだけ元気になってる気がするもの」

 

八重「母が?なにもかわりませんよ…ってちょっと!!またどこ行くの?!!」

 

母は花を盗んだ後必ずどこかに行こうとする

 

八重はその母を止めるのにも一苦労していたのだ

 

いつものように八重が母を止めようとしたところ、おばさんが八重の手をパシッと掴む

 

八重「おばさん?」

 

おばさん「しっ…静かに八重ちゃん…あのね、梅さん…いつも花を盗んだ後それをもって出かけていくのよ」

 

八重「いやだからそれが困るから止めようと…」

 

おばさん「だから…ちょっとこんなことあまりしたくはないんだけど…梅さんが何をしているか後をつけることはできないかしら?」

 

八重「!!……尾行…のほうがよさそうですよね」

 

八重はおばさんの提案に苛立っていた感情が一気におさまる

 

母がこんな風になった理由のヒントをつかめるかもしれない

 

八重は久しぶりに心が晴れる感じを味わった

 

八重「うん…うん!!おばさんわたし…やってみる!!」

 

おばさん「…私もついていってあげたいけど…ほらこの図体でしょ?こんなでっかい人がついてっちゃったらさすがの梅さんも気づいちゃうと思うのよ…だから八重ちゃん…お願いね」

 

八重「…おばさんったら…」

 

おばさん「あ、ほらもう坂道をおりていったわ!八重ちゃんさ、早く!あっこの帽子貸してあげるわ!買ったばかりなのよ」

 

そういっておばさんは八重にツバが広い帽子をかぶせた

 

おばさん「うん、八重ちゃんこれ深めにかぶって…そうね…何か羽織るもの…そうだわ家の人のコートがいいかも」

 

おばさんはすぐに自宅へと戻り玄関にかけてあった旦那さんのコートを八重に渡した

 

おばさん「このコート、あの人気に入らないのか一度も袖を通してないのよ、だからこれも梅さんにはバレないわよ」

 

ツバの広い帽子に男性用コート、その姿は異様なものであったが今更着替えるわけにもいかない

 

母を見失わない方が大事だった

 

八重は自分の格好は気にしないようにしてすぐにそのまま母を追いかけていくのだった

ランキング参加中です!応援お願いします!

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

オリジナル小説 一覧

シリーズ一覧

最新記事

シリーズ

ブログ村